投稿日: 2016/10/25 10:31:16
八卦掌で多用される「掌」で、代表的なものでは、「尹福」が伝えた「尹派八卦掌」で多用する「牛舌掌」と、「程廷華」が伝えた「程派八卦掌」で多用する「龍爪掌」ではないでしょうか。
当流で練習している「八卦掌」は、「尹福」派の「八卦掌」のため、「牛舌掌」を運用します。
一般的に、この「牛舌掌」の解釈は、牛の舌の形に似ているため、こう呼ばれるようになったと言われています。
しかし、当流の「八卦掌」では違った解釈をします。
当流の解釈では、前述の「掌」は、「牛の舌の形に似せた掌」であって、「牛舌掌」ではありません。
また、外形的には、多くの「尹派八卦掌」が、「穿掌」の形を基準にしているのに対して、「堅掌」と呼ばれる形を基準としています。
昔の資料では、当流の「牛舌掌」は、元々「推掌」を基準にして運用されていたようです。
いつ頃から変化したのかは不明ですが、現在では、上記の形態となっています。
当流の「八卦掌」では、力の配合を動物で表す場合があります。
前述の「堅掌」は、「龍」に相当します。
基準となる力の配合が「龍」のため、当流の「八卦掌」を「龍形八卦掌」と呼ぶ場合があります。
このように、同じ「尹派八卦掌」の「牛舌掌」であっても、門派(流派)や系統によって、形や力の配合、運用法は、違ったものとして伝わっています。