八極拳の基礎練習法と套路(型)。金剛八式、丁字八歩式、小八極拳(八極小架)。寸勁(寸捶)や短勁と発勁(爆発勁)の練習法。熊と虎の勢法
投稿日: 2017/01/09 8:35:03
八極拳の練習には、基礎的な練習法(練功法)が多くあります。
また、八極拳の初期に学ぶ套路(型)も、基礎的な技術、能力を練習するために、存在すると言っても間違いではないと思います。
当道場の八極拳は、神槍とも呼ばれた、八極拳の名人である、李書文の系統です。
李氏八極拳とも呼ばれる場合があります。
この、李氏八極拳にも、多くの系統の八極拳がありますが、当道場で練習している系統の八極拳では、練習初期で学ぶ套路(型)は、小八極拳(八極小架)と金剛八式です。
また、丁字八歩式と呼ばれる単式の套路(型)も練習する場合があります。
小八極拳(八極小架)と呼ばれる套路(型)の練習法は、練習者のレベルによって、内容は変化しますが、比較的、静の状態を重視します。
これに対して、金剛八式は、動を重視する練習法をとると言えます。
また、丁字八歩式も、外形的な練習方法としては、金剛八式と同様の練習方法をとると言えます。
元々、金剛八式と呼ばれる、単式の套路(型)は、金剛拳(金剛羅漢拳)から影響を受けていると、言われています。
これは、李書文が、金剛拳(金剛羅漢拳)の李瑞東と交流した結果、自らの八極拳の練習体系に組み込んだと言われています。
そのため、これ以降、李書文系の八極拳だけでなく、多くの八極拳門派で、採用されたと言われています。
当道場に伝わる、八極拳の金剛八式の構成は、下記の通りとなっています。
「桃提馬歩捶(冲)」「欄捶」「千斤墜崩捶」「扁跳脚落足匝」「大纏冲二捶」「劈桃掌梢挂」「磋歩托天掌」「横打掌」
また、当道場の金剛八式は、他系統の八極拳とは、内容が異なっています。
例えば、当道場の八極拳と近い系統である、長春八極拳の金剛八式の構成は、下記の通りです。
「沖捶(衝捶)」「川掌(迎面掌)」「伏虎」「降龍」「探馬掌」「虎抱」「劈山」「圏抱」
また、前述した、当道場の八極拳の丁字八歩式と呼ばれる套路(型)の構成は、下記の通りです。
「衝捶」「搨掌」「降龍」「伏虎」「劈山」「圏抱」「探馬」「虎抱」
つまり、長春八極拳の金剛八式と、当道場で練習する八極拳の、丁字八歩式は、同種のもののようです。
この丁字八歩式という套路(型)は、台湾の八極拳において、有名であった、李元智より伝わり、多少の手直しをされて、構成されたと言われています。
また、当道場に伝わる金剛八式が、どのような経緯で伝わったのかは、はっきりしていません。
ただし、当道場に伝わる八極拳の練習体系としては、金剛八式と丁字八歩式や小八極拳(八極小架)は、極めて明確な意味を持ちます。
八極拳の技術には、熊の勢法と虎の勢法の二つの勢法があります。
この熊虎、二つの勢法がなければ、八極拳の技術は運用できません。
金剛八式という套路(型)は、この二つの勢法の練習を行いますが、熊の勢法を主に練習します。
この熊の勢法が運用できれば、八極拳の発勁力、技の威力は、強くなります。
また、爆発勁などの高度な発勁を運用するには、必要不可欠となる勢法です。
また、この熊の勢法による発勁の技術は、高いレベルに至れば、短い距離からでも打つ事ができ、寸勁(寸捶)や短勁を打つための土台ともなります。
丁字八歩式は、主に虎の勢法を練習します。
この虎の勢法がなければ、身体の各部位に力や威力(勁)を伝える事ができなくなります。
つまり、力が散漫になってしまうということです。
また、当道場に伝わる八極拳の小八極拳(八極小架)は、熊虎二つの勢法を同時に練習しますが、初期の段階では、熊の勢法を主に練習すると言えます。
これは、八極拳の練習において、熊の勢法がある程度、運用できなければ、虎の勢法は意味は成さないためです。
また、小八極拳(八極小架)の練習の中期(二段階)では、虎の勢法を中心に練習します。
このように、当道場に伝わる八極拳は、金剛八式、丁字八歩式、小八極拳(八極小架)などの套路(型)に、いくつかの練習法(練功法)を加え、基礎的な技術の構築を行っていきます。
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