人星亭喜楽駄朗は書く力を高めるためノースアジア大学文学賞エッセーの部に応募している。2011年と2020年はノースアジア大学文学賞奨励賞を受賞した。 自分の能力が認められると嬉しい。2011年は「自殺率ナンバーワン」 2020年は「ユーチューブ動画発信に挑戦 」という題名で応募した。筆名はもちろん人星亭喜楽駄朗である。
2021年も応募しようと思っている。
題名は考えたのでどうストーリーを展開していくかだなあ。
2011年 自殺率ナンバーワン
人星亭喜楽駄朗は2006年8月20日、日本笑い学会に入会した。会員は全国で1,100人、東北で50人、秋田県で15人である。会長は関西大学人間健康学部の森下伸也教授、本部は大阪市北区西天満にある。何と言っても笑いの中心は大阪だから。毎年7月に日本笑い学会総会・研究発表会が開催されており、私は2007年静岡文化芸術大学、2008年京都外国語大学、2009年東北大学、2010年関西大学千里山キャンパス、2011年関西大学堺キャンパスでアカデミック漫談という研究論文を5年連続で発表した。
アカデミック漫談とは、幸せ、健康、夫婦、老い、病気、生死などという根元的な問題を笑いというコロモに包んで話す学術的哲学的な漫談である。私のキャッチフレーズは「ソクラテスの脳みそとチャップリンの舌を持つ男」。全国の会員にすっかり顔なじみとなったので私が登壇すると「いよう!待ってました!」と会場からいっせいに声がかかる。笑いやユーモアについて深く広く研究したことが認められて平成21年10月2日、秋田市南部地区市民憲章連絡協議会から笑学博士号が授与された。
秋田県は16年連続自殺率ナンバーワンの県である。2位は青森県、3位は岩手県。北東北3県がベストスリーだ。全く嫌になってしまう。秋田県はお米は美味しい、お酒も美味しい、空気まで美味しい。女性はきれい、自然は豊か、人情は厚い。人星亭喜楽駄朗はこの世の天国ではないかと思っている。
それなのになぜか死に急ぐ人が多い。秋田県人はプライドが高い、恥ずかしい思いはしたくない、見栄っ張り。倒産、病気、生活苦でこれまでのレベルを維持できなくなった。そんな姿を他人に見られるなんて耐えられない。いっそのこと、、、「人生は山あり谷あり、いい時もあるさ、良くない時もあるさ」と思えばいい。倒産したら一からやり直せばいい。病気になって介護が必要になったら堂々と介護されていればいい。収入が減少したらその範囲で生活を楽しめばいい。
人星亭喜楽駄朗は秋田県健康福祉部が実施している「こころの人材バンク・講師派遣事業(自殺予防)」の登録講師である。これまで十数回県内各地の研修会で「笑う力は生きる力」という演題で講演してきた。
ナチス収容所に強制収容された精神科医ヴィクトール・フランクルの著書「夜と霧」を読んだら次のことが書かれていた。過酷な労働、粗末な食事、狭くて固いベッド、劣悪な環境なので病気になり死亡する人も多かった。このような状態でフランクルは仲間に提案した。「一日一回冗談を言おう。ふざけてみんなで笑おうよ」「明日死ぬかわからない時に冗談など言えるか」と反発した人も大勢いた。でも彼は賛同する仲間とこれをやり通した。一日一回冗談を言う。今日受けなかったら明日は受けるようなことを考える。面白いネタにはみんなが笑った。これを繰り返すことにより生きる力が体の底から出てきたように思う。
長い人生には、つらいこと、惨めなこと、とても悲しいことが時々起こる。そんな時こそ、冗談を言う、駄洒落をいう、ふざけて笑う、笑わせる。こんなことを実行して欲しい。「ユーモアとはにもかかわらず笑うことである」これがドイツのユーモアの定義だ。ランクルは極限状態の時にこれを実行した。
私は自分の身のうえに悲惨な事態が起こると、胸を張って太陽を見つめて大股でふんぞり返って歩く。家庭では妻と明るく楽しく会話することにしている。
普通はどうでしょうか。「あああ、大変なことになってしまった。明日からどうしよう。とほほ」と言ってうなだれてとぼとぼと歩きがちだ。起きてしまったことを100回嘆いても元には戻らない。すぐに心を切り替えて笑うことにより心身を明るくする。そうすると普通は3ヶ月で回復するところが3日で回復する。事後の適切な対応策も次々と思い浮かんでくる。
ついでだが、病気になったら笑う。「病気になっちゃった。わっはっは、わっはっは。病気になっちゃった、わっはっは、わっはっは」と笑えばいい。
健康のためにジョギングする人は多い。笑いは内臓のジョギングだ。笑うことにより肺、心臓、腎臓、胃などのジョギングになるから健康にいい。
笑うことによって免疫力がアップした。笑うことによりリウマチに膝の痛みが軽くなった。笑うことにより糖尿病の血糖値が下がったなどという研究事例がいっぱいある。
人間は生まれ落ちた瞬間から病気になるように遺伝子にプログラムされている。病気になるのは当たり前。だから闘病などと言って病気と闘うのではなくて、病気君の頭を撫でながら病気君と肩を組みながら一緒に人生を歩むという姿勢が大切だ。
散歩の好きな人は春夏秋冬散歩する。でも秋田県での冬の散歩は危険である。除雪したあとはテカテカに凍っている。それに雪が降ると見えないので滑って転ぶ人が多い。
一番いいのは病院廊下の散歩だ。病院の廊下は長い、8階までもある。何かあっても医者がいっぱいいるから安心だ。もっといいのは帽子を被って散歩するといい。老化防止(廊下帽子)になる。
自殺の原因は金銭関係もかなり多いが、お金のことで自殺するなんて本当に悲しいことだ。「うまい物を食べて、うまいお酒を飲んで、借金はおそく返すのが健康のコツ」
スペインのことわざ「十度破産しても、一度死ぬよりはまし」ユダヤの格言。
だから、1億円の借金があってもびくびくすることはない。借金取りが来たら、ふんぞり返って言おうよ「今日は一円返そう。明日も来てくれ一円返そう。1億日かかってのんびり返すよ。ワッハッハ」借金は借りた方も貸した方も立場は五分五分だ。一方的におどおどすることはない。あまりにも相手がひどい取り立てだったら警察に通報すれば、脅迫という罪で相手が逮捕される。
私が講演する研修会には町内会役員、民生児童委員、保健関係者、ボランティア、元気高齢者などがメインで「明日自殺したい」と思っている人は殆ど来ない。私と一晩寝ないで語り合ったら人生がいかに素晴らしいものか、わかるはずなのに残念なことだ。
杉良太郎さんが歌った「すきま風」は自殺予防の応援歌みたいだ。
「人を愛して人は心ひらき、傷ついてすきま風知るだろう。いいさそれでも生きてさえいば、
いつか優しさにめぐりあえる。その朝おまえは小鳥のように胸に抱かれて眠ればいい」
人間の一生の幸せって何で測ることができるでしょうか。それは一生涯にどれだけ多く笑っ
たかという回数で測ることができる。
100歳まで生きても全然笑わなかった人って幸せでしょうか。50歳まで生きたとしても
毎日笑いの絶えない生活を送っていた人の方がトータルとして幸せな人生だと思う。
人生は多く笑った方の勝ちだ。「笑う門には福来たる」とはよく言われている。私はちょっ
と変えたい「笑う顔には福来たる」明るい笑顔こそが幸せな人生につながる。
室生犀星の言葉で結びとしよう。「人は決して幸せを避けて通ることはできない。花を見な
いで道を通ることができないように、、、」
2020年 ユーチューブ動画発信に挑戦
元日の新聞を見たら今年はネズミ年だった。私の干支だ。ぼーっと過ごすのではなくて何かに挑戦したい気分になった。時代は5G(第5世代移動通信システム)に突入しようとしている。これからは動画の時代になるだろう。ユーチューブから自分の動画を発信しようではないか。
古稀過ぎ高齢者だけど新しいことにチャレンジすると脳細胞がフル活用されるのでボケるヒマはない。まったく何もわからない、ゼロからのスタートだ。まずはビデオカメラの購入だ。大型家電店で機種を見比べてリーズナブルなビデオカメラを買った。撮影ボタンを押せば動画は撮れる。でも再生してみると画像が揺れたり早く風景が変わったりして非常に見ずらい。何回も失敗しているうちに徐々に動画撮影のコツがわかってきた。カメラはゆっくり移動すること、動画だからといってやたら動きのあるモノを撮るのではなくて伝えたいシーンの時は静止画のようにややしばらく固定する。ズームレンズを使いメリハリをつける。誰かに教えてもらうのではなくてやっているうちに自然に体得した。
次はビデオカメラの動画をパソコンに移動しないといけない。これも悪戦苦闘したがどうにか移動に成功した。説明書はあるのだが用語の意味がイマイチわからない。ネットで検索して意味を理解し次のステップに進んでいった。さて次はユーチューブに自分のチャンネルをつくる作業だがこれは割とスムーズにできた。チャンネル名をどうしようかなあ。考えあぐねた末「大笑い喜楽駄朗チャンネル」とした。
動画を撮影するスタジオをつくろう。亡き父が建てた作業小屋をリフォームして手作りスタジオ完成だ。秋田県庁定年退職後は芸名人星亭喜楽駄朗として東北六県を中心に1,000回以上お笑い系講演をした。演題は「笑いは健康と幸せへのかけ橋」「笑う力は生きる力」「人生60歳からがおもしろい」「笑いは内臓のジョギング、笑って健康になりましょう」「数式で考える幸せ論」「笑いの基本定石ベスト5」などだ。これらの講演で出席者を笑わせたネタを10分程度に細切れにして動画をつくった。現代人は忙しいので長過ぎると見てくれない。10分程度がいいだろう。週一ペースならそんなに負担にはならないので毎週土曜日に投稿することにした。自分のネタをチェックし記録として残すためにも動画撮影は有意義である。
ユーチューブ初心者なので殆ど見てくれる人はいないけど100本以上は投稿しようと思っている。自分動画をユーチューブにストックするという意識だ。ユーチューブに動画をアップすればいつでも誰でもアクセスできる状態となる。講演依頼が来た時には「私の動画はユーチューブの大笑い喜楽駄朗チャンネルにいっぱいあるので見てください」と言うこともできる。依頼者は講師がどのような話をするのか知りたいものである。そんな時ユーチューブが役に立つ。ユーチューブにチャンネルを持つということは自分のテレビスタジオを手に入れたも同然である。
ナマハゲの故郷男鹿半島から全世界に向けて人星亭喜楽駄朗情報を発信するぜ。ホラ吹きのような大げさな表現かもしれないが実際そうなのです。秋田弁を理解しユーモアセンスのあるニューヨークの辣腕プロデューサーが私の動画を見たらもしかして講演オファーがあるかもしれない。
ニューヨークに行くのに英会話学習など必要ない。今はAI・人工知能が急速に発達していますからAIロボット君が秋田弁を英語に同時通訳します。やじゃげね「ノー」がっこ「ピクルス」へばな「グッドバイ」ままけ「プリーズヒャブアミール」んだんだ「イエス、イエス」ほんじねえ「ラッキングコモンセンス」まんずねまれ「プリーズヒャブアシート」あんべいいなと言ったら「プライムミニスターアベイズベリーグッド」AI君、それは誤訳だよ。あんべわりであ。スタジオで動画撮影しながらこんな夢のようなことを考えるのも楽しいものである。
たまにはゲストを呼んでスタジオで演芸してもらうのもいい。そうなるとトップバッターは8番弟子の男鹿の松田せい子さんだ。男鹿市内のスーパーで佃煮とガッコを売っている熟年女性だが単なる売り子とはわけが違う。シンセサイザー演奏が得意で絶対音感の持ち主、一度曲を聴くと忘れないのでいつも楽譜なしで演奏している。定期的に開催する人星亭一門演芸発表大会で何十回と共演してきた。新聞テレビに何度も出ている男鹿のスーパースター?だ。
ユーチューブ動画投稿での私の自慢は知識ゼロの古稀過ぎ高齢者がその道の専門家の指導を受けないで、ビデオカメラ購入、ユーチューブチャンネルづくり、スタジオでネタを実演しビデオ撮影、そのネタをユーチューブに投稿することを全部一人でやり遂げたことだ。意味のわからない言葉があるとネット検索して作業を進める。この繰り返しでやり遂げた。人間やろうという強い意志があれば殆どのことはできる。人間が作ったツールやソフトを同じ人間の私ができないわけがない。今回の挑戦を契機に更なる挑戦のネタを探したい。ボケるヒマがないくらいに脳を最大限活用しようと思っている。