2014年10月のメッセージ

なんじゃらほい

御嶽山の噴火があったときは海外にいましたので、このニュースはインターネットで知りました。

ごげんやま?

御嶽山が「おんたけさん」のことだと気付くのに、しばらく時間がかかりました [1] 。私の知っている「おんたけさん」とは木曽節にでてくる「御岳さん」です。字が違います。御岳さんの「さ ん」は富士山の「山」ではなくて、お稲荷さんとか天神さんの「さん」です。関西では昔から人以外にも「さん」をつけて呼びます。お粥は「おかいさん」、豆 は「お豆さん」、芋は「おいもさん」です。頭には「お」も付きます。だから「おんたけさん」はまさに「おん岳さん」なんです。ちなみに、うどんは「おうど ん」、そばは「おそば」、茶漬けは「お茶漬け」、たくわんは「お香々」、醤油は「お醤油」、ソースも「おソース」です。さんがつくのは食べ物に限りませ ん。かまどのことは「へっついさん」、朝起きたら「おはようさん」、めでたいことがあれば「おめでとうさん」。坂田利夫さんは「ありがとしゃーん」。関東 もそうなのかなあ。

最 近は日本中、何にでもやたら「さん」をつけるような気がします。「阪大さん」とか「理研さん」、「応物学会さん」と言われると、こちらも相手の組織を呼び 捨てしにくくなります。大学や研究所も法人になったので、人としてさんをつけるのでしょうか。民間企業でも、最近では互いに取引先や同業者に「さん」をつ けて呼んでいます。ニコンさん、オリンパスさん、ナノフォトンさん、、、。私には慇懃無礼な気がして、失礼ながら会社名などは呼び捨てています。

さて、御嶽山の話。「木曽の御岳さん」の民謡は誰でも知っておられるでしょう。

木曽のなあ 中乗りさん

木曽の御岳さんは なんじゃらほい

夏でも寒い よいよいよい

はあ よいよいよいの よいよいよい

御岳さんはなんじゃらほい? 民謡の歌詞っていうのはいい加減やなあ。なんじゃらほいとは、なんじゃらほい。そういや「ソーラン節」の「やーれんそーらん、そーらんそーらん」も意味が分からない。かけ声だと言われても、何か意味があるんじゃあないのと考え込みます。「なんじゃらほい」は梵語で盆踊りを意味する「ナムチャラホイ」から来たとする説がネットに載っていました。

話が著しくずれました。

御嶽山以外にも今年は桜島や阿蘇山が噴火し、西之島は噴火の結果、新島が繋がり面積を拡大し続けています。

日本の火山は活動期に入ったのでしょうか。そのうち富士山も爆発するのでしょうか。マスコミが煽ります。連日朝から晩まで御嶽山のニュースを流し続け、ついでに雲仙普賢岳が噴火したときの火砕流記録テープなどを流し続けると、たしかに噴火が増えてきたような気になってきます。地球の内部はマグマです。特に最近、噴火や地震が増えているわけではありません。

最 近、世の中には凶悪で冷酷な殺人事件が増えてきているように思いませんか?でも本当は、戦後一貫して殺人事件は減り続けています。同じ事件を繰り返しテレ ビで流すと、事件が増えてきているような錯覚に陥ります。テレビは、視聴率が稼げる事件や事故が欲しいのです。それもできるだけ悲惨な事件や事故がいい。 テレビ局が悲惨な事件や事故を何度も何度も繰り返し放映するのは、視聴者がそれを求めているからです。視聴率が稼げるのです。朝日新聞の慰安婦事件の捏造 や原発証言の操作も、できるだけ醜い事件を視聴者が求めていると考えての行為だったと思います。メディアは同じ映像を何度も流すのではなく、世界をまわって取材をし、新しいニュースを発掘して知らせて欲しいものです。小保方さんのニュースを繰り返し放映するのも、ノーベル賞受賞者の家族や小学校時代の友達を追い回すのも取材としては楽でしょうが、つまらないしよろしくありませんね。

なんじゃらほい、です。

[1] NHKのニュースやフジテレビの番組では、キャスターが「みたけさん」と読んだそうです。

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