Scratchプログラミング言語
図形描画Ⅰ
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Scratchには,線画による図形が描けるように,ペンのブロックが準備されている.
一昔前のペンプロッターの動作に近い動きを再現することができる.
ステージの大きさは,横(X軸)方向は,−240〜240,縦(Y軸)は−180〜180であり,ペン先は「ネコの口」部分にある.
ペンで描くには,「ペンを下げる」と「◯歩動かす」の組み合わせを実行する.次図は100歩横(+X軸方向)に歩かせるプログラムである.最初からやり直す場合は下の2行を2,3行目に追加する.前回の図を消去し,原点に移動させるためである.原点に戻さずに実行すると「歩み」は継ぎ足し状態になってしまう.
プログラム1においては,x座標を0,y座標を0にするを用いてスプライトをX,Y座標の原点(ゼロ)に置いている.
次の「0°度に向ける」の意味はY軸に対する角度ゼロ,すなわちスプライトは上を向いている.
「隠す」は,描画に不要なスプライトを画面から隠している.
「消す」は画面をクリアにするための命令.
ペンの大きさを1にする(標準値)にセット.
ペンの色をセット.
ペンを下ろす.
スプライトの向きを90度回して右側へ50歩動かす.
ペンを上げて書き終わる.
実行結果の1)のように横線が赤で描かれる.
プログラム2では,スプライトの向きがY軸に対して60度時計回りに回転させて,向きを変えている.これに対して,さらに60度回転して50歩進むので実行結果2)のような右下がりの直線が描かれる.
プログラム3では,「60度回転して50歩進む」を2回繰り返すので,実行結果3の屈曲した直線が得られる.
プログラム4では,「60度回転して50歩進む」を6回繰り返すとベンゼン環が描かれる.
プログラム5では,プログラム4に「繰り返し構文」を適用し,さらに線幅を太くしたものである.
実行結果
n角形の内角の和は (n-2) X 180 であるから,角度を調整すればいろいろな多角形が描ける.左側のプログラムは八角形,右は円に見えるが36角形である.
いろいろ複雑な図形を描くことができる.一例として八角形プログラムを利用して渦巻き模様を描いてみた.歩みを変数(n)として,1辺を描く毎に2歩ずつ延ばしている.
次図は,スプライト(カエル)が迷路に沿って動くプログラムである.舌の赤で水色の太線を感知して方向を修正しながら進む.ネコのスプライトは隠しているので登場していない.ネズミは予備のスプライト.
子ども向きのプログラミング言語と言われているが,大人の頭の体操に持って来いである.