ハリスの演説

ハリスの演説

1856年8月(安政3)、タウンゼント・ハリスは米国の総領事として日本に渡来し、下田玉泉寺に駐在した。 これは1年半前にペリーと幕府の間で結ばれた日米和親条約に基き、ハリスの任務は日本と米国の通商条約を締結する事だった。 日本側は時期尚早と引延ばしを図るが、ハリスはねばり1857年12月(安政4年10月)終に江戸に登り将軍に大統領国書を渡す。 その午後、老中首座堀田備中守の役宅で老中始め幕府役人を前に、2時間に渡り通商条約の必要性について演説を行った内容が下記文書として残った。

内容は世界の情勢(日本を狙う英仏、ロシアの脅威、技術革新、中国の惨状)を説き、日本も交易により世界の仲間に入らないと安全は保たれず、特に米国と通商条約を結ぶ事が最大の安全保障である、と云う事で結んでいる。

ハリスが英語で語り、ヒュースケンがオランダ語に同時通訳し、それを通詞達が日本語に訳したり記録したもの。 ハリスの日記、ヒュースケンの日記共に、2時間の間に満足できる話しができたとあるが内容については記録なく、詳細は日本側の記録だけのようである。

尚下記文書の読下し文及び脚注は当会会員のホームペー ジ大船庵の「ハリス来日と日本の開国」に詳細が掲載されている こちら