岡山県
神庭の滝
か ん ば の た き
4月
神庭の滝で出会った植物
2024.04.25
これは、2024.04.25に岡山県・神庭の滝を訪れた時に撮影した画像や映像をもとに編集したものです。
葉は対生。葉身は長さ3.5~6㎝、幅3~7㎝で、掌状に深く5~7裂する。花期は4~5月。雌雄同株で、雄花と両性花を付ける。若葉の芽生えと同時に、本年枝の先に複散房花序を出して、径4~6㎜の花を下垂して付ける。花色は暗紫色で、5個の萼片と黄緑色もしくは紫色を帯びる萼片より小さい 5個の花弁を持つ。雄しべは8個。風媒花で花後に果実を付ける。果実は翼果で、長さ1 ~2㎝の翼があり、10月頃に熟すと風を受けて回転しながら飛ばされる。
ふつう、低山の渓流沿いや山の斜面、やや湿り気のある明るい林の木陰などに群生するが、当地は高い山に挟まれた環境にあってか、ややひ弱な感じで個体数も少ない。
花の径は3~5㎝で、鮮やかな黄色をして、当年枝の先に多数付ける。花は一重のものと八重のものがある。
渓流沿いなどの湿った場所や沢沿いに生育する。この仲間としては比較的大型で、草丈は30~70㎝になる。根本から地表を這う匍匐茎を出して繁殖し、群落を形成する。花は4月から咲き始め、初夏まで次々と白色で十字形の花を次々に付ける。
コンロンソウと言えば帝釈峡、いや皿が嶺などと思い出す。いずれも大群生し草丈も高く豪華で、まさに崑崙山の雪といった感じである。とは言え、崑崙山など行ったことはないが。当地のものはひ弱に感じてならない。
155-神庭の滝4月-1 コンロンソウと蝶.mp4 花期は4~5月。萼は長さ13㎜の筒状で、15脈あって先端は浅く5裂しまばらに開出毛が生える。花は唇形の鮮やかな紫色(当地のものは鮮やかな淡紫色)で、2~3個のまとまりになって数段に付ける。
花冠は長さ4~5㎝になり、上唇は短く2裂し下唇は3裂しその中央裂片は大きく、下方に反り返って2つに浅く裂け、白地に濃紫色の模様がある。のど部の先端に開出する長毛がある。
なぜか人家近くの森林周辺の木陰など、やや湿ったところに群生する。花期は4~5月。白っぽい紫のアヤメに似た花を付ける。花弁に濃い紫と黄色の模様がある。根茎は短く横に這い、群落を形成する。草丈は50~60㎝になり、葉は艶のある緑色、左右から扁平になっている。
全国に分布。野山や野原の半日陰になるような道路法面などに群生する。[
草丈は30~50㎝。葉は対生し、その形は卵状三角~広卵形で上部の葉は卵形で先が尖り、縁は粗い鋸歯状になる。基部は浅心形で葉柄がある。花期は4~6月。唇形で上唇は兜型、下唇は突き出して先端は2つに分かれる。
花は白または淡紅色で、数個輪生状態になって茎の上部の葉腋に数段に付ける。花の付き方が、笠をかぶった踊り子達が並んだ姿に似る。花の基部に蜜がある。
アブラナ科 タネツケバナ属
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草丈は10~80㎝で茎は細い。花期は3~6月。花序は総状花序で、茎の先端や葉のつけ根に付く。花は4枚の花弁を持つ十字形花で、花弁は長楕円形へら形で、長さ3㎜ほど、色は白色。 とは言え、花が小さくてあまり目立たないので、気が付かないことが多い。あまり話題になることもない。
ケシ科 キケマン属
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木陰や林縁のやや湿った直射日光の当たらない所に生育する。 草丈は20~50㎝。全体がやわらかく、傷つけるとやや悪臭がある。花期は4~6月。赤紫色の長さ1.2~1.8㎝でキケマン属に独特の筒状の花を咲かせる。花の後方に蜜が入った長い距が突き出している。まれに白花もあって、➀先端に紫色があっての白花をシロヤブケマンといい、②完全な白花をユキヤブケマンというようだ。写真のものは後者と思われるが、撮影時にはそこまで考えていなかった。
ムクロジ科 カエデ属
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山地の沢沿いに生育する。花期は4~5月。雌雄異種。長さ5~10㎝の総状花序を有花枝の先端から下垂させる。花は淡緑色。雄花序(写真のもの)は花が15個内外付き、花柄は長さ5~10㎜ 、萼片は4個まれに5個で、長さ3.5~7 ㎜になる楕円形。雄花に花弁はなく、雄しべは4~10個で萼片より短い。雌花序は花が3~7個付き、花柄は長さ1~3㎝、萼片は長さ4~7 ㎜、花弁は萼片とほぼ同長。子房には全体に白色の長軟毛があり、花柱は長さ3㎜で2裂し、花後6~8㎜に伸びる。
155-神庭の滝4月-2 玉垂の滝.mp4管理事務所(料金所)を通過して、いったん「鬼の穴」に向かう。
小低木の中を通る細い道なので、ちょっと気分は落ち着かない。
チャセンシダ科 チャセンシダ属
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全国に分布。落葉樹林中や薄暗い谷沿いの崖など湿った所に生育する。 常緑のシダ植物。葉の形が単葉で立ち上がるなど特徴的なので、わかりやすいシダ植物のひとつで、葉の長さは30㎝前後であることが多い。葉の基部は心形であり、耳状になっていることが最大の特徴。裏面の胞子嚢群は長さ15㎜前後。葉や立ち姿が美しいので栽培されることもあり、いくつかの品種があると言われている。(写真はまだ新葉)
花期は4~6月。上部の葉腋に長さ4~6㎝の花柄をもつ黄色い花を、ふつう1個(まれに2個)付ける。花の色合いや雰囲気がヤマブキに似る。緑色の萼片は長さ15~17㎜で2個あり、開花直前に落ちる。花弁は4枚で長さ2~2.5㎝。雄しべは多数。花柱は短く、柱頭は2裂する。
サトイモ科 テンナンショウ属
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地面から立ち上がる第一の葉柄の途中から二番目の葉柄が分岐し、その途中から花柄が伸びる。(写真)葉柄上端には先が細くなった葉(三小葉)を付ける。つまり3出複葉。花柄は葉柄よりも短い。花(仏炎苞)の形が鐙に似ていること、武蔵の国で造られた鐙が良質であったことから武蔵鐙と呼ばれるようになったとされている。 鐙(あぶみ)は、馬具の一つで、鞍の両側に垂らし、乗る人が足をかけるもの。花は、この仏炎苞の中にあり、ふつうは見えない。ポクシングのグローブのようにも見える。同定しにくいテンナンショウ属だが、一度知ったら本種を間違える人はいない。
オシダ科 ヤブソテツ属
未設定
オニヤブソテツ(海岸 濃緑 光沢)、ヤブソテツ(低地の藪 濃緑)に似て、葉が淡黄緑色で光沢がないことから区別できる。
下はキツネノカミソリまたはオオキツネノカミソリと思われる。以前当地でオオキツネノカミソリに出会ったことがあるが、この写真だけでは同定しにくい。
こんなとこ怖くて、長居は無用とばかり急いで立ち去る。
本種は沢沿いの岩場や苔むした遊歩道に点々と繋がり群生している。
マンネングサ属も分かりにくて同定しづらい。オカタイトゴメ(×)、コモチマンネングサ(×)、ツルマンネングサ、マルバマンネングサとひとつひとつ図鑑等で検索してみたが納得できない。印象だけで言えば、マルバマンネングサに近いように感じた。やはり写真ではだめで、その場で納得するしかない。
テンナンショウ属でたぶんマムシグサだろうと思うが、これ以上近づけないので同定は出来ない。マムシグサは変異が多く、➀高さは50~60㎝で、②葉は2個あり、楕円形の小葉が7個から15個付き、➂偽茎に紫褐色のまだらな模様がある。
クスノキ科 シロダモ属
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名は葉裏が白いことによるが、新葉の頃は全体が白く、この時期だけは分かりやすい。
スイカズラ科 スイカズラ属
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本州、四国に分布。山地に生育する。ヤマウグイスカグラの変種で、➀茎から花まですべて無毛、②葉は広い等の特徴がある。
ヤマウグイスカグラ(枝 葉 花に毛がある)、ミヤマウグイスカグラ(腺毛がある)があって、区別が難しい。
イチイ科 イヌガヤ属
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イヌガヤの変種で、多雪地の環境に適応した匍匐型の樹形になる。
イラクサ科 カテンソウ属
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雌花序は頭状でほとんど無柄のため目立たない。雄花被片は5個、5雄しべがある。(写真)
神庭の滝は、高さ110m、幅20mの中国地方一を誇り、国の名勝地にも指定されています。神庭川上流の山ふところに抱かれたこのあたりには、カエデやケヤキ、カツラ、ウツギなど豊かな自然がよく残されており、新緑、紅葉の季節には、ことのほか美しい彩りを添えてくれます。このすばらしい自然の中には、ムカシヤンマやギフチョウなどの珍しい昆虫をはじめ、たくさんのけものや鳥たちがすんでいます。また鬼の穴といわれる鍾乳洞や玉たれの滝があり、この滝を中心にサルが群れ遊んでいます。
バラ科 キジムシロ属
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藪や林縁等に多い。(当地では滝に近い所に個体数が多い)ヘビイチゴより全体に大型で、葉は濃緑色。小葉は長さ3〜4㎝。花期4~6月。花は径2㎝。果実は径2〜2.5㎝。濃紅色で光沢がある。痩果にはしわがなく、光沢がある。
山地谷沿いの湿地に生える。茎は地を這い、上部は斜上し高さ10〜30㎝で無毛。葉は対生し三角状卵形、長さ2〜4㎝で短毛がある。
花期は5~7月。上部葉腋に柄をだし、径1〜1.5㎝の白花を開く。花弁は5個、先は浅〜中裂する。雄しべは10個。雌しべの柱頭は3個。花糸の基部に毛がある。
ユキノシタ科 チャルメルソウ属
参考 ☜
花期は4~6月。写真、当地では花後。
155-神庭の滝4月-3 大迫力の神庭の滝.mp4