龍頭峡着10時20分頃

　駐車場付近の光景。朝の陽光が紅葉に降り注ぐ。逆光の先に深く静かな世界を見る。

　陽光を背に世界は明るい。右側にある箒状の樹木はケヤキではないかと思われる。

イズモアザミ（出雲薊）

キク科　アザミ属

参考　☜

　アザミの分類は細分が進められているらしく、同定が難しい。自身の目で見た姿形だけで言えば、広島県内でもよく見られるイズモアザミ（仮称）に似ていると思うが、同定には至らない。

アキチョウジ（秋丁字）

シソ科　ヤマハッカ属

参考　☜

　写真は花後。萼は上唇が3裂、下唇は長く2裂する。内に実があり、小さな種が１～３個入っている。乾燥して実が割れると種がこぼれ落ちる。

ミヤマフユイチゴ（深山冬苺）

バラ科　キイチゴ属

参考　☜

　同属で酷似のフユイチゴがあって、➀花弁と萼片が同長で、➁葉の先があまり尖らないことで区別できる。分けないとする説もある。　

クロモジ（黒文字）

クスノキ科　クロモジ属　

参考　☜

　落葉の低木で、雌雄異株。樹高は2～6m。早春の花の少ない時期から可愛い花を咲かせて嬉しくなる木。よく似たケクロモジ、ウスゲクロモジがあって、個々には分かりにくい。

　花期は3～4月。雌雄異株で、雄株のほうが花数が多い。葉が芽吹く前に、芳香がある黄色い小さな花を散形花序に多数付ける。春に楽しみな花だ。雄花と雌花の花被片は6個で楕円形。雄花の雄しべの花糸に1対の密腺がある。花序の柄は長さ1㎜ほどである。

コアジサイ（小紫陽花）

アジサイ科　アジサイ属　

参考　☜

　コアジサイは好きな花のひとつで、花期の6～7月頃には花行動が楽しくて仕方がない。今は紅葉し厳しい雪の季節を待っている。

ハンショウヅル、タカネハンショウヅル？

参考　☜

　同行のある方が写真の植物を見て「ハンショウヅルの仲間かなぁ。」と言われたので驚いた。先生に聞く機会を失ったので、後に調べてみたら、確かに『・・小葉は卵～卵状披針形。小葉の先は尖り、あらい鋸歯がある。』ということで一致する。ただハンショウヅルかタカネハンショウヅルは、どちらも葉の形が似ていて、写真だけでは区別できないので、保留ということにした。近隣の三段峡では、ハンショウヅルに出会ったことがある。

タカノツメ（鷹の爪）

ウコギ科　タカノツメ属　

参考　☜

　「若芽は食用になる。」という言葉も含めて、時々耳にすることがあるが、それ以上の関心が持てないでいる。どんな花が咲くのかも実が付くのかも脳裏に浮かばない。個人花行動だと恐らく素通りしている。上の【参考　☜】を見てみたら、2014.06.12にやはり「野山の植物を楽しむ」で当地を訪れた時に撮影した2枚の写真しか添付していなかった。

　セリ科であることは容易に確認できるが、ここまで花期も終え果期も過ぎようとする季節では同定しにくい。果実がポイントになるようだが、一枚の写真だけでは調べようがない。今度ここを訪れる時の『覚え』のために掲載しておく。

　イヌガヤの変種で、日本海側の多雪地域に見られる。幹や枝が直上せず、横へ広がるように伸びることからこの名が付いた。イヌガヤは、外見はカヤに似るが、カヤのように実を食べることはできず、「役に立たない」という意味。葉はカヤよりも長いが、イヌガヤよりは短く、幅も狭い。触れてもチクチクしないため、積雪地帯の垣根として使われる。葉の裏には気孔帯と呼ばれる二本の白い線が目立つ。雌雄異株で、春にはイヌガヤと同じような花が咲き、その後には実ができる。

　全国に分布。山野、河岸に多い。樹高は10～20m。樹皮は紫褐色でなめらか、皮目が目立つ。大木になると横皺が目立つ。枝が落ちた跡が目のような形になる。葉は互生し、葉身は8～15㎝、欠刻状の重鋸歯があり、基部は円～浅い心形。花期は4月。雌雄同株、雌雄異花。葉の展開前に開花する。雄花序は6～9㎝で、枝先に2～4個やや下垂し、雌花序は下向きに付く。

ノリウツギ（糊空木）

アジサイ科　アジサイ属　

参考　☜

　花期は7～8月。枝の先に白色の小さな両性花が円錐状に多数付き、白または淡紅色の花弁4枚の装飾花が混ざる。写真は花後の様子。小さな両性花は結実していて、装飾花（萼）は長くこの状態で残り、花の盛期と思うこともある。

ウリカエデ

アサガラ（麻殻）

エゴノキ科　アサガラ属　

参考　☜

　山地でみられ、高さ6～10mの落葉小高木。葉は互生する単葉で、長さ8～18㎝の広楕円～円形となる。鋸歯の先は短い糸状（芒状）となる。葉の裏面は淡い緑色で、葉の両面の脈上にまばらに毛がはえる。側脈は5～8対。葉柄は長さ1.5～2.3㎝。枝先に長さ8～12㎝の円錐花序が垂れ下がり、白色の5弁花を多数付ける。花弁は長楕円形。雄しべは10個、雌しべは1個あり、ともに花冠より長い。果実は倒卵形の核果で、5稜があり、星状毛がはえ、先端に嘴状の花柱が残る。

アブラチャン（油瀝青）

クスノキ科　クロモジ属

参考　☜

　湿り気味の山地に生育する。樹高は5m、株立ちになる。枝は細い。葉は全縁で無毛、葉柄は長い。秋には黄葉する。早春、葉より先に黄色の花を咲かせる。花は3～5個集まる花序には長い柄がある。果実は径1.5㎝。大きな黄褐色の実を付ける。　

ツリバナ（吊り花）

ニシキギ科　ニシキギ属　

参考　☜

　全体を撮った一枚だけで、花も実も葉の拡大図もないので、確認出来なくなっている。

クロタキカズラ（黒滝葛）

クロタキカズラ科　クロタキカズラ属　

参考　☜

　記録（写真）を見ると二回ほど出会っている。どれも果期の頃のもので、赤い果実が印象的である。よく目立って分かりやすい。蔓性で葉にも特徴がある。

ヤブムラサキ（藪紫）

シソ科　ムラサキシキブ属　

参考　☜

　同属のムラサキシキブと似るが、➀葉の表面に軟毛が密生し触るとふわふわすることや、➁花の細部、花冠、萼に星状毛が多いこと、➂葉の基部がやや丸みを帯びる等で見分けられる。

ヤマシグレ（山時雨）

ガマズミ科　ガマズミ属　

参考　☜

　高さ1～2m。樹皮は灰褐色。葉は対生し，枝先に集まって付く。葉の長さ5～12㎝の長楕円～広卵形。先端が尖ることが多い。花期は6～7月。枝先に径6～6㎝の散房花序を出して，小さな花を多数付ける。蕾が赤く，長く目立っている。花冠は長さ3～4㎜，径2～3㎜の筒状で，白色，淡紅色，暗紅色などがあり，先は浅く５裂する。裂片は半円形で平開しない。果実は核果。長さ7～8㎜の広楕円形で，はじめ赤く，9～10月に黒く熟す。

クロモジ

アサガラ

　左右２個の芽が花芽と思われる。

ヒサカキ（非榊）

モッコク科　ヒサカキ属　

参考　☜

　常緑広葉樹の小高木で、サカキより小型で、樹高が4～7mになる。葉は互生し、やや倒卵状楕円形で、丸い鋸歯がある。葉は厚みがある革質で、表面はつやが強い。葉の先端は、ほんの少しくぼみがあることが多い。枝は横向きに出て、葉が左右交互にでて、平面を作る傾向がある。花期は3～4月。枝の下側に短くぶら下がるように径5㎜の花が下向きに多数咲く。花は淡黄色で壺状の5弁花で、都市ガスに似た独特の強い芳香を放つ。果期は10～12月。

映像館　Ⅰ

　奥の滝～（折り返し）～駐車場（13時30分頃）～（バスによる移動　車窓から）筒賀の大銀杏～もみの木森林公園着までを映像で見る。

　本州秋田県以西、四国、九州（屋久島）まで分布。海岸近くから山地まで生育する。樹高は35～40mで、成長は早くきれいな円錐形の樹形になる。葉は線形で長さ15～30㎜、幹上部の葉は螺旋状に付き、先はわずかにへこむ。（日陰や若木の葉は羽状に付き、尖る。）花期は5月。雌雄同株。前年枝の葉腋に雄花か雌花が付く。（２、3年に一度、開花結実する。）

　樹高は10～15m。樹皮、枝、葉柄、冬芽などが赤味を帯びる。樹皮は滑らかで、暗灰白色～暗灰褐色。老木になると筋状のくぼみができる。雌雄同株、雌雄異花。新葉の展開と同時に花芽も開く。雄花序は、前年枝の葉腋から垂れ下がる。初めは赤みを帯びているが、のちに黄褐色。雌花序は、枝の先端の芽から出て垂れ下がる。

映像館　Ⅱ

　もみのき森林公園から、車窓・紅葉を楽しみながら福山へ向かう。