【東洋学研究所】2026年度第2回研究発表例会
【東洋学研究所】2026年度第2回研究発表例会
開催
2026年9月12日(土)14:00開催 於:オンライン(GoogleMeet)
概要
発表1
中世浄土教の『長谷聞書』における「五障」説への反論
――「物語」中で教化者の女房が提示する経論を中心に――
板敷 真純 先生(客員研究員)
『長谷聞書』とは、本願寺八代蓮如の弟子、天然浄祐(1442-1506)が書写した女房と老僧の「問答物語」である。注目すべきは、本書に説かれる往生論である。中盤で老僧は「五障三従」を根拠に、女性の成仏の難しさを説く。すると女房は『法華経』、『観無量寿経』などを用いて、成仏に疑いのないことを強調するのである。
「五障三従」思想が浸透していた中世後期において、「五障」説を否定して女性の往生を説く本書は極めて珍しいものである。本発表では中世後期の多層的な女人往生論の展開を明らかにしていきたい。
発表2
福本和也の航空ミステリー小説に描かれる「台湾」
和泉 司 先生(研究員)
本報告では、航空ミステリーというジャンルを打ち立てたミステリー作家・福本和也の作品に現れる「台湾」関する表象分析を通して、エンターテインメントという分野から、戦後日本社会における「アジア」「台湾」に対する知見や認識の実態にせまることを目的とする。
福本和也(1928−1997)は特攻要員であったときに日本敗戦を迎えた。敗戦後の混乱期には台湾人グループと関わった経験もあり、その作品群から戦後日本社会の「アジア」に対する認識を示していきたい。
発表3
哲学館主井上円了文学士の明治24年8月
――「館主巡回日記」未記録の日々を含めて――
出野 尚紀 先生(客員研究員)
井上円了が明治24年7月から9月におこなった巡講の記録には空白がある。8月1日から7日までが「館主巡回日記」に記されていないのである。この飛ばされた部分は、『南船北馬集』第3編「明治38年前開会地名一覧」に、地名があげられているのみである。しかし、『秋田魁新報』に日程を記す記事あった。さまざまな資料を組み合わせ、円了の24年8月を、いつ、どこで、誰と会い、どのような講演をしたのか、行程と合わせて詳解する。
お申込み
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