過去帳

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江戸時代初期から庄屋を勤める松沢家は禅宗で光明寺の旦那だった。 江戸中期に養子を迎えたがこの養子、仁助は浄土真宗の熱心な信者だったので、光明寺和尚に改宗を申し出、苦心の末仁助一代限りだけ改宗を許された。

仁助の倅久兵衛は、親の意志を継ぎ何とか一家総改宗をしたいと考え光明寺へ請願し続けるが、光明寺も簡単には受け付けない。 そこで久兵衛は弟が成人した暁には分家させ、弟に光明寺の旦那を努めさせる約束をする。 結果的に弟が成人後約束通りとなる。 この事を幕末に子孫が書き残したもの