浄福寺(浄住護雄住職)

(平成熊本地震,浄福寺,浄住護雄住職,元熊大薬学部教員,東区沼山津)

西日本新聞のWeb版(平成28年5月18日)は平成熊本地震で被災した寺社の再建問題について報じていた.被災した寺社は九州全域で700を超えるという.その6割は熊本県に集中しているとのことである.記事では,熊本市東区沼山津にある浄福寺の被災情況について,住職の話を紹介していた(写真参照).再建には多額の費用が必要だが,阿蘇神社のような重要文化財等に指定されている寺社とは異なり,一般の寺社は「政教分離」の原則から公的支援は望めないらしい.再建に必要な資金は寄付金等に頼るしかないが,檀家や氏子などの多くも被災していて再建の目処が立たないとのことである..

浄福寺は400年の歴史がある浄土真宗本願寺派の寺である.住職の浄住護雄氏は,高校,大学,大学院の後輩であり,同じ職場(熊大薬学部)で教育,研究に従事した研究者およびオーディオ仲間でもある.5月23日のNHK熊本のニュースでも,インタビューを受けていたが,彼の人柄がよく現れていた.

東区沼山津地区は益城町と接し,震源に近いので,もしやと思い,本震の後電話を入れたが,「前震の後,危険を感じ安全な建物に避難したため,家族全員無事である」とのことであった.しかし,本堂等が倒壊し,手の付けようがないとも言っていた.付近は危険域に指定され,関係者以外は立ち入ることができないため,現場を見ていないが,今回のNHK報道で初めてその実体を知り驚いた次第である.

以下は西日本新聞の記事写真である.崩れた本堂の前で,再建の難しさを語る住職.

浄福寺と益城町役場の位置

被災前のGoogle画像 右下の境内の角にある鐘楼や山門は前震で崩れた.

被災後(前震)鐘楼は倒壊している.本堂は前震では倒壊せず,本震で倒壊したことが分かる.

本震後のGoogleの航空写真は不明瞭のため利用できない.

被災前の姿(Googleストリートビュー)

鐘楼 学生や院生が除夜の鐘をつきに訪れていた.

特徴的な本堂の屋根

熊日コム(熊本地震から1か月間の新聞を公開)