多々あるプログラムミス

プログラムミスでユーザーは損をしている.

最近の電化製品には,コンピュータの頭脳(CPU)に近い半導体回路が組み込まれ,いろいろな使用状況に対応した制御を行うためのプログラムが内蔵され ている.電気釜,電子レンジ,AV機器,自動車等はその典型的な例である.プログラムを作る際,起るかもしれない種々の誤動作や安全に対応しながら安定に 動作するように配慮するわけであるが,すべての状況に対応した検証はできないので,使用段階で不都合が起きることがある.クルマ等の場合は回収してプログ ラムを書き換える等の措置がとられるが,一般家庭で使用する機器類となると努力が足りないと言いたい.

最近経験したのは,C社の無線ルーターである.家庭内のどこにパソコンがあっても安価に無線接続できるので,多くのユーザが重宝している機器である. ケーブルテレビネットワークの下で使用していたが,時々接続が切れることがあった.自宅の隣近所でも使用しているし,電子レンジ,無線テレビドアフォン等 との電波干渉も報告されているので,原因はそのようなことであろうと思い,リセットしたりして復帰させていたが,最近メーカーのホームページを見ていた ら,そのような症状を改善するための修正プログラムが公開されていた.

CATVのほか,光ケーブル,ADSL, 電話回線等いろいろな接続形態があり,さらにパソコン,OS,アプリケーションの種類の組み合わせで利用条件は数えきれない.しかし,発売から3年経って いるので,今頃と言いたい.このようなことは多くの商品で起っているはずである.消費者は自分の設定や操作が悪いと思っているが,実際はメーカー側に問題 がある場合が多々存在することを指摘したい.

プログラムミスと言えば, 探査機「はやぶさ」でもミスがあったとのことである.2005年、小惑星「イトカワ」に着陸した際に岩石採取のための金属球 を発射できなかったのは、地上から送ったプログラムにミスがあったのが原因だったことが明らかになった(宇宙航空研究開発機構の検証で判明).

このほかにも,入試資料の作成ミス,採点プログラムのミスによる追加合格,車のブレーキタイミング,税金過払い等々枚挙にいとまがない.

[一言]修正プログラムを使ってアップデートする際は「自己責任でやれ,メーカーは責任はとれない」と記載している通信メーカー(P社)があるがこれも問題である.

(平成22年12月5日)