吾妻山ロッジは2020年11月に閉鎖されたままで、残念、不便と言うしかない。さて、今回もこの時間で、私が一番乗りということらしい。しかし、吾妻山は人気の山。これから9～10時をピークに多くの登山者が集まる。私はその人たちに追い越されながら、ゆっくり登山と花の観察を楽しむ。

　全国に分布。山野の日当たりのよい所に生育。草丈は30～50㎝。茎は1本または2～3本が叢生し、直立して分枝して、無毛。葉は対生し、長さ3～5㎝の広披針形で、基部は茎を抱き、先に向かって次第に狭くなる。黒点は密にあり、縁に黒点が並ぶ。花期は7～8月。花は集散花序となって多数付く。花弁は倒卵形で黄色、径1.5～2㎝。花弁と萼片には黒線があり、縁に黒点が多い。

　本州、四国、九州、沖縄に分布。低・山地の水辺や湿地、水質地に生育する。草丈は50～100㎝。地下茎は横に這い、全体に臭気がある。葉は互生。長さ５～15㎝の卵～卵状心形で、1～5㎝の幅の広い柄がある。花期は6～8月。花序に近い数個の葉は、開花時に下半部が白くなり、花の終わった後淡緑色になる。花は上部の葉腋から10～15ｍの花穂を出し、小さな花を総状に付け、基部の方から順に咲く。

　全国に分布。日当りのよい湿地に生える。茎は直立し高さは60～100㎝。縮れた毛を密生し、上部で斜上する短い枝を分ける。葉は対生し、ほとんど無柄。長さは6～12㎝の披針形で基部から3行脈が目立つが、しばしば基部で3深裂〜全裂するために6枚の葉が輪生するように見えることもある。花期は8～10月。頭花は茎や枝の先に頂端が円みをおびた密な散房状に集まって付き、総苞は長さ4〜6㎜、総苞片は10個あってふつう鋭頭、背面には軟毛が多い。小花は淡紅紫～白色で長さ3.5〜4.5㎜。

　スイレン属は世界中に分布し、50種ほどが知られる。日本にはただ1種、ヒツジグサ（未草）のみが自生している。さまざまな種が観賞用に栽培され、また多数の園芸品種が作出されている。

　本州、四国、九州に分布。日当たりのよい湿地に生える。横に這う根茎がある。花茎は高さ30～40㎝。葉は多数が根生し、斜上する。葉身は長さ10〜16㎝の狭卵〜卵状長楕円形で先は尖り、基部は翼状になって葉柄に流れる。表面は灰緑色で光沢はなく、脈が凹む。花期は7～8月。淡紫〜濃紫色の花を横向きに開く。花は長さ4〜５㎝の筒状鐘形で、下半部は細く、上部は広がる。内側に濃紫色のすじがある。花の基部の苞は緑色で舟形にくぼんでいる。

 　全国に。日当たりのよい山地、丘陵に自生する。ただ、現在では広く栽培されているため、自然分布との境目が判りにくい場合もある。高さは15m。葉は短い葉柄があって互生。葉身は長さ8～15 ㎝の長楕円～長楕円状披針形で、先端は鋭く尖り、基部は円形～心形。やや薄くて、表は濃い緑色で艶がある。雌雄同株の雌雄異花。花期は6月前後。花序は長さ10～20㎝の紐状の穂で、先は垂れ全体に白～淡黄色を帯びる。花序の上部には多数の雄しべが付き、下部に2、3個の雌しべが付く。雄花の匂いは独特で、香りも強く、あたり一帯に漂う。クリは自家受粉しない虫媒花である。雌花は3個の子房を含み、受精した子房のみが肥大して果実となる。

マユミ（檀　真弓）

ニシキギ科　ニシキギ属　

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　全国に分布。丘陵地や山地、山野に自生。花期は5～6月。花色は淡緑色で、あまり目立たない。写真は果実。枝にぶら下がるように付き、小さく角ばって4稜。熟すと4裂し鮮烈な赤い種子が4個現れる。よく目立つ。

ここから、しばらく林内を歩く

　本州、四国、九州に分布。山地の草原や林縁等のやや乾いた所に生育する。茎の高さは100～150㎝。根生葉は長さ40～50㎝の線形で、2列に出て扇状に開き上部だけわずかに下垂する。花期は7～9月。1本の茎の先端で花序が枝分かれし、淡黄色（レモン色）でラッパ状の花を上向きに次々と咲かせる。花弁は6つに深く裂け、やや放香がある。花被片の長さは6.5～7.5㎝、花筒の長さは2.5～3㎝。雄しべは花被片より短く、葯は黒紫色。花柱は雄しべよりやや長い。夕方から花を開き、翌日の午前中にしぼむ。スズメガ媒花である。

サンショウ（山椒）

ミカン科　サンショウ属　

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　全国。半日陰の湿潤な地。樹高は1～3m。葉柄の基部に鋭い棘が対生する。葉は互生。長さ10～15㎝の奇数羽状複葉。小葉は1～2㎝の楕円～卵状長楕円形で5～9対する。縁には鈍鋸歯がある。葉裏は白い。花期は4～5月。雌雄異株。枝先の葉腋に径5㎜の黄緑色の花が多数開花する。雌花には2本の角のような雌しべが突き出る。果期は9～10月。雌株は球果が結実し、その果皮は芳香がある。果実は1～3個に分果し、径は5㎜ほど。秋に赤く熟し、裂開して中から黒い光沢が持った球形の種子が出てくる。写真のものは、何かの理由で人によって幹を切り取られ、その後改めて新葉が吹き出たものと思われる。

　明るい林縁に咲いたもの。林内で見たものより、全体的に大きくしっかりしている。花数も多い。

　全国。山地の岩場等に自生する。落葉広葉樹の低木。高さは1～2m。枝はよく分枝する。葉は互生。葉の形は長さ3～7㎝の倒卵形で 先端は尖り、全縁。秋になると美しく紅葉する。花期は8～10月。枝先に円錐花序をだして直立し、小さな花を多数付ける。花弁の色はやや赤みを帯びた白色で、径15㎜ほど。3個の裂片に分かれて先は反り返って丸まる。雄しべは6個。雌しべは長くほぼまっすぐに伸びて、花外に突き出す。花柱の長さは7㎜。果実は蒴果で、径3㎜ほどの扁球形となる。

　本州、四国、九州に分布。湿潤で明るい林下、林縁、草原に生える。草丈は40～80㎝。茎や葉柄には淡褐色の長い毛がある。葉は２回羽状腹葉～４回奇数羽状深裂。小葉は長さ2～4㎝の楕円～倒卵形。先はふつう鈍頭。基部は鈍形～切形、縁にやや不揃いの鋭い重鋸歯がある。花期は6～8月。花序は複総状で、側枝は短くややまばらに付き、下部のもので長さ3～5㎝、直立または斜上し、密に花付ける。花弁は５個、淡紅色で線状さじ形、長さ3～5㎜。雄しべは10個、花弁よりやや短く、花糸は普通淡紅色で、裂開前の葯は淡青紫色。萼裂片は緑白色、楕円形で円頭、長さ1～1.5㎜。果実は蒴果で、長さ3～4㎜。

　全国に。山地の林下等湿り気のある所に生える。草丈は15～35㎝。葉は茎の下部に２枚接して付き、その上に数個の鱗片葉がある。葉身は長さ8～13㎝の狭長楕円～倒披針形で、やや弓なりに湾曲し、全縁。花期は7～9月。花は総序花序となって多数付き、淡緑白色。背萼片は広楕円形、長さ2㎜、側萼片は狭長楕円形で横に開く。側花弁は狭卵形、背萼片と同長でともに兜を作る。唇弁は白色で、長さ3～3.5㎜、前に垂れて基部から３裂し、中裂片は舌状。距は白色で前に垂れ下がり、長さ4～6㎜。

　本州、四国、九州。野原、山野、草原に自生。茎の高さは60～100㎝。上部で枝分かれする。葉は多形で変化があり羽状に中裂し、鋸歯がありその先は硬くて鋭い棘になっている。茎に付く葉は互生し、基部は茎を抱く。根生葉は花期まで残っている。花期は5～8月。高所ではまれに10月まで咲いている。花は、枝の頂に上向きに直立して頭花が付く頭状花序で、すべてが筒状花で構成され、径は4～5㎝ある。花の色は紅紫色がふつうであるが、淡紫色であったり、まれに白色のものもある。はじめは筒状花から雄しべが現れて、昆虫などが花を刺激すると、接触運動により雄しべから花粉が湧き出てきて、昆虫に花粉を与える。雄しべが引っ込むと、続いて雌しべが現れて、花粉を付けた昆虫の媒介によって受粉する。

　全国。山地の日当たりのよい草原にふつう。葉は根生して開出し、長さ12～14㎝の倒披針形、鈍頭から鋭頭で両面無毛、全縁。花茎は高さ15～55㎝、無毛または短毛があり、分枝しないか、する。花期は7～8月。細長い総状花序に多数の花を付ける。花は上を向いて咲く。苞は線形、花柄は長さ2〜4㎜、花被片は6、披針形、鈍頭、長さ6〜7㎜、黄白色。雄しべは6、花被片より短く、花糸は下部が少し幅広くなり、無毛、基部は花被に合生する。

　本州東北～中国地方の日本海側に分布。山地の日当たりのいい尾根筋や岩場に生育。高さは10～50㎝。葉は互生。葉身は長さ2～6㎝の卵状楕円～楕円形。先は短く尖り、基部は円形。表面は緑色、裏面は白色を帯び、無毛。花期は7～8月。花は新枝の先に総状花序につき、多数の花を下向きに付ける。花冠は緑色、平たい壷形で先は浅く５裂し、裂片は反曲する。萼は５深裂し、裂片は三角状卵形で先は尖る。花序軸は無毛。果実は蒴果。扁球形で上向きに付き、径4～5㎜、熟すと５裂する。

　全国に分布。山野の草地にふつう。草丈は25～200㎝。茎はよく分枝し、全体に剛毛があり触れるとざらつく。根出葉は花時には枯れる。下部の葉は互生し、葉身は長さ8～22㎝の倒披針形。先は尖り、基部は次第に細まり、翼となって茎に寄り添う。中部の葉は長さ6～12㎝の披針形で茎を抱く。花期は5～10月と長い。頭花は散房花序に付き、径2～2.5㎝。小花は黄色で30～34個。総苞は長さ10～11㎜、やや黒っぽい緑色、内片は線状披針形、背に1～2㎜の剛毛があり、外片は短い。

　本州福井県・愛知県以西、四国、九州に分布。ヤマハハコの西日本型と言われる。日当たりのよい草地に生育する。草丈は20～40㎝。茎は叢生し、中部で枝分かれしない。葉は互生、長さ3～6㎝で、幅2～6㎜の線形である。裏面は白色で縁は裏面に向かいやや巻き込む。表面にも綿毛が残り全体に白い。花期は8～9月。上部だけ枝分かれをし、茎頂に頭花を散房状に上向きに多数付ける。（今回のものは特に大きいように思う）頭花は径7～10㎜。花は中心の黄色の部分で管状花のみの頭花を付ける。白い部分は総苞片。雌雄異株。

　近畿地方北部、中国地方、九州北西部に分布。海抜1200ｍ以上の尾根や岩場、荒地等に生育する。半寄生の一年草。草丈は15～25㎝。茎は下部で分枝して直立し、曲がった短毛がある。葉は光沢があってやや厚い。広い卵形で鋸歯は鋭く尖っている。花期は7～10月。次々と咲く。葉の付け根に0.7～1㎝の白い花を付ける。萼は広鐘形、花冠は萼の大きさに対して大きく唇形で、上唇はかぶと、紫色の条がある。下唇の内面には小さな黄斑がある。

　沖縄以外に分布。湿った日なたの傾斜地によく生えるが、あまり湿地には出ない。茎には主茎と側枝がある。主茎は細長くて硬く、匍匐茎となって二又分枝しながら地表を這い、所々から根を出し、茎を地上に固定する。表面には一面に線形の葉が付いている。側枝は短くて、数回枝分かれをし、その全体にやや密に葉を付ける。夏頃に胞子を付ける。まず茎の所々から垂直に立ち上がる枝を出す。この茎は緑色で、表面には鱗片状になった葉が密着する。茎は高さ5～15㎝、先端近くで数回分枝し、その先端に胞子のう穂を付ける。胞子のう穂は長さ2～10㎝の円柱形。胞子のうを抱えた鱗片状の胞子葉が密生したもので、直立し、やや薄い緑色。

ウリハダカエデ（瓜膚楓）

ムクロジ科　カエデ属

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　本州、四国、九州、屋久島にかけて広く分布。日当たりのよいやや湿気のある山地に自生。落葉広葉樹の高木で、樹高は8～10（20）m。樹皮は暗緑色で黒色の縞模様（未熟なマクワウリに似る）がある。葉は花が付く枝に1対、花の付かない枝に1～3対生する。葉身は、長さ、幅ともに6～15㎝の扇形5角形で、浅く3裂し、裂片の先端は尾状に鋭くとがり、基部は浅心形から切形になる。縁には不ぞろいの重鋸歯がある。葉質はやや厚い。葉柄は長さ2～6㎝。花期は5月。枝の先に長さ5～10㎝の総状花序を下垂させ、10～20個の花を付ける。花柄は長さ2～5㎜。花は淡黄～淡緑色。雄花の萼片は長さ3㎜になる楕円形、花弁は長さ5㎜になるへら形。雄しべは8個で長さ4㎜。雌花は雄花よりやや小さく、退化雄蕊は8個で長さ1㎜、子房に赤褐色の縮毛があり、花柱は2裂し、先端は外曲する。果期は7～9月。果実は翼果。分果の長さは2～3㎝で赤褐色の軟毛があり、翼果はほぼ直角に開き、種子部分が丸くふくらむ。

　全国に分布。日当たりのよい山野の草地。茎は高さ50〜150㎝、よく分岐する。葉は2〜4回3出。托葉に波状歯がある。小葉は長さ1～3（4）㎝の倒卵形または広倒卵形。基部は円く先は3〜5鈍浅裂、下面は緑白。葉脈は少し凸出する。花期は7～10月。花は大きな円錐花序に付く。萼片は4、淡褐紫色、広楕円形で3脈があり、長さ2〜2.5㎜。雄ずいは多数、長さ4.5〜6㎜、その内葯は1.3〜2㎜。果実は2〜4個、紡錘形で無柄、8稜があり、長さ3㎜。花柱は殆どなく、柱頭は3角状長楕円形、鈍頭、長さ1㎜。果柄は5〜8㎜。