アル=ゼヴィン

<概要>

異形の魔族たちが暮らす世界。

かつて空に浮かぶ『島』がいくつもあったが、今では全てが墜落し、大地に突き刺さっている。


『島』について

アル=ゼヴィンには、かつては魔族だけではなく人類も暮らしていたが、地上の環境が悪化し、人類は魔族を置き去りにして天空の『島』に移り住んだ。

だがやがて魔族の英雄である魔王が誕生し、そこから状況は変化し始める。魔王は魔族をまとめ上げ、『島』への侵攻作戦を行った。しかし、人類の側にも英雄として勇者が現れ、魔王の軍勢に立ち向かった。争いは魔王と勇者の直接対決にまでもつれこむものの、そこで魔王は勇者を討ち取り、魔族の勝利となった。人類は魔族の支配下に置かれたが、ほどなくして絶滅してしまう。

やがて共通の敵がいなくなったためか魔族の間でも諍いが生まれるようになり、魔王はこれを抑え込むことに失敗した。ついには魔族同士の戦争が勃発し、激しい戦いの末に『島』は全て地上へ落下してしまう。

手に入れたはずの新天地が失われた上にほぼ全ての魔族が死に絶え、もはや未来は閉ざされたかと思われたが、ある『島』の周囲にいた生き残りのグループが『島』のもつ環境維持システムを利用して周辺の環境を改善することに成功。魔族たちは『島』の周りに国を作り、生活が安定してくると他の『島』のシステムを起動させるべく遠征を試みる者たちも現れた。そうして魔族たちは再び生存圏を広げてゆき、新たな歴史を築き始めたのである。

それから長い年月が経過した現在でも、地上全てを生き物が住める環境にすることと、人類の遺産を回収する目的で、トレジャーハンターたちが各地の『島』の探索を行っている。

<国家>

フィザ=ゼヴィン

『第一の島』の周りにできた、現存する中ではアル=ゼヴィン最古の国家。その名は『ゼヴィンの礎』を意味する。

第一の島

フィザ=ゼヴィンのある地域の環境を整えた島。

人類にとってはさほど重要でもなかったとされているが、魔族にとっては再出発の起点となった場所であり、聖地としての側面を持つ。


クァロ=ウーロ

『第二の島』の周りにできた国。

森と湖がある。都はアル=ゼヴィンの魔法研究の中心である。

クァロ=ウーロ魔法アカデミー

都に建つ魔法の教育/研究機関。二本の塔が特徴的。

アル=ゼヴィンいちの名門校であり、ここに属していると言うだけで世間からは違う目で見られることになる。


オンセ=モ

『第三の島』の周りにできた国。

工業が発達している国で、ここからクァロ=ウーロ~フィザ=ゼヴィン、マ=ビダには鉄道が通っている。

一方、近年ではここを拠点とする犯罪組織が現れ、問題となっている。


マ=ビダ

『第四の島』の周りにできた国。

タッタバンナ湖という湖があり、薬草の名産地として知られている。


ユ=ティエ

海上で見つかった最初の島、『第五の島』から少し離れたところにある島国。

豊富な海の幸を各地に輸出している。近年になってオンセ=モが開発した船舶が提供され、さらに輸出量を増やした。


ナ=ギゴン

『第六の島』の周りにできた国。


カー=カリ

『第七の島』の周りにできた国。

連なった山が国土の大半を占めている。


エズ=マッス

『第八の島』の周りにできた国。

魔族同士の戦争の最中、『第八の島』の巨大エネルギー砲が誤作動を起こして直下に発射してしまい、大きなクレーターを作った。その際反動で島自体もバランスを崩して落下し、クレーターを半分覆うような形になった。やがてクレーター内に水が流れ込んでくると、陰になった部分に闇や湿気を好む魔族が暮らすようになった。


ダー=ノヴィ

『第九の島』の周りにできた国。

巨大な森があるのが特徴。その奥には島とは異なる未知の領域が存在するとされる。


イスミハ=ロゥ

『第十の島』の周りにできた国。

落下した島と癒着したことでエネルギーを得た火山があり、ここに暮らす人々は時折噴火に苦しめられる。一方で温泉も楽しむことができ、遠くから湯治に来るものも少なくない。


アフテ=ヴォ

『第十一の島』の周りにできた国。

海に面している。


オシロウ=フェノ

『第十四の島』の周りにできた国。

寒冷地にある。


パゥ=バダ

『第十五の島』の周りにできた国。

広い草原を有し、牧畜が盛ん。


イッサ=ガゥシ

『第十六の島』の周りにできた国。

広大な砂漠の中にあり、島も砂の中に埋もれて大半が地下にある。


オシロ=ブンバ

『第十七の島』の周りにできた国。

墜落地点の下に大空洞があり、地上の岩盤をぶち抜いてその中に収まった。国は穴の外周にあるが、地下で暮らす者も少なくない。


レセ=ヴェセ

海上に浮かぶ『第十九の島』から見える海辺にできた国。

この島からはかつて強大なエネルギーが漏れ出しており、渦や乱気流、さらには様々な怪現象を広範囲に引き起こしていた。そのため人々は長年この先に進むことができずにいたが、近年になってあるトレジャーハンターのチームが侵入に成功。その後エネルギー流は止んだものの、チームが帰ってくることはなかった。だが彼らの亡骸は見つかっておらず、生存を信じる人々は少なくない。

まだ調査されきっていない島々に近いため、ここを拠点とするトレジャーハンターたちは多い。


まだ国のない島々

第十二の島、第十三の島、第十四の島、第十八の島、第二十の島、第二十一の島、第二十二の島

海上で発見された島々。

防衛システムが生きており、水棲の種族以外はなかなか立ち入れない。現在も武装解除に向けた努力が進められている。

第二十四の島

メッア=メッドと名がつけられた島。

トトテティア・ミリヴェとクアン・マイサが出会った場所でもある。

第二十八の島

険しい山に囲まれた中に墜落した島。空を飛ぶ手段がないと入れないものの、環境が良いため物資の現地調達がしやすく、一旦入ってしまえば他よりは楽ができるとされる。

巨大な滝が特徴で、その下には遺跡の入口がある。

第二十九の島

内部に残されたエネルギー炉が露出しており、殺傷力のある光を断続的に撒き散らしている危険な島。謎の斥力も放っており、近づくことすら難しい。戦争の際には要塞として使われていたものと考えられている。

第三十の島

島そのものが一つの生物であったと考えられており、その血管や骨と思しきものが内部のあちこちに埋め込まれている。

第三十一の島

山に突き刺さり、砂時計のような形になっている島。

島から漏れ出したエネルギーによって周辺に広大な樹海が形成されており、陸路で入るには道に迷わない工夫が必要になる。さりとて高度が高すぎるため空から入るのも困難。

第三十二の島

トトテティアたちの生きる時代において、一番最近に発見された島。

第三十一の島のてっぺんから西の海上に目を向けるとうっすらと見える。まだ調査の手は入っていない。

第三十三の島、第三十四の島、第三十五の島、第三十六の島

未発見。島の数は全部で三十六までと考えられている。

《いまだ空にある島》

たった一つ、未だに空に浮かんでいるとされる謎の島。

あちこちで噂されているものの、きちんと観測できた者は未だにいない。

<主な出身者>

トトテティア・ミリヴェ

トレジャーハンターの一人。カー=カリの国の山間にある風術士の村で生活していた。

クアン・マイサ

トレジャーハンターの一人。マ=ビダの国のタッタバンナ湖の近くの街で産まれた。

サッコ・ベノ

トレジャーハンターの一人。エズ=マッスのどこかの湿地から生えてきた。

ゲヲン

かつて勇者と戦い、勝利した魔王。だが、その後に起こる争いを止めることはできなかった。