蔵出し編集
至仏山
07.05-2009
7月の花
2009.07.05
今年(2022年)は7月25日に、改めて7月の至仏山に登山することが出来ました。その編集中に、ずっと思っていることがありました。
これは、2009年 7月 5日に至仏山への花行動・花登山をした時に撮影した画像をもとに編集したものです。
2009年と言えば、自身が花行動を始めてから3年目のことです。観察地が広島県内だけでなく県外にも向かい始めた頃で、計画から行動まですべてが初めてで、不安はあるものの期待優先の大事業で、楽しくて楽しくて仕方がなかったことを思い出します。編集時の今からすれば13年も前のことになります。その画像はパソコン内外のメモリーに散在していて、まず一か所に集めることから始まる大変な作業になってしまいました。今も見つけられないものもあるかもしれません。見つけたらその都度ページに加えることにします。
で、作業をしていて気づいたのは、単純に暦だけで言うと5日と25日の20日間で、至仏山の植物は大きく様変わりするということです。例えば、
ベニサラサドウダン クモイイカリソウ ジョウシュウキバナノコマノツメ マルバヘビノボラズ オオバタケシマラン ミヤマオダマキ オオバミゾホウズキ ヤマトユキザサ
等々30種余りが、今年 7月25日には会えなかったが、2009年 7月 5日には出会っていたということです。これには、自身も驚いたことです。そして、どうしてもページを起こして残しておこうと考えたことです。
先に編集した【至仏山 7月に出会った植物 前編 後編】と比べながら、「至仏山の20日間での様変わり」を視点にして見ていただければうれしいです。
なお、このページには風景写真がありません。植物だけにしか関心がなく、植物ばかりを追い求めていて、風景を撮影することに興味がなかったのだろうと思います。何ということだろうと、今さらながらに悔やまれます。もったいない。
花期は6~8月。葉腋から花柄を伸ばし1個ずつ花を付ける。花柄に関節があり、ねじれて下向きに白緑色の花が付く。
ユリ科 ウバユリ属
北海道、本州中部地方以北に分布。やや湿り気のある林縁・林内に生育する。高さは1.5~2mくらい。花期は7~ 8月。10~20個の黄緑色ないし緑白色の花を付ける。翌春まで立ち枯れした、実を付けた茎を見ることがある。花を付けた株は一生を終えるが、元株の脇に子株が育っている。
メランチュウム科 エンレイソウ属
全国の山地の林内のやや湿ったところに生える。茎は高さ20〜40㎝、葉は卵状菱形で長さも幅も6〜17㎝。先は急に短くとがり、基部は広いくさび形。花期は4~5月。花は茎頂に1個、やや横向きに付く。花柄は長さ2〜4㎝、外花被片は緑色または褐紫色、卵状長楕円形で長さ12〜20㎜。花後も落ちない。内花被片はふつうない。
全国に分布。山地の林内や林縁に生育する。茎の高さは15~40㎝になる。葉は4個が輪生し、葉身は長さ4~10㎝の長楕円形で、先端はとがり、葉柄はなく全縁になる。花期は5~8月。茎の先端に1個の、淡黄緑色の花を上向きに付ける。花柄は長さ3~10㎝。外花被片は披針形で、長さ10~20㎜、緑色の萼状、内花被片はない。雄しべは8個あり、花糸は長く、葯は線形で長さ3~4㎜、花柱は4個に分枝する。
シュロソウ科 ツクバネソウ属
果実は液果で、秋に径1㎝ほどの羽根衝きの羽子(はご)に似た実が黒紫色に熟す。
茎は直立し高さは10~30㎝。葉は長さ2.5~6㎝で、茎に対生し、形は卵~卵円形、縁は尖った鋸歯をもつ。葉柄はない。花期は7~8月。花は黄色、筒型で長さ2.5~3㎝。上部の葉腋に細長い花柄をもって花を付ける。果実は長楕円形の蒴果となる。
スイカズラ科 タニウツギ属
タニウツギ科とするものもある
主に日本海型気候の山地の谷沿いや斜面に多く見られる。花期は5~7月。今年枝の先端か葉腋に散房花序を出して、多数の花を付ける。5裂する萼裂片は長さ4~7 ㎜。花冠は淡紅色の漏斗状で、長さ2.5~3.5㎝、径2 ㎝になり、先端は放射相称に5裂する。花冠の内側より外側が色が濃く、開花しているものより蕾のほうが濃い。雄しべは5本、雌しべは1本あり、花柱は雄しべより長い。
サトイモ科 テンナンショウ属
北海道、本州の日本海側、九州北部に分布。山地の主にブナ帯に多く生育する。葉はふつう1個で、小葉は5個まれに7個がやや掌状に付く。小葉は狭卵~楕円~卵形~狭卵形で、長さ6~20㎝。先端は鋭頭。花期は5~6月。花序は葉より下部に付き、花序柄は長さ1~6㎝。仏炎苞はふつう緑色で、著しく隆起する白色の縦条があり、光沢がある。
北海道、本州中部地方以北に分布。山中に自生する。蔓性の枝は他の樹木や岩等に絡み付き、よく分枝する。葉は薄く紙状で、長さ4~7cmの葉柄をもって枝に互生する。葉身は長さ7~12㎝で倒卵~楕円~広卵形。基部は円形になり、縁には細鋸歯が付く。花期は6~7月、雄花、雌花とも径1~1.5㎝になり、若枝の下部の葉腋に1~3個の花を付ける。花は5弁花まれに4弁花で白色、花弁の長さは7~8㎜になる。秋に、長さ2㎝の長楕円形の果実を付ける。果実は黄緑色に熟し、多数の種子が入る。
マタタビ科 マタタビ属
花期には枝の先につく葉の表面の上半分以上が白化し、花が終わる頃には紫紅色を帯びる。
本州中部地方以北と奈良県に分布。山地~亜高山帯下部の針葉樹林の林床に生育する。茎の高さは35~70㎝になり、上部で斜上する。葉は茎の上部に8~11個が互生し、葉身は長さ10~15㎝の長楕円~狭長楕円形で、葉の縁は波を打ち、葉の裏面に毛が多い。花期は6~7月。茎先に円錐花序を付け、小さい花を多数付ける。雌雄異株で、雄株の花序は広く開いた円錐花序に、雌株の花序はやや狭い円錐花序となる。花序には軟毛が密生する。雄花、雌花とも花被片は緑白色で6個あり、長さは4㎜になる。雄しべは6個あり、花被片より短い。雌花の雌しべの花柱は短く、柱頭は明らかに3深裂する。
北海道南部~九州に分布。日当たりのよい草原に多く自生する。庭木としてもよく利用される。花は朱色。花の色が黄色い種類としてキレンゲツツジがある。高さ1~2mの落葉低木。花は径5㎝ほどのロート状で、4~6月に葉が出たのち葉が開くのと前後して咲く。果実は蒴果、長さ2~3㎝の円筒状で、10~11月に熟すと5裂して小さな種子を飛ばす。
北海道、本州近畿地方以北に分布。日本海側の山地に多い。花期は6~7月。高さ30~70㎝の長い花茎を出して、頂端にややくすんだ白または淡紫色の小花を散形に多数付ける。花はネギ坊主のような見た目で、花弁は6枚付く。
北海道、本州、九州に分布。山地の湿地帯や沼地など浅い水中に自生する。草丈は30㎝の花茎をまっすぐに伸ばし、葉と花茎とは別々に立ち上がる。花茎より若干太めの地下茎を横に伸ばして、その自生エリアを広げる。葉は長柄があり、3小葉からなる。(1回3出複葉)。小葉は菱形状(楕円形)で、長さは5~8㎝。葉は縁に波状の浅い鋸歯が確認できる。名は、3小葉からなり、「カシワ」の葉に似ていることによる。花期は5~8月。花はまっすぐ伸びた花茎の上部に、径1~1.5㎝の小さく真っ白な花を総状花序に多数付ける。花冠は漏斗形で深く5裂し、確認できる密生した縮れた毛がある。
ミツガシワ科 ミツガシワ属
花冠の中央には雌しべの花柱が1つ長く伸び、雌しべより短い雄しべが5~6本伸びている。
北海道、本州中部地方以北に分布。寒冷地の湿原に生える。草丈は30~60㎝。地下茎は長く這って茎を直立する。茎は円柱形で柔らかい。葉は対生。、葉身は長さ4~10㎝の披針形、先は短く尖り、基部はくさび形、全縁。葉柄は無い。
花期は6~7月。花は葉腋に2~3㎝の総状花序を伸ばし、黄色の花を密に付ける。花柄は長さ7~12㎜、線状の短い苞がある。花冠は深く6(5~7)裂し、裂片は広線形で長さ4~5㎜、上部に少数の黒点がある。雄しべは6(5~7)個、花冠より長く突き出る。花柱は長さ5㎜。萼は6(5~7)裂し、裂片は線形、黒色の腺状がある。果実(蒴果)は球形で黒点があり、径2.5㎜。。
全国に分布。日当たりのよい原野、湿地に生える。花茎の高さは10~30㎝。。葉は長さ4~10㎝の披針形または線状長楕円形で、一茎に1枚のみ付ける。
花期は5~7月。茎頂に紅紫色の花を1個付ける。萼片の長さは1.5~2.5㎝で長楕円状披針形、側花弁は萼片より短く狭長楕円形、唇弁側花弁より長く先端が3裂する。花は横を向き、大きくは開かない。花下に長さ2~4㎝の葉状の苞を付ける。
北海道、本州中部地方以北に分布。湿原のミズゴケの上等に生える。草丈は5~20㎝。ツマトリソウの変種で、全体に小型で、葉が短く、先が尖らない。
しかし、これらの違いは個体差の範囲で、同一種という考え方もある。花期は6~7月。
北海道、本州、四国に分布。亜高山の草地、半陰地、林縁に生育する。茎の高さは10~15㎝。葉は茎に互生し、茎の上部に輪生状に付く。葉の形は広披針形で、先が尖り、葉身は長さ2~7㎝になる。花期は6~7月。先端の葉腋から花柄を伸ばし、白色の径1.5~2㎝の花を上向きに付ける。花冠は7弁に分かれて咲き、雄しべは7個、雌しべは1個ある。
本州の中部地方以北に分布。山地~深山の岩場でみられる。高さ2~5mの落葉低木。葉は枝先に集まって互生する単葉で、長さ2~5㎝の倒卵形。葉の縁には先が毛になる細かい鋸歯がある。花期は5~6月。枝先に長さ2~3㎝の短い総状花序を出し、10個ほどの花が下向きに開く。花冠は長さ0.5~0.6㎝、径1㎝ほどの鐘形で、紅色地に濃い紅色の縦筋がはいる。花冠は浅く5裂して、裂片の先はまるい。花の色が淡いものもある。雄しべは10本あり花糸には白い毛が密生し、葯には刺状の突起が2本ある。花は下向きに咲く。
山地で普通高さ6~10m、高地では小低木となる。樹形は株立ち。葉は長さ15~25㎝の奇数羽状複葉、小葉が4~7対ある。小葉は披針~長楕円状披針形で、先は尖る。細かく鋭い鋸歯があり、両面ともほぼ無毛。小葉の表面は緑色で、裏面は淡緑色。花期は5~7月。白い花を多数咲かせる。花は5枚の花弁からなる6~10㎜小花で、複散房花序の形をなす。雄蕊は20個で、花柱は3~4本。果期は9~10月。果実は梨状果で、球形で径5~6 ㎜の赤い実を実らせる。
本州の谷川岳と至仏山、早池峰山に分布し、蛇紋岩地の岩場や礫谷にだけ生育する特産種。草丈10~30㎝の多年草。葉は2回3出複葉で、頂小葉は卵形。小葉の縁は全縁で刺毛がなく、先は尾状に伸びる。花期は6~7月。花は総状花序になり、淡黄色で碇に似た花が下向きに咲く。2枚の写真は同一個体。この個体に出会った時の感動を今も忘れない。もう一度会いたいと思って2022年に再登したが出会えなかった。
ツツジ科 シラタマノキ属
北海道、本州(主に近畿以北の日本海側)、四国に分布。低山〜亜高山帯の日当たりのよい場所に生える。高さは10〜30㎝。花期は5〜7月。花は白〜淡紅色。花の大きさは6〜8㎜で釣鐘形、縁が小さく5つに裂け、軽く曲がる。萼はあざやかな赤色。花が終わると萼が成長し、果実を包み込み、赤色の偽果となる。この偽果は食用になり、甘みがあっておいしい。名は「アカモモ(赤桃)」と呼ばれ、これが訛って付けられたといわれる。
全国に分布。温帯林の湿り気のある林縁、林床、渓谷の湿った岩上、高山草原に生育する。高さは10~80㎝。花期は5~8月。花序は茎先または葉腋から散房状に付き、花は径8㎜で、白色または淡紅色を帯び、花柄は長さ0.5~1.5㎝。。
萼片は長さ3㎜、楕円形で、白色ときに裏面が紫色を帯び、花期には落ちる。花弁はない。雄しべは白色で多数あり長さ6㎜、葯は長さ1㎜、花糸は棍棒状で上部は太く下部は糸状になる
本種は、基本種のキバナノコマノツメが蛇紋岩地に適応したもので、比べて葉がやや厚く毛が少ないという特徴がある。本州の谷川岳、至仏山の蛇紋岩地に特産。草丈は3~15㎝。根茎は横に這い、茎は細く、葉は腎円~腎心形で先は円く、縁には波状の鋸歯がある。花期は6~7月。花は葉の付根から花茎を出し、黄色の花を1個付ける。 別名【ジョウエツキバナノコマノツメ(上越)】
ジョウシュウキバナノコマノツメ (上州黄花の駒の爪)
スミレ科 スミレ属
本州中部地方以北に分布。深山の岩場、礫地に生える。草丈は15~40㎝の多年草。茎には星状毛があり、根出葉は長い柄があり、茎葉は長楕円形で長さ2~5㎝、基部は茎を抱き、両面に普通は星状毛がある。
花期は5~7月。花は茎頂に総状に付き、花冠は白色で長さ6~10㎜。果実は線形の長角果で、長さ3~6㎜、湾曲する。
ラン科 ハクサンチドリ属
これならハクサンチドリとすぐにわかる。花数が少なく、花弁が尖ったように見える。
リンドウ科 リンドウ属
これだけ群生しているのだから、もっと他の個体が撮れなかったのかと不思議に思う。
キク科 ウスユキソウ属
これが本当にミネウスユキソウなのか、よく分からないでいる。ホソバヒナウスユキソウではないし、ミネウスユキソウにしては全体が細く感じる。
ミヤマアズマギクの蛇紋岩変形型の変種である。本州の谷川岳、至仏山の蛇紋岩の礫地に生える。草丈は10~30㎝。花茎は長短混ざった毛が多い。葉は幅が2~5㎜と細く、毛がほとんど生えていない。花期は6~7月。花径は3~4㎝。淡紫色の花弁状のものは舌状花、中心の黄色い部分は筒状花の集まりである。
白山から飯豊山にかけて日本海側の高山帯に分布し、雪渓周辺や湿地帯などの湿った場所に群生する。 高さは15㎝。葉は3~8㎝で9~25個の鋸歯がある。花期は6~8月。花は淡紅色の5弁花だがハート型に深く切れ込んでいるので10弁花のように見える。まれに白い花の個体のもある。
ハクサンイチゲは、ふつう雪田のお花畑に生育し、雪解けと共に開花すると大群生する。当地のように岩場、礫地に咲くのもいいなと思う。
シュロソウ科 シュロソウ属
別名【タカネシュロソウ】。植物観察のためには、この写真もよく撮っていたと思っているのだが、その他全体を写した写真等が一枚もないのが不思議でならない。咲き始めとは言え、もっとたくさんの個体があったはずだ。どこかのメモリー(お蔵)に隠れているのかもしれない。
この時期のものは花の盛期か、瑞々しく花色も美しい。
本州の至仏山、谷川岳の蛇紋岩地に特産する。高さは50~100㎝。枝はよく分枝して、各節に長さ8~20㎜の鋭い棘が3~5個付く。葉は互生して卵形。縁には刺毛状の鋸歯がある。
花期は6~7月。花は総状花序で、黄色の花を十数個密に付ける。花弁と萼片は6個。
ここでは、ハイマツ帯や小低木、岩場等に隠れるように咲いていたことを思い出す。
ツツジ科 スノキ属
亜高山~高山帯のハイマツの下や岩混じりの草地に生える。高さは5~15㎝の常緑小低木。根茎は地中を這い、地上の枝はよく分枝してマット状に広がる。葉は密に互生し、長さ0.8~2.5㎝の長楕円~倒卵形でほぼ全縁、先は円形またはややへこみ短い腺が突出する。質が厚く、表面は深緑色で光沢があり、裏面に鱗片状の毛がある。葉柄は長さ1㎜。花期は6~8月。前年枝の先端の葉腋に短い総状花序を出し、紅色を帯びた白い花を2~8個下向きに付ける。花色は白~赤みの強いものまで変化がある。花冠は長さ3~7㎜の鐘形で、先は4浅裂し、やや外側に開く。雄しべは8個あり、雌しべは1個で花外に突き出る。萼は赤く、4裂する。花柄の基部に広卵形の苞が1個、中部に2個の小苞がある。果実は径5~8㎜の球形の液果で、赤く熟したその実は甘酸っぱく食用になる。
キンポウゲ科 ハンショウヅル属
つる性低木で、本州、四国、九州に分布することは合致するが、生育地が温帯林の縁ということから、トリガタハンショウヅルでよいのかどうか分からなくなっている。(Internetの検索でも、ほとんどが〖至仏山 未指定〗と出る。)一件だけ同種と思われるものが掲載されていた。自身の記録では尾瀬の山の鼻、三条の滝で出会っている。「多分トリガタハンショウヅルだろう。」ということにする。撮影時刻15時38分なので、鳩待峠に近い林縁のこの辺りなのだろうが、撮影の記憶もないので不安。
北海道、本州中部以北に分布。亜高山~高山帯の針葉樹林内や林縁、湿地などに生育する。根茎は細長く横に這って繁殖。根出葉は3出複葉で小葉は倒卵形。光沢がありやや厚く、基部の葉柄はほとんど無く、縁には鋭い重鋸歯がある。花期は6~8月。花茎は緑色で、高さは5~10㎝になり、1個の花を上向きにつける。花の径は7~10㎜。白い花弁にみえるのは萼片で5枚あり、長楕円形。花弁は蜜を分泌し、黄色で萼片より小さい。果実はほぼ卵形の袋果で矢車状に開出する。袋果の長さ3~8㎜、袋果の柄の長さは4~7㎜になる。
山地や原野の湿地、林縁等に生育する。葉は3出複葉で、長さ0.5~2㎝の葉柄があり、全体に青味がかった緑色をしている。花期は4~8月。花は黄色で径6~8㎜で、花柄は細く長さは1~4㎝になる。萼片は5個あり、狭卵形で先は鋭頭になる。副萼片も5個あり、披針~長楕円形で先は鋭頭~鋭突頭、萼片より狭く、ほぼ同長か短く、外側にまばらに毛が生える。花弁も5個あり、広倒卵~倒卵形で、先端はわずかにくぼむ。長さは3~4㎜になる。雄しべは15~20個あり、葯は楕円形になる。花柱は糸状になり、長さ0.7㎜でやや頂生する。
北海道、本州中部地方以北に分布。寒冷地の湿原、湿地に生育する。尾瀬ヶ原に多いが、至仏山の水質地にもわずかだが生育する。茎は地上を這い、上部が斜上して高さは10~30㎝になる。葉は互生し、葉の形は広線形から狭長楕円形で、長さ1.5~3.5㎝になる。縁は裏面にまくれ、葉裏は白みを帯びる。花期は6~7月。枝の先端に2-6個の淡紅色の花らなる散形花序を付ける。花柄は直立して長さ1~2㎝になり、その先端に下向きに長さ5-6㎜の壺形の花冠を付ける。花柄、萼片も淡紅色になる。花冠は浅く5裂し、裂片は反り返る。雄しべは10本。果実は径3~4㎜の蒴果となる。
キンポウゲ科 シラネアオイ属
シラネアオイ科 → キンポウゲ科
北海道、本州中部地方の日本海側に分布。山地~亜高山帯のやや湿り気のあるところに生育している。高さは20~30㎝。花期は5~7月。花弁ははなく、7㎝の淡い紫色の大きな萼片が4枚あり、美しい姿をしている。
シュロソウ科 ショウジョウバカマ属
ユリ科 → シュロソウ科
全国に分布。山地~高所までの林野の湿ったところに生える。根生葉は多数ロゼット状に付き、倒披針形で長さ5~20㎝。しばしば葉先に小苗ができる。花茎は高さ10〜30㎝。花期は4~7月。茎頂に短縮した総状に数個の花を横向きに付ける。花披片は淡紅〜濃紅紫色まれに白色で、長さ1〜1.5㎝、基部はややふくらみ、花後も緑色になって残る。雄しべは6個、花糸は花被片と同長かやや長い。葯は紅紫色。花茎は果期に伸長して高さ50〜60㎝に達する。蒴果は3つに深くくびれる。内側中央の縫合線から2裂する。