男鹿のタマさんステージショー シナリオ
中止 2020年3月22日(日)10時50分~11時10分
市民活動フェスタ2020アルヴェ きらめき広場
その1
タマさんは男鹿のどこに住んでいるんですか。
男鹿のど真ん中、男鹿暢気(おがのんき)だ。
聞いたことがないなあ。
んだよ。人がほとんど住んでいないから男鹿半島の地図にものっていないんだ。
家族はいるの
誰もいねえ。皆東京さ出でいってしまってわだし一人暮らしだ。
それは大変だねえ、買い物はどうしているの、お店もコンビニもないでしょう。
大丈夫だあ。ホンダのスーパーカブさ乗って船越にあるスーパーセンターアマノ男鹿店
で買い物してるがら。
80歳でスーパーカブで買い物ですか、すごいねえ。
アマノの玄関で佃煮とがっこ売っている松田せい子さんとは親友だよ。わだしが入るとな
せい子さんはお得意のシンセサイザーで青い山脈を演奏してくれるんだ。
青い山脈いいですねえ。懐メロで。
せい子さんは楽譜なしでなんでも演奏するよ。楽譜が全部頭に入っているんだよ。
すごいねえ。天才だね。でもタマさん、男鹿暢気から船越までの運転大丈夫ですか。
70年も乗り回しているからよ。ベランダでねえな。ベテランだ。
今日だってな。新国道でハイブリッドカーをすいすい追い越してアルヴェに来たんだから。
スーパーカブってエンジン全開させれば100キロ出るんだから
(ふんぞり返って自慢げに)
タマさん大丈夫ですか。でも計算合わないよ。
タマさん今80歳でしょう。10歳から乗っているの。無免許で警察につかまるよ。
大丈夫だな。生まれてからこの方男鹿暢気じゃお巡りさんみだごどね。
タマさん、何でもいいけどずいぶん派手派手などんぶぐ着ているねえ。
このどんぶぐはな。銀座三越で買って来たんだ。ブレンドものじゃないな。
ブランドものなんだから、(見せびらかすように) クリスチャンディオールだよ。
秋田には売っていないよ。
へえ、かっこいいねえ。あれ、よく見るとミッキーマウスがいっぱいだね。
クリスチャンディオールとウォルト・ディズニーが提携してつくった世界的な
どんぶぐだよ。秋田で着ているのは私くらいだな。
このどんぶぐ温かいのよ。今日はな、このどんぶぐ着てホンダのスーパーカブ運転して
男鹿暢気からアルヴェまで来たのよ。(スーパーカブに乗るかっこうで運転スタイル)
クリスチャンディオールのどんぶく着てスーパーカブ運転、かっこいいおばあちゃんだねえ。
歳80だからな、いつも80キロで運転しているのよ。わっはっは。
その2
どんぶぐの下の洋服も高そうだねえ。これも銀座三越で買ったの。
なんと年金暮らしだもの、そんたにじぇんこねえ。
これはファッションセンターしまむら天王店で買ったのよ。
三越としまむらを同時に着るなんておばあちゃんはタマさんしかいないなあ。
あんだなんも知らねえんだな(上から目線で小馬鹿にしたような口調)。
このファッションはな、三越としまむらを重ねて着るのでしま越ファッションと言って
今、渋谷で大流行しているファッションなんだから、、、、
そうなの、知らなかったよ。それにしても男鹿半島の田舎に住んでいるわりにはファッション
に詳しいねえ。
若い頃六本木のファッション専門学校で勉強したんだから、、、、
そうかあ、だからセンスがいいんだね。ふろしき、手ぬぐい、どんぶぐ、長くつ、、、
ファッションはどうでもいいけどな。年金だげでは食っていげないから
ほうれん草を栽培して
アマノの隣の小売店に卸しているんだ。ちゃんと生産地ブランドもつけたんだ。
へえ、どんなブランドなの
なまはげほうれん草。 これを食べるとなまはげみたいに元気が出るんだよ。
皆さん、これ食べてくださいね。体が元気はつらつ、元気いっぱいになるから
新型コロナウイルスだって逃げて行ってしまうよ。
ずいぶん古い軍手していますねえ。あれっ、左右でちがうんじゃないの。
かだっぽうの軍手は畑仕事していたらカラスが持っていってしまったのよ。
カラス君 白いまんじゅうと間違えたのかな。
でもな、この軍手はすごいんだから、こっちの軍手はな、昭和64年に買ったのよ。
んでもってこっちの軍手はな 平成元年に買ったのよ。
昭和と平成をまたがっているんだからな。
皆さん、タマさんの言っていること、わかりますか。
昭和64年は1月7日まで平成元年は1月8日からなんですよ。
貴重な軍手だから捨てられないのよ。
タマさん、んだな。この軍手で令和の終わりまでいったほうがいいな。
その3
腰に袋があるけどこの中には何が入っているの。
これには大切なものを入れているのよ。
見せてよ。
みせるが、ほらほらこれよ。
10歳若返るあめ、本当ですか。これどこで売っていたの。
ふなごしにあるな、アマノよ。
本当に若くなるんですか。
口に入れた瞬間、刺激的な香りで脳細胞が刺激されていい気分になるからね。若返るよ。
まだ何か入っているね。
これはな「若がえりまんじゅう」といってな、羽後町西馬音内でつくられている
まんじゅうだあ。たまに秋田市民市場でも売っているよ。
これ食べて若返っているんだタマさんは。肌つやつやだもんね。そういえばここの会社の人
おもしろいこと言っていたよ。
若がえりまんじゅう 一個食べると 3歳若返ります。 二個食べると10歳若返ります。
三個食べると死ぬまで長生きします。四個食べると糖尿病になります。
羽後町西馬音内にはトシトランドという温泉もあるね。名前がいいよ。
この温泉にはいると歳をとらない、トシトランド というんだから、、、
羽後町は商売うまいよ。トシトランドを出ようとすると売店には若返りまんじゅう
があるんだから。温泉とまんじゅうがセットなのよ。
つい年老いたおふくろに買っていきたくなるよ。
その4
あれっ、まだ何か入っているよ。これはガムテープだよ。これ何するの。
このスーパーカブだいぶ古くなったからな、あっちこっちぼこれてきているのよ。
燃料タンクのフタよぐしまらないがらガムテープで貼ってあるんだ。
それがらマフラーも振動で動くからガムテープでとめているのよ。
たまにパンクするとまたガムテープで穴をふさいで修理工場までもっていぐのよ。
ガムテープなんでも貼れるから便利だよ。
このバイクはガムテープだらけだね。これはスーパーカブではなくてスーパーガムだな。
長くつも変わっているねえ。これはなあに。
ここはな、深い新雪の道路を歩いてもながけりの中に雪が入らないという
すぐれものなのよ。
へえ、すごいねえ。これも銀座三越で買ったの
これは三越ではなくてふなごしにあるアマノで買った。
そうだよねえ。三越の長けりはもっとおしゃれだよね。
男鹿暢気ではこれ必需品よ。何せ男鹿市役所で山奥の男鹿暢気まで除雪に来ないのよ。
しようがないよなあ。限界集落を通り越して崖っぷち集落なんだから、、、
住んでいるのは私と犬のポチくらいだものなあ。
ポチが出てきたところでぼちぼち本番に入りましょうか。
(ネタに入る前のまくらとしてこんな会話をする)
アンダーライン この言葉はキーワードなので しっかりはっきりゆっくり大きな声で話す)
漫才コンビ名 わあオガッチ (人星亭喜楽駄朗・人星亭喜楽駄江)
江畑さんはおもしろおかしくてそそっかしい男鹿のタマさん(80歳)になりきる。
人星亭喜楽駄朗が状況説明しツッコミを入れる。
それに対してタマさんがゆっくりしっかりはっきりと「オチ」を言う。
ネタ1 ピーマン
先日タマさんのうちにご機嫌伺いにいったんですよ。そしたらタマさん
ビーマンを口にくわえて料理している。
タマさん80歳、ボケたのかなあと心配になりました。
「タマさん、何しているの、ピーマンなんか口にくわえて」
「だってここさ書いてあるんだもの」
「えっ、なんて書いてあるの」
「ピーマンを くわえてから フライパンで いためてください。」
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ2 開封後
世間話をしていたらタマさん喉が渇いたのかそばにあった紙パックのジュース封を
切って一気に飲んだ。
タマさんあわてて紙パックジュースを飲む。
「タマさん、もっとゆっくり飲んだら、むせちゃうでしょう」
「だってここさ、書いてあるんだもの」
「なんて書いてあるの」
「開封後は お早めに お召し上がり ください」
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ3 ご仏前のモチ
タマさんはお孫さんからお餅をもらった。お孫さんが言った
「おばあちゃんこのお餅はチンしてから食べてね」
「はい、わかりましたよ」
タマさんはお餅をご仏前に供えてから 輪宝で鈴をチン してからむしゃむしゃと食べた。
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ4 午後11時57分
真夜中の午後11時57分、突然タマさんは布団から起き上がり台所に向かい冷蔵庫開けた。
そして中にあったまんじゅうを手に取ってむしゃむしゃと食べた。
「タマさん、何やっているの。こんな真夜中に、、、」
「だって このまんじゅう 今日で賞味期限 切れるんだもの」
3分前かろうじてセーフ。
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ5 切符販売機
タマさんは東京在住の娘に会うために上京した。
御徒町駅で切符を買おうとした。ところがどういう訳か切符を買う前に顔をこすり始めた。
「タマさん、何やっているの、こんなところで」
「だってここさ、書いてあるんだもの」
「なんて書いてあるの」
「シワを 伸ばしてから 入れて ください」
皆さん、意味わかりますか。千円札、しわくちゃだと切符販売機読み取れないのよ。
だからシワを伸ばしてって書いてあるのに、タマさん、自分の顔のシワを一生懸命
伸ばしているのよ。80年で出来たシワ、一分で伸びねっていうの。
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ6 エスカレーター
タマさんは池袋のデパートで2階から3階に行こうとしてエスカレーターに乗った。
しばらくしたら前の男性の腰に「ぴたっ」としがみついた。
男性はびっくりして後ろを振り向いた。「何やってんのこのおばあちゃん」
その時店内放送が流れていた。
「エスカレーターに お乗りの際は しっかりと ベルトに おつかまりください」
タマさん、背が低いでしょう、階段一段下でしょう。ちょうど目線にこれがあったのよ。
このネタはタマさん演技だけ。
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ7 水泳教室
タマさん突然水泳教室に通い始めた。80歳ですよ。家族が驚いてタマさんにたずねた。
「タマさん、何で今頃になって水泳の練習しているの」
「だって 私 カナヅチでしょう。 三途の川 渡る時
溺れるといけないから 水泳の練習しているのよ」
それを聞いた長男のお嫁さんがあわててコーチにお願いに行ったそうです。
「コーチ、タマさんに水泳は教えてもいいけど、ターンだけは教えないでね」
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
タマさんさっきから気になっていたんだけどさ。
その大きな風呂敷の中には何が入っているの。
「中、見せえるか。大切なものだよ」
大切なものってなによ。
タマさん、風呂敷を床におろして中を開ける。
これはライフジャケットですよね。これ何に使うの。
「三途の川って川幅がもしかして広いがもしれねえべ。
途中で疲れて泳げなくなって溺れるといけないからね。
そうなったらライフジャケット着て浮かんでな。近くを通る船に助けてもらうのよ」
タマさんって頭いいんだなあ。そして用心深いね。あれ、これはなあに
「これは笛っこだ。近くを船が通ったらよ。船長に聞こえるようにこの笛を
ピーピーって吹くのさ」
そえだば絶対に助けられるよ。何事も準備することはいいことだ。
でもね、タマさん、助けられてもな。あちらの岸さ連れていってもらってね。
こちらの岸につれてきてもらっても困るからな」
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ8 お尻とお汁
医者とタマさんとの会話 「タマさん、これは座薬と言ってね、お尻に入れるんですよ」
「はい、わかりました」
タマさん自宅に帰りお汁 みそ汁に入れて飲んじゃった。医者も悪いよ。
秋田弁で訛るのもの。おしりとおしる。
それを聞いた長男が怒りました。
「私の 大切なおばあちゃんに 座薬を飲ませるとは なにごとか」
と医者に怒鳴り込みました。医者はひとこと「しり ません」
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ9 顔の取り換え
タマさんはお孫さん太郎君に自慢した。
「太郎君、ちょっと見て見て、これね、私の18歳の写真よ。きれいでしょう」
5歳の太郎君まじまじとタマさんの顔を見て言いました。
「おばあちゃん、いつ、顔、取り換えたの」
5歳です。生活経験ないです。18歳の見目麗しい美少女が梅干しばあちゃんになっている。
信じられないです。これは人生の半ば、50くらいで顔そっくり
取り換えたと真面目に思ったのです。
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ10 はきもの
私もタマさんも温泉大好き。先日仙台市郊外の作並温泉に行った。
露天風呂への廊下を二人で歩いていたらタマさん突然浴衣を脱いで
パンツ一枚で歩き始めた。
見たくなかった。「タマさん、どうしたのよ。いきなり廊下で浴衣脱いだりして」
「だって 廊下の 掲示板に 書いてあるんだもの」
私が廊下の掲示板を手にもって出席者に見せる。
これより はきものを 脱いで お入りください
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ11 アーモンドチョコ
タマさん、アーモンドチョコを食べていて突然口からペッと何かを捨てた。
タマさん、どうしたの、アーモンドチョコに何か入っていたの
「このチョコレートは種があるんだもの」
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ12 お客様の声
タマさん、デパートで壁に向かって大きな声で叫んでいた。
「わだしだ。男鹿のタマです。こんにちは」
タマさん、なんで叫んでいるの壁にむかって、、、、
「だって、こごさ、書いてあるんだもの」
なんて書いてあるの
「お客様の 声を お聞かせ ください」
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ13 しゃっくり
タマさんあわてて薬局に駆け込んだ
「大変だ、大変だ、しゃっくりが止まらないんです」
薬局のご主人タマさんのおでこをパチリと叩いた。
「何するんですか、痛いじゃないですか」
ご主人「でもしゃっくり止まったでしょう」
「しゃっくり止まらないのは玄関にいる孫ですよ。あああ、痛え」
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ14 立入禁止
公園でタマさんは立入禁止の看板があるのに平気で芝生に入っていった。
タマさん、だめだよ。この芝生は立入禁止だよ。
「立入禁止だばしゃがんで入ればいいんだべ」
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
ネタ15 物忘れ外来
タマさんは80歳、最近やたら物忘れが多くなり心配になって病院の物忘れ外来に行った。
医師は診察した後で「この薬を毎日朝食後に飲んでください」
「はい、わかりました」
医師「忘れないで飲んでくださいね」
「忘れるので病院に来たのですが、、、、」
医師「それじゃね、朝忘れたら次の日の朝に2錠飲んでください」
「次の日の朝、今日は1錠なのか2錠なのか、忘れてしまいます」
「うわああ、おがっち」 タマさんも遅れて「わああ、おがっち」
これで漫才コンビ わあオガッチのライブショーを終わります。
皆さん、男鹿のタマさんをこれからも応援してね。
ユーモア話術コンサルタント 人星亭喜楽駄朗