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呂宋国漂流記

呂宋(るそん)国漂流記

今から170年程前仙台藩から江戸の米を運送する船が九十九里沖で遭難し、十ヶ月漂流の末フィリピンに漂着した。 そこで救助され、マニラを経由し中国に届けられる。 折から中国はアヘン戦争の終結間もない時だったが、日本との貿易港である乍浦(現上海の近く)から長崎に中国貿易船で送り届けらる。 国交は無くとも当時の漂流民扶助は人道に基き、故国に送還するというルールのようなものができていたようである。 この記録は仙台藩の大槻盤渓が漂流民からの話しを聞いて書いたものであり、 アヘン戦争の影響、英国の蒸気軍艦等の話しに特に興味を持って書いている。

出典: 国立公文書館内閣文庫天保雑記第50冊(写本)