蟷螂拳の歴史。蟷螂拳の特徴と戦闘技法。蟷螂手と蟷螂捕蝉式の用法と套路(型)
投稿日: 2016/11/14 6:43:17
蟷螂拳(螳螂拳)は、清代初期に山東省出身の王朗によって創始されたと言われています。
王朗は、数多くの門派(流派)の拳を学びました。
一説では、十八門派の武術を学んだとも言われています。
その中国全土を巡る、武者修行の途中、各地の優れた武術家と立ち合って、全てに勝利したと言われています。
しかし、武術の総本山ともいえる、嵩山少林寺に立ち寄った際、一人の優れた技術を持つ僧侶に勝てなかったと言われています。
王朗がその少林僧に勝つために、修行を重ねていた時、蟷螂(カマキリ)が蝉を捕らえる瞬間を目撃し、これにインスピレーションを得て、蟷螂拳を編み出しました。
王朗は、再び少林寺を訪れ、かつては、かなわなっかた僧侶にも勝利したと言われています。
少林寺を離れた王朗は、故郷の山東省に帰り、螳螂拳を嶗山の道士に伝えました。
後に、蟷螂拳は、動作が俊敏剛猛で技法が細密な、硬蟷螂拳(七星蟷螂拳、梅花蟷螂拳、秘門蟷螂拳)と、内家拳(太極拳など)のような、緩やかな動作の、軟蟷螂拳(六合蟷螂拳)に分派しました。
また、七星蟷螂拳、通背拳、形意拳、八卦掌などの武術を融合させて生まれたと言われる、八歩蟷螂拳は、硬軟の中間派とも言われています。
更に、現在では、通背蟷螂拳、太極蟷螂拳、光板蟷螂拳、服家蟷螂拳、少林通背蟷螂拳、率手蟷螂拳、長拳螳螂拳、蟷螂猿拳や、台湾武壇系の蘇昱彰が創始し、八極拳と融合させた、八極蟷螂拳などの数多くの分派が生まれ、それらは中国全土や台湾に広く普及しています。
この蟷螂拳(螳螂拳)は、英語では「Mantis Boxing」と呼ばれることがある武術です。
現在の蟷螂拳には、前述の中国の山東省が起源と言われる、北派少林拳系(道教系)の北派蟷螂拳と、広東省・福建省など中国南方地域を中心に伝承されている、南派少林拳系の南派蟷螂拳が存在します。
北派蟷螂拳は、王朗の技術を現在でも受け継ぎ、蟷螂(カマキリ)の象形(形態)を模した、独特の手形である、蟷螂手を用いた技と、猴拳や秘宗拳などの、北方の数多くの優れた門派(流派)から取り入れた技法や、豊富な数の套路(型)を持ちます。
中国北派武術の総合拳とも称される、最も代表的な中国拳法の一つにもなっています。
一般的な蟷螂拳は、近接から中間距離での素速いスピードの攻防を得意とします。
蟷螂拳の特徴的な技法で、蟷螂(カマキリ)がセミを捕らえる形を模した、蟷螂捕蝉式は、一般的には、構えと思われていますが、実際的には、実用上の技の一種です。
蟷螂手で相手の腕を巻き込むなどし、敵の体勢を崩す用法だといえます。
蟷螂拳の套路(型)としては、基礎的な戦闘技法を学ぶ、崩歩拳。
少林拳より引用されたと言われる、小虎燕拳。
小翻車拳や、高級技法を学ぶ、欄截拳。
蟷螂手技法を学ぶ、蟷螂手拳。
重要な技を摘出し学ぶ、総敵拳。
接近戦や肘技を学ぶ、分身八肘拳。
剣、刀、槍などの各種武器術(兵器術)などがあり、すべての套路(型)の数をあわせると200以上もの数になると言われています。
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