九大薬友会からの同窓会費免除通知

九州大学薬学部同窓会(薬友会)からの連絡によれば, 70歳を越えた同窓会員の会費を免除にするとのことである.

粋な計らいと言いたいが, 40数年前に終身会費制度を作り, その利子で運用できると見込んだ良き時代があったことを思い出した. 当然のことながらその後経験したオイルショック, バブル崩壊等の経済状態の激変がそれを許すことはなかった. 積立金を取り崩しながら同窓会の運営や会報の発行などが続けられた. 九州大学薬学部に限ったことではない. 今回の免除は,そのような背景を知る人の計らいかもしれないが,確証があるわけではない.

熊大薬同窓会の世話役の教員にこのことを話した. 熊大薬同窓会は高齢者に依存している割合が高いため, このような配慮は無理との個人的見解が返って来た. 裏返せば, 若い世代の関心が少ないことを意味している.

最近, 九州大学は100周年の記念事業, 熊本大学薬学部は125周年の記念事業が計画されている. 研究助成金集めを絡めているのも事実である. 法人化後, 研究費調達は各大学の自助努力が求められるようになったため, 寄付を募るなど運営が私立大学に近いものになってきていると指摘されている. 熊薬の場合は, 法人化前から「1年に1万円,十年間納める研究助成」が随時受付で実施されている (2回目を募集中). 同窓生に研究資金を求めることに反対するわけではないが,バブル時代とは異なる経済状況であることを考えるべきである. 本来は研究成果を利用促進することによる研究費の獲得が求められているのではないだろうか.

同窓生依存の研究費集めは国の文教行政の貧困の裏返しであることを物語っている.

[一言] 九大薬友会からのメールの返事は半年後にやってきた. 担当教員のメールによれば, 半年メールを見ていなかったとのことである. 大学のIT化はほど遠い.研究に専念していたらそんな暇はないという特有のムードが存在することは事実である.

(H22/6/20)