天保撰要類集104

天保撰要類集

撰要類集とは江戸町奉行所記録書類を整理したもので幕府から明治政府に引継がれた膨大な史料である。

教材はその中で天保期の記録の中にある七代目市川団十郎に関するものである。 天保の改革中の奢侈禁止令に触れたという事で団十郎は江戸を追放されるが、大坂の興業主への借金返済のため大坂で芝居をやらせて良いか否か、大坂町奉行より江戸町奉行への問合せである。 これに対し江戸町奉行は団十郎の罪は奢侈によるものであり、歌舞伎という家業に対する罪ではないので、大坂で芝居を続けることは構わない旨伝えている。 尚追放直前は市川海老蔵を名乗っていたが、追放後成田屋七左衛門を名乗っている。

天保撰要類集p3より