八大招式と六大開拳。八極拳の套路(型)。李書文の技と晩年の工夫。
投稿日: 2017/02/20 9:44:07
八極拳には、八大招式と呼ばれる套路(型)があります。この八大招式は、門派(流派)によって様々な形態を持ちます。
基本的には、八種類の単式の套路(型)で構成されています。
当道場で練習している、神槍・李書文の晩年の八極拳(李氏八極拳)では、この八大招式は、練習者によって、学ぶ内容が違います。
これは、八大招式で練習する技や套路(型)の構成が異なるという意味だけではありません。
当道場で練習している八極拳の教習法では、八大招式という套路(型)は、全部で四十八式、存在しています。
この中から、練習者の特性にあった、八式を教授します。
つまり、通常の教習では、人によって、学ぶ内容が違うという事です。
しかし、本来、本当意味で、門派(流派)を受け継ぐ者は、この八大招式という套路(型)の構成基準を学びます。
つまり、八大招式の構成基準を知っていれば、形は、いくらでも構成する事ができるという事です。
当たり前の話しですが、学んだままの、決まった形のものは、実用できません。
逆に言うならば、本来、八大招式を学ぶレベルにいる者は、形を自在に、変化構成できる能力を要求されるという事です。
この八大招式の構成基準には、六大開拳が重要な要素となります。
六大開拳が、八大招式の構成のための一つの要素だという事です。
また、逆に、八大招式の中には、六大開拳が内在しているとも言えます。
六大開拳と八大招式の練習内容は、多くの部分で、重複しているという事も言えます。
極論を言うならば、内実を理解しているならば、八大招式の形態で、六大開拳の練習をする事も可能です。
特に、当道場で練習している、李書文の晩年の八極拳では、六大開拳の形態や構成が、他派の八極門派と大きく異なっています。
例えば、同じ李書文系の八極拳で、李書文の初期の技術を継承していると言われている、長春八極拳の六大開拳の構成は、下記の通りです。
「頂肘」「抱肘」「単陽打」「提肘」「跨打」「雙纏手」(「朝陽手」「覇王折江」)
下記が、当会の系統の六大開拳です。
「貼山靠」「大纏崩捶」「按掌寸捶」「猛虎硬爬山」「挑打頂肘」「虎朴」(虎撲)
このように、六大開拳の形態と構成は、まったく違ったものです。
当道場の李書文の晩年の六大開拳は、八大招式から、六大開拳の要素を抽出し、李書文が、晩年に、工夫を加え、再構成したものだと言われています。
つまり、李書文の得意技となる技法を、八大招式から、六大開拳として運用して、構成されたという事です。
このように、八大招式や六大開拳は、門派(流派)や系統によって、異なった形態と構成をしています。
しかし、形や技の相違点はありますが、当流の考え方を当てはめれば、どの門派(流派)の八大招式、六大開拳も、極めて近い内容だと言えます。
表面的な形だけに捕らわれれば、奥に内在する、真の意味を見損なうかもしれません。
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