2016年お正月のメッセージ

昭和91年

今年は平成28年だそうです。今頃言うのも間の抜けた話ですが、実は平成になってから西暦と平成の年が混乱してしまい2つの年をどうしても覚えられ ません。昭和の時は西暦の下2桁から25を引けば昭和年になったのですが、平成になってからは西暦からの足し引きが覚えられず、12年を足すのか引くの だったか混乱します。2000年すなわち平成12年以降はこの計算が楽になったはずなのですが、最後の桁が微妙に2しか違わないのが難しいのです。平成 28年=2016年なのか、平成26年=2018年なのか、いつも悩みます。書類に署名日の記入を求められる度につらい。毎度、いま平成何年ですかと尋ね ることになりみっともない限りです。12月ぐらいになるとさすがに間違わなくなりますが、正月になるとリセットされてしまいます。東京オリンピックは、平 成何年なんだろう。地下鉄御堂筋線(北大阪急行)の箕面への延伸が平成32年度だとかいわれても、何年後なのか分かりません。しかも年じゃあなくて年度で す。私にとっては、今年は昭和91年、これが一番わかりやすいです。そう、戦争が終わって71年です。

正月にここまで書いて、そのままホームページのアップを怠ってしまいました。今年の正月休みが短かったからです。私は例年、お正月休みにたまった原稿を書くのですが、今年はお正月休みが短くて原稿が書ききれずにメッセージまで手(ではなく筆?)が届きませんでした。今年は1月4日から授業が始まりました。1月4日が月曜だったからです。私も留学生向けの講義が4日に、5日は学部生の講義がありました。正月休みにはこれらの準備もしていました。

大学の年末の業務は,最近は28日までです。そこから冬休みですから、今年は合計6日間の休みがあったことになります。ただ,教授達は様々な会議や忘年会も含めて31日まで働くので、今年の休みは文字通り三が日だけでした。

気に入らないなあ。

冬休みが早く始まりすぎて,お正月は短すぎます。年末は大晦日まで目一杯働くべきです。そして除夜の鐘が鳴り終わるとお正月。お正月は、松の内の間は休みです。お正月は家に神様をお迎えしているので、働いてはいけません。料理をするのも掃除をするのもダメです。年末中におせち料理を作っておいて,お正月は料理禁止です。食後に洗いものをするのもダメです。だからお重におせちを入れて、お箸も洗わないので名前を書いておきます。年末に餅つきをして、正月はお米を炊きません。と、母や祖母から教わりました。

年末は31日の夜中12時まで集金に回ったり掃除をしたりして働きます。ゆっくりと夕食を食べる時間すらないので、年越しそばで済ませるのです。そして年を越えると、お正月。もう働かない。借金もチャラです。

ところが、先に述べたとおり、最近の日本は大学も含めて年末早くから休みに入ります。そして、正月に開いているお店も増えてきました。年末はぎりぎりまで働き抜いて、そうしてたっぷりお正月を取る方がさわやかだと思うのは私だけでしょうか。年末は12月31日深夜まで仕事をして、お正月は1月7日あるいは15日まで休みがいいなあ。

大学の新学期は4月1日からですが、新学期の授業は4月1日からは始まりません。入学しても進級しても、ずるずるとして授業が始まるのは4月8日とか9日からです。

けじめがない。

私の研究室では毎年4月1日から2日にかけて,ON Conferenceと呼ぶWelcome School(勉強会)を泊まりがけで開きます。研究室の方針の説明やルール、研究のやり方を説明し、先輩が自分たちの研究を新入生(学生とは限りません。大学院生やポスドク、客員研究員などの新しいメンバーもいます)に紹介します。そして新人歓迎のパーティー(新歓コンパ)です。そして翌日から研究室生活に入ります。

けじめがあるでしょう。

日本人は本来は潔く、かつけじめを大切にする国民です。

私も正月のメッセージは1月1日にアップしたかったです。さて、昨年2015年はユネスコが国際光年と認定し、世界中で様々な行事を開きました。アインシュタインの光量子論から100年、マクスウェルが電波は光波である指揮を示して150年、フレネルが光を波だと説明して200年、そしてイブ・アル・ハイサムが光の教科書を書いて1000年!を祝しての記念年です。

もうけじめだらけです。

この原稿は、メキシコのメリダで開催されている国際光年のクロージング・セレモニーへの移動中に書きました。

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