八極拳の六大開拳!!開門法の練習体系!!六大開拳と六大硬架拳!!
投稿日: 2020/05/03 8:48:07
八極拳の教習は、套路(型)練習を中心に行われます。ここから、八極拳に必要な身法や技術を学びます。
当流の八極拳で訓練する套路で中核になるものは、小八極拳(八極小架)、大八極拳(八極拳)、六大開拳です。
上記の套路は、段階的に訓練要求を変えて訓練します。
また、上記の套路において、制敵法や開門法を訓練し、八極拳の戦闘スタイルを決定付ける套路が、六大開拳です。
また、当流には、六大開拳とは別に、六大硬架拳という套路も練習します。
六大硬架拳とは、他派の八極拳における、六大開拳の戦闘原理を持つ套路です。
これは、当流の六大開拳が、他派の六大開拳の技法とは異なっているからです。
また、古伝の回族系の八極拳では、この六大開拳は、発力の方法を、6種類に分類したものだとも言われています。
つまり、当流の八極拳や、多くの漢族系の八極拳の六大開拳が、相手の門を開く技術として練習するのに対して、古伝の回族系では、発勁の為の自らの門を開く為の練習法として位置づけられているようです。
因みに、当流の八極拳では、発勁や発力のような、自らの門を開く練習は、八極小架(小八極拳)にて練習します。
当流の六大開拳が他派と異なっているのは、一説では、八極拳の名人で、神槍とも呼ばれた李書文が、晩年に六大開拳の戦闘法を再構成したからだと言われています。
また、この再構成された六大開拳の構成には、八大招式との関係が深く関わっています。
李書文は、六大開拳の戦闘法だけでなく、外家拳的(外面的)であった八極拳の技術に、「五行(金水木火土)の気」と呼ばれる、現代で言う、内功や気功を基にした発勁(発力)理論・技法を取り込み、八極拳を内家拳的なものへと改編したと言われています。
晩年の李書文が残した八極拳の風格は、動作が直線的で俊敏なものが多く、簡素な技法だと言えます。
また、中国の武術では、套路に内包されている技法、戦闘法を漢字一字で表す場合があります。
門派や系統にもよりますが、一般的にこの事を「字訣」と呼びます。
門派や系統によって多少のバラつきはありますが、一般的な八極拳門派の六大開拳の開法原理を表す「字訣」は、「頂、抱、弾、提、股、纏」です。
しかし、当流の六大開拳の「字訣」は、一部同じ部分はありますが、全く違った「字訣」、戦闘法で構成されています。
これは、前述の通り、李書文の工夫によるものだと言えます。
実際、李書文は、多くの武術家と面識を持ち、研究する機会があったためです。
ただ、この六大開拳の変化は、晩年に成されたようです。
李書文の初期の八極拳を伝える、長春八極拳の六大開拳は、上記の「頂、抱、弾、提、股、纏」の「字訣」で構成されています。
当流の八極拳の練習では、通常、この再構成された六大開拳を訓練します。
これは、この李書文が、晩年に再構成した六大開拳の戦闘法を元に、当流の八極拳の全ての套路、技法が構成されているためです。
当たり前の話しですが、一貫性のない技術体系では成り立ちません。
しかし、どのような変遷を経て、この套路が構成されたかを知るために、六大硬架拳と呼ばれる、再構成される前の戦闘形態を持つ套路を訓練するのです。
下記リンクのnoteでは、当ホームページでは解説していない、秘伝や秘訣などの技術を一部公開しています。通常公開されない、技術の深い内容や具体的内容、練習法などです。諸事情により、教室に通えない方などに、実際の教室での教習内容と同レベルの内容を、できる限り解かりやすく解説しているサイトです。よかったら、下記リンクよりご覧ください。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓