2026年度井上円了記念助成研究所プロジェクト
「東洋の思想・宗教と環境保護 」シンポジウム
2026年度井上円了記念助成研究所プロジェクト
「東洋の思想・宗教と環境保護 」シンポジウム
開催
2026年9月19日(土)13:00~17:00
・対面(東洋大学白山キャンパス)/オンライン(GoogleMeet)
プログラム
講演1 水口 拓寿 先生(武蔵大学人文学部教授)
発表タイトル:「自然」な環境を「当然」な環境へ-程朱学の天人関係論が風水思想に与えた影響の一斑」
要旨:中国に興った風水思想では、環境を改変してその理想に近づけることが許されてきた。風水は宋代に至り、士(し)大(たい)夫(ふ)と名乗る儒教知識人の間で空前と言えるほどの脚光を浴びたが、彼らの内で、程(てい)朱(しゅ)学(がく)と呼ばれる儒教思想の新風を受け入れた者たちは、天と人の関係をめぐる持論を風水の側へ応用し、天が造ったとされる環境に手を加えることを、人に課せられた務めとして積極的に肯定するようになった。程朱学型の裁(さい)成(せい)輔(ほ)相(しょう)論、即ち、限りある天の働きを各人の力で補完するべきだという考えが、風水の書物に現れ始めたのである。)
講演2 上田 信 先生(立教大学 文学部特別専任教授)
発表タイトル:風水の環境学としての両義性――「実践の学」か「解釈の学」か
要旨:環境知として再評価される風水には、風水林のように自然を維持・保護する「実践の学」と、人間の都合で環境を「見立て」て人工的に改変する「解釈の学」という両義性がある。前者は環境保全に寄与するが、後者は生態系への負荷となり得る。現代の環境学に風水を活かすには、この二面性を批判的に継承し、文化的な意味づけが環境破壊につながらないような、人間と自然の新たな共生の倫理を構築することが求められる。実例として福建と北京の風水から検討する。
講演3 李 綱 先生(東洋大学 経済学部准教授)
発表タイトル:現代中国における風水 —環境文化資源の視点から—
要旨:風水は20世紀初頭以降、中国の一部の知識人や政府によって、近代化を妨げる迷信として批判されてきた。とりわけ1949年以降は、公的・学術的領域から排除される傾向が強まった。一方、住宅や墓地の選定、都市開発、村落生活などでは、風水は実践され続けてきた。改革開放以降、伝統文化の再評価や地域文化の保護、環境問題への関心の高まりを背景に、風水は環境や文化など新たな視点から研究されるようになった。本稿では、大都市と村落における風水実践の違いを通して、風水が現代中国において「環境文化資源」としてどのように再解釈されているのかを明らかにし、その可能性と限界を考察する。
コメンテーター:小島 毅 先生(東京大学大学院 人文社会系研究科教授)
お申込み
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お問い合わせ
東洋学研究所 〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20 TEL:03-3945-7483 ✉:toyogaku@toyo.jp