河田聡の活動

阪大・LaSIE(応用物理・生命機能)

1992年4月、阪大工学部応用物理学科第4講座を主宰するにあたって、河田研と呼ばずにLaSIEと命名。Laboratory for Scientific Instrumentation and Engineeringの略で、Lazyと発音。We are LaSIE (lazy) members.95年に大学院重点化があり、大学院工学研究科応用物理学専攻に属する。大講座制になって第4講座は正式には解体したが、縦割り組織を超えてさらに多くの研究室母体でもって空間と設備と人とサイエンスを共有して、ナノフォトニクスにおける新しいサイエンスとテクノロジー求めて研究室を共同運営している。応物教室(学部は応用自然科学科、大学院は精密・応用物理学専攻)のナノフォトニクス領域とナノスペクトロスコピー領域、生命機能研究科のナノバイオフォトニクス領域、フロンティア研究センター(FRC)、免疫センター(iFREC)からのファカルティーメンバー7名に加えて、特任教授3名、ポスドク5名、学生は25名。現在、オーストラリア、フィリピン、中国、モロッコ、インド、イタリア、アメリカのメンバーが在籍し、さらに海外からの超中期滞在の研究者・学生がいるため、公用語は英語。JST-CREST「プラズモニック走査分析顕微鏡」プロジェクトを推進中。フォトンでナノ構造を制御し、ナノ構造の加工・操作・観察・分析を目指す。

理研・NaPs(河田ナノフォトニクス研究室)

2002年4月に理研に発足。通称NaPs(居眠り)。理研のナノ研究グループの中で、室名通りフォトニクスの世界のナノテクノロジーを開拓する。光とナノの極限と新たな機能発現を探り、ナノ・スペクトロスコピー、ナノ・プラズモニクス、ナノ・フォトニクスに新たな研究分野を開拓する。河田 聡主任研究員とともに、加藤純一、岡本隆之、城田幸一郎、早澤紀彦、武安伸幸、石飛秀和、Alvardo Tarun、古澤健太郎の研究員と、阪大、東京電機大、学習院の学生・大学院生約10名と秘書1名で運営。所外からの客員研究員や海外からの研究員が数名。田中メタマテリアル研究室とは兄弟研究室。元メンバーに田中拓男(現在理研准主任)、斉藤結花(現阪大講師)、Fekhra H'Dilli(現El Mar大学講師)、Jing Feng(現吉林大学助教授), Janne Simonen(現Tampere工科大学主任研究員)、Florian Formanek(現ソニー)、など。

阪大 PARC(フォトニクス先端融合研究センター)

阪大工学部内のフォトニクスを研究する5つの研究室が専攻の壁を越えて設立した阪大ナノフォトニクスイニシアティブを前身として、部局を超えて21の研究室で設立したバーチャル研究センターです。

2007年に文部科学省・平成19年度科学技術振興調整費・先端融合領域イノベーション創出拠点の形成プログラムに「フォトニクス先端融合研究拠点」を提案し、採択されました。 この拠点プログラムでは、フォトニクス研究に関わる先端融合領域のイノベーション創出に必要となる、効率的な産学協働システム、ならびに人材育成プログラムの確立を目指しています。学内に協働機関に開放する研究スペースを配置し、物理的な融合空間を創造するとともに、教員や学生を協働機関へ一定期間派遣し、相互浸透型の協働システムの構築します。研究参加者に対してNDA研修/教育を実施し、守秘義務の徹底等、安心して産学が連携・融合できる環境を整えます。社会人ドクターコースの開設や、 参画する大学院生、ポスドク研究員育成スキームを通して、ポスドク、教員、企業研究者の新たなキャリアパスを創出します。

海外の大学との部局間協定・ 大学間協定の整備により国際的な人材の流動性を促進し、世界標準の研究教育環境を整えるとともに、日本唯一のフォトニクスセンターとして日本・アジアを牽引します。

JST-CREST プラズモニック走査分析顕微鏡プロジェクト

科学技術振興事業団のプロジェクト。2007年10月から5年間。

金属ナノ構造内で励起した電子の量子的な集団振動「表面プラズモンポラリトン(SPP)」をプローブとして用いる新しいナノスケール顕微分析技術を開拓します。SPP が誘起するナノスケールの増強電場を試料に作用させながら、さらにプローブからナノニュートンオーダーの力を加えることによって試料分子に局所的に歪みを与え、それを光学応答の摂動として計測する全く新規なナノ分析・イメージング法を開発します。

ナノフォトン株式会社

2003年2月に創業。河田研で開発された最先端のナノマテリアル計測分析技術を一般市場に提供することを当初の目的とし、「いまの世の中に無い新しい装置」を製品化しています。半導体から細胞まであらゆるナノ材料を高速でかつ広視野にラマン分光画像化して分析できる「RAMAN 11」やそれに共焦点形状機能を加えた「RAMANplus」、コラーゲンや半導体、液晶などの結晶性を顕微画像化する「SHG11」などの新しいレーザー顕微鏡を世に示し、新しい市場の創出と新しい科学技術の進歩に貢献します。年商1.5億円。

平成洪庵の会

幕末に大坂の街に緒方洪庵が作った適塾からは、西洋医学を学ぶことを通じて幕末から維新において社会に貢献する人材を、大勢、輩出しました。既得権益者に有利で失敗を許さない閉塞状態が続く今、洪庵の「適塾」に倣い、新しい科学と産業と社会と人材と文化を産み出すことを夢見る大学人と社会の人の交流の場として、もと阪大FRCサロンの常連をメンバーとして「平成洪庵の会」を設立しました。年2回阪大中之島センターで集まっています、阪大FRCサロンは、河田聡が阪大フロンティア研究機構の機構長を務めていた時に、社会の人が大学や科学や教育に意見を言って大学の人と激論する場として設立されたサロンで、月1回開催していました。

科新塾(科学者維新塾)

緒方洪庵が幕末の大阪に開設した蘭学塾(科学者養成塾)は、科学者のみならず幕末・維新を切り開く多くの人材を養成しました。私達は平成の今、博士課程修了者や博士を目指す人達に政治家、小説家、ジャーナリスト、科学者、起業家など様々なキャリアへの道を示し、平成の維新を切り開いて将来の国際社会に貢献する人材を養成する私塾「SORIA科学者維新塾」(略称、科新塾)を開講しました。

Optics Communications

光学の分野で歴史のある国際学術雑誌。河田 聡が2000年5月より編集長。大阪編集局では論文の投稿受付から査読、採択に至る印刷以外のすべての事務を取り扱う。年間に600以上の論文を扱う。高いクオリティーと迅速な編集プロセスを目指している。野村沙千が副編集長。2009年12月末で退任。

Optical Society of America

1906年に米国に創設された光関係の国際学会。現在この学会でのExecutive Commitee(理事会)とBoard of Directors(評議会)のメンバーであり、International Council(国際諮問会議)の議長であり、またフェローでもある。この他にSPIE(国際光工学会)のナノテクノロジー会議の委員であり、プラズモニクスのコンファレンス委員長、フェローでもある。