【東洋学研究所】2026年度第4回研究発表例会
【東洋学研究所】2026年度第4回研究発表例会
開催
2026年11月28日(土)13:00開催 於:オンライン(GoogleMeet)
概要
発表1
沖縄の「ひんぷん」にみる媒介的境界と社会教育
―小浜島のフィールド観察をもとに社会教育の観点から公民館の媒介機能を考える―
増本 佐千子 研究員
本発表は、2026年9月沖縄県小浜島でのフィールド観察をもとに、沖縄の屋敷空間にみられる「ひんぷん」を、内外の関係を調整する「媒介的境界」として捉える。素材や形状の違いを越えて、視線を遮り、動線を変え、内部を守りながら人を迎え入れる働きに着目する。この空間のあり方を手がかりに、行政と住民、個人と地域の間に立つ公民館の媒介機能を考察し、異なる主体の関係形成を支える「ひんぷん型媒介」を仮説的に提示する。
発表2
『地蔵十王経』における地蔵とその教説
伊藤 真 客員研究員
中世から江戸時代にかけて信仰を集めた『仏説地蔵菩薩発心因縁十王経』(いわゆる『地蔵十王経』)は、中国の地蔵経典や十王思想の影響下で日本で撰述されたとされ、従来の研究では十王思想と関連した成立史的な面や、民衆信仰中の展開などが主として検討されてきた。それに対して本論では、第五閻魔王国における地蔵と仏の教説を中心に、『地蔵菩薩本願経』などとの関連も含め、本経が説く地蔵菩薩による衆生救済の教えの特徴を考察する。
発表3
井上哲次郎の日本精神論 ―「神ながらの道」と天之御中主神―
大鹿 勝之 客員研究員
井上哲次郎は『日本精神の本質』(大倉広文堂、1934年)において、神代の神々しい時代の気分が発達して遂に日本精神となり、その日本精神の活動が一定の径路を為して「道」と称するものになって来たという。また、「天御中主尊は如何なる神の中にも、如何なる人の中にも内在されてあるところの神であるから、各個人の良心は宗敎的に論ずる時は天御中主尊である」(同書83頁)と述べている。本発表では井上の説く「神ながらの道」と天之御中主神に焦点を当て、井上の日本精神論を検討する。
発表4
「近世期禅宗寺院における『一家宴』入寺とその背景」
金子 奈央 客員研究員
「一家宴」とは、禅寺院における新命住持の就任にあたって実施される入院(入寺)儀礼の一つであり、他山を招待せず、疏も山門疏のみの内輪の入寺形式を指す。本発表では、十七世紀の相国寺において第九十七世住持に就任した雪巖(岩)梵寅の入寺儀礼に着目しながら、近世期における禅寺院の入院儀礼の一つである「一家宴」入寺の性格と背景について考察する。
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