9月 神石高原町での植物観察
(2)李 ヒュウガセンキュウに会いたい
2022.09.07
平地から低山地の林縁にふつう。高さ5〜10m、径10㎝になる。葉は互生。長さ30〜60㎝の奇数羽状複葉で、葉軸に翼があるのが特徴。小葉は3〜6対、長さ5〜12cmの長楕円形または卵状長楕円形で、先は鋭く尖り、基部はくさび形または円形。縁には粗い鈍鋸歯がある。雌雄別株。白色の小さな花を円錐状に多数付ける。花序は長さ15〜30㎝。花弁は5個。長さ2㎜の楕円形。雄花の花弁はそり返り、5本の雄しべは花から突き出る。雌花の花弁はそり返らない。(残念ながら雌雄は確認されていない)
ウルシ科 ヌルデ属
果実は核果。径4㎜の扁球形で、10〜11月に黄赤色に熟し、白い物質(リンゴ酸カルシウム)を分泌する。外果皮には茶褐色の細毛が密生する。核は黄褐色で扁球形。
アケビ科 アケビ属
葉は互生し、掌状で小葉が3枚になる3出複葉。花期は4~5月。雌雄同株、雌雄異花で、濃い紫色である。新葉のわきから総状花序を出して下垂し、花序の先のほうに十数個の小型の雄花を付け、基部に大型の雌花を1~3個付ける。雄花は濃暗紫色で径4~5㎜になり、6本の雄しべが球状に集まる。雌花は3 ㎝前後になる花柄をもち、濃暗紫色で径15㎜になる。花に花弁はない。果期は9~10月。果実は液果で、長楕円形になる
山地や原野にふつう。茎は稜角があり短毛がある。葉は長柄があり、1回3出複葉。小葉は広卵形、欠刻縁、裂片は鋭頭、基部は円形または浅心形、小葉柄があり、両面短毛があって長さ3.5〜7㎝。
花期は8~9月。葉腋から円錐状集散花序に上向きに平開する。萼片は4で長楕円形、鋭頭または凹頭、外面灰白色の短毛があり、長さ8〜10㎜。雄ずいは多数、扁平、無毛、長さ5〜6㎜、葯は長さ2㎜。痩果は多数、長卵形で長さ4㎜、白毛がある。花柱は長さ10㎜で羽状
茎はまばらに分枝して斜上し、高さ10〜40㎝、6稜があり下向きの短毛が生える。葉柄は長さ2〜15㎜、葉身は卵形で長さ2〜4㎝、先はややとがり、基部は鋭形、全縁または波状縁、両面に毛が散生する。花期は8~10月。枝先に円錐形または短い円筒形の穂状花序を作り、密に花をつける。
苞は線状披針形で、小苞2枚は線形、萼とともに縁に白色の長毛がある。萼は深く5裂し、上側の1 片はごく小さく糸状、ほかの4片は線形で長さ5〜6㎜、中脈付近は緑色。花冠は淡色で下唇内面は淡紅紫色、長さ7㎜、筒部は長さ4㎜、上唇は三角状で先は2裂し長さ2㎜、下唇は広楕円形で先は2裂し長さ4㎜。
日当たりのよい荒れ地や草地などに生える。高さ0.6〜2m。葉は互生し、茎の下部の葉は長さ10〜30㎝で逆向きの羽状に裂ける。茎の上部の葉はほとんどが全縁で小さい。茎を切ると白い乳液が出る。花期は8~11月。茎の上部に径2㎝の頭花を円錐状に多数付ける。頭花はふつう淡黄色、まれに白色、淡紫色で、昼間開き夕方にはしぼむ。総苞は長さ1㎝。総苞片は瓦状に重なりあい、ふちは黒っぽい。そう果は長さ5㎜で、短いくちばしがある。
キク科 アキノノゲシ属
自身、この花色が好きで、この花に出会うと立ち止まってしまう。
全国に分布。山野や道端にふつう。花期は7~10月。花は紅紫色または白色に淡紫の筋が入る。枝先と葉腋から細長い花軸を出した先に花を2個付ける。
花径は10~15㎜。花弁は5枚で筋が走り、花弁の先がへこむものもある。萼片は5つ、雄しべは10個。花が咲き始めの頃は、柱頭の先が1本に見えるが、開花後しばらく経つと5裂する。
全国の日当たりのよい道端や草地等に生える。高さ30〜80㎝。全体に縮れた毛が多いので、白っぽく見える。茎や葉を切ると黄色の乳液がでる。葉は1〜2回羽状に裂ける。花期は4〜7月。(条件のよい所では10月頃でも開花しているのを見ることがある。)
花は鮮黄色で径2㎝。多数の雄しべの間に体をくねらせた青虫のような雌しべがある。毛の多い2個の萼片は開花と同時に落ちる。蒴果は長さ3〜4㎝の細長い円柱形。種子は熟すと黒くなる。
日当たりのよい道端にふつう。茎は分枝し高さ40〜90㎝、4稜形で節はやや膨らみ時にやや紅紫色を帯びる。葉はやや厚く光沢はなく、葉身は長さ5〜12㎝、両面ともに有毛、しばしばふちは波状に縮れる。花後下を向いて花序の軸に圧着する。
小苞は2個、刺状となり、基部の付属体は長さ0.3〜0.5㎜。雄しべは5個。仮雄しべはほぼ四角形でわずかに不明の歯牙がある。花期は8〜9月。
林縁等のやや湿った所に生育する。茎は高さ0.8〜1.5m。アカソに似て葉柄も赤いが、➀葉が小さく、➁卵〜卵状楕円形で、➂葉先は3裂せず、➃尾状にとがる。➄縁には10〜20対の鋸歯があって、コアカソより鋸歯の数が多く、⑥重鋸歯にならない。葉の基部は円〜ややくさび形。花期は7~9月。葉腋から長い花柄を伸ばし、上部の葉腋に球状にまとまった赤褐色の雌花序を穂状に付け、下部の葉腋には黄白色を帯びた穂状の雄花序を付ける。
イラクサ科 ヤブマオ属
よく似たコアカソの鋸歯の数は10対以内で、重鋸歯になる。
葉は大型の三出複葉で、長い葉柄で互生する。小葉は径15㎝の菱形状の円形でさらに中裂することがある。花期は8~9月。葉腋から総状花序が上向きに立ち上がり、濃紺紫色の甘い芳香を発する蝶形花を房状に密集して付け、下から順に咲かせる。
花色には変異がみられ、白いものをシロバナクズ、淡桃色のものをトキイロクズと呼ぶ。(自身はまだ、シロバナにもトキイロにも出会ったことがないような気がする) 花後に褐色の剛毛に被われた枝豆に似た、長さ15㎝ほどの扁平な果実をを結ぶ。
ヒヨドリバナ属はどれもよく似ていて、「後でゆっくり同定」と思ったら、できなくなる。1、2枚の写真だけでは、酷似のものに差異を付けるのは難しい。
葉の形と付き方(車状)がサワヒヨドリに似ていると思うが、当地は日当たりはよいが水質地とは言えないので困っている。安易に撮った写真だけでは、これで限界。
茎は叢生(そうせい)して、高さ1〜1.5m。短い寝た毛を密生する。葉は広卵形で先は尖り、長さ9〜15㎝でふちに鈍鋸歯がある。表面には白点とまばらに毛があり、※裏面は綿毛があって白く、脈上に短毛がある。葉柄は3〜9㎝、短毛を密生する。托葉は線形、長さ6㎜。花期は8~9月。花は葉腋の円錐花序に付く。茎の下方は雄花序、雄花は4花被片と4雄しべがある。茎の上方から雌花序が出る。雌花は球状に集まり、花被は筒となり長さ0.8㎜、短毛がある。花柱は線形。果実は花被筒に包まれ、卵円形長さ0.8㎜。
イラクサ科 ヤブマオ属
※カラムシと同種で、葉の裏面が白くならないものをアオカラムシとして区別することがあるが、写真のものはそれに該当する。
本州近畿地方以西と四国,九州の草原や明るい林内に生える多年草。高さ50~150㎝。茎葉は互生し,葉身はやや厚く,長さ5~15㎝の羽状複葉,縁に細かいきょ歯がある。
花期は8~11月。枝先の複散形花序に多数の白い小花を付ける。総苞片はなく,花柄は8~14本,小花序は径1㎝,小総苞片は1~8個ある。果実はやや扁平,広いだ円形。
山地の乾いた草地や道端にふつう。高さ1〜1.5m。茎や葉には短毛があってざらざらする。下部の葉には狭い翼のある長い柄があり、葉身は長さ9〜24㎝の心形で先は鋭くとがり、ふちには粗い鋸歯がある。上部の葉ほど小さく、柄も短い。花期は8~10月。頭花は径1.8〜2.4㎝。舌状花は白色で数は少ない。
総苞片は3列に並び、長楕円形で縁には乾いた膜質。外片は内片より短い。痩果はややまるい倒卵状長楕円形。冠毛は長さ3.5〜4㎜。
長野、広島、高地、宮崎県に隔離分布する。低山地のやや湿った場所に生育する。高さは1~2m。茎は直立し、上部で枝を分け、無毛。葉は2~3回3出羽状複葉、小葉は長卵~広披針形で、長さ3~10㎝。縁には大きな鋸歯があり、羽片は節毎に下に曲がる。葉裏の葉脈の網目が大きい。花期は8~9月。花は茎頂に大型の複散形花序となり、白色で毛のある小さな花を多数つける。小総苞片は糸状で数個ある。果実は広楕円形で扁平、毛がある。
山野の湿り気のある湿地にふつう。茎の高さは50~100㎝で、茎につく葉は細かく少ない。
花期は9~10月。煙管のように下向きに花を付けるが、花後は上向きになる。花は頭状花序に付き、筒状花のみで構成されており、花の色は紫色である。花期にも深く裂けた根生葉が残っている。
丘陵や低山の草地に生育する多年草。茎には稜があり無毛で、長さ80~150㎝となる。葉は茎に互生して付き、ごく短い柄があって長さ7~20㎝、先は分枝する巻きひげとなる。小葉は互生または対生し4~10枚、ふつう卵形で、長さ3~5㎝、幅1.5~3㎝。托葉は半切卵形で、長さ3~5㎜、下側に伸びる歯牙があるか、または細くて2裂する。花は青紫色、長さ13~15㎜、総状花序は長さ4~7㎝で多数の花を付ける。小花柄は細く長さ4~5㎜、まばらに軟毛がある。萼はやや斜形、長さ4~5㎜。萼裂片はほぼ同長で、広三角形、長さ1㎜で萼筒より短い。
マメ科 ソラマメ属
豆果は狭楕円形、長さ2.5~3㎝、幅6~7㎜、無毛で、長さ4~5㎜の柄があり、数個の種子を入れる。種子は球~楕円形、径3~4㎜で黒色。
005-2 神石高原町 (野)李 オオバクサフジ .mp4リンドウ科 ツルリンドウ属
全国に分布。ふつう山地の木陰に生え、蔓が地面を這ったり草木にからんで長さ40~80㎝になる。葉は対生し、3本の主脈が目立つ。花期はは8~10月。葉腋に淡紫色の鐘状の5裂した花を付ける。果実は液果で、枯れ残った花冠の上に突き出し紅紫色に熟す。
マメ科 コマツナギ属
草地や道端等の日当たりがよく、やや乾いた所に群生する。高さ40〜80㎝。茎や葉に伏毛がまばらにある。葉は奇数羽状複葉。小葉は7〜13個あり、長さ0.8〜1.5㎝の長楕円形。花期は7~9月。葉腋に長さ4〜10㎝の総状の花序を出し、淡紅紫色の花をやや密に付ける。花は花序の下から咲き上がる。花は長さ4〜5㎜。豆果はまっすぐな細い円筒形で、長さ2.5〜3㎝、幅2.5〜3㎜。熟すと茶褐色になり、裂開して緑黄色の種子を3〜8個だす。
日当たりのよい山野の道端に多い。茎は方形で高さ20〜80㎝、まばらに下向きの毛がある。葉は5〜15㎜の柄があり、葉身は長さ3〜7㎝、幅1.5〜3㎝、上面及び下面脈上に毛がある。
花序の輪は互いにへだたり小苞は線形で長く、ふちには開出する粗毛があり、萼の中部以上に達する。萼は筒状2唇形で長さ7〜8㎜、まばらに開出毛があり通常紫色を帯びる。花期は8~9月。花冠は長さ8〜10㎜。雄しべは4本で下の2本は長く共に斜上する。
日当たりのよい山地の草原や林縁に生える。高さ1~2m、こんもりとした樹形になる。葉は長さ2~12㎝の3出複葉で互生し、質はやや厚く、長さ2~4㎝の楕円~倒卵形で全縁、先は円くしばしば先端がへこむ。表面は無毛、裏面は伏毛が密生して白色を帯びる。花期は8~10月。葉腋から基部に付く葉より短い総状花序を出し、長さ1~1.5㎝で紫紅色の蝶形花を2個ずつ対に密生して付ける。旗弁は幅が広くて長く、翼弁と竜骨弁はほぼ同長で小さい。萼は4深裂し、裂片は萼筒より長く先が針状に尖る。
マメ科 ハギ属
果実は長さ6~7㎜の扁平な楕円形の豆果で伏毛があり、10~11月に熟すが裂開しない。種子は1個。
日当たりのよい草地に生え、草刈りが行われる所に生える。花期は7~10月。茎を伸ばし、細かく分枝したその枝先に円筒状の穂状花序ができ、暗紅紫色の花弁のない可憐な花を密に付ける。4枚の萼と4個の雄しべがあり、雌しべは小頭状。開花時は萼も淡紅色で黒い葯が目立ち、穂(花序)の上部から咲き始め、次第に下に移っていく。
バラ科 ワレモコウ属
ワレモコウの花序は、小さな花が沢山集まって形作られている。虫媒花。
キク科 タムラソウ属
花期は8~10月。紅紫色の頭状花序は径3~4㎝になり、数個枝別れした枝先に上向きに付き、一見アザミ属のように見える。総苞は長さ25㎜になる広卵状球形で、総苞片は7列で瓦状に密接して付き、外片は広披針形で、中片から内片にいくにしたがい小さくなり、片の先端は鋭く刺状になる。頭花は筒状花だけで構成されており、周辺の一列の小花は長さ25~28㎜になり、3~5裂し、雄しべ、雌しべが無く結実しない。
キク科 ヨモギ属
花茎は高さ30~80㎝になり、葉は互生する。茎の中部に付く葉はさじ形または倒卵形で長さ4.5~8.5㎝、縁には大きな鋸歯が付き、裏面には綿毛が密生し白色を帯びる。花時には花茎の下部の葉は枯れる。花期は8~10月。頭花は花茎に総状円錐花序に多数下向きに付ける。頭花は幅3~3.5㎜の球形で舌状花がなく筒状花のみで構成される。
同属で酷似のオオユウガギクがあって、「ヨメナより一回り大きくて、葉はやや深く切れ込み、湿地に生える」が、個体差もあって同定しにくい。
キキョウ科 ツルニンジン属
山麓の林下等に生える。塊根は倒卵状紡錘形で、人参に似る。茎は蔓状に2〜3m伸びる。葉には2型あって、主軸の葉はいちじるしく小さく鱗状、側枝の葉は互生するが、ふつう3〜4個集まりときに偽輪生する。葉身は長さ2~10㎝の長楕円または長卵形で薄く、先はとがり、基部はくさび形で、ふつうは毛がなく、縁はほぼ全縁、またははっきりしない鋸歯があり、裏面は粉白色を帯びる。葉柄は短い。花期は8~10月。花は側枝の先から1〜2個下垂する。萼の先は杯形に5裂し、萼裂片は披針形で、長さ20〜30㎜、先はとがる。
全国の山野にごくふつう。茎は0.4〜1mになり、ほとんど分枝しない。切ると乳液がでる。根生葉は長柄があり、円心形で花時には枯れてなくなる。茎葉は3〜4個が輪生、まれに対生または互生し、長さ4〜8㎝の卵状楕円形で鋸歯があり、柄はごく短い。花期は8~10月。茎頂に円錐形の花序を出し、1〜数個の花が輪生してやや下向きに付く。鐘形の花冠は淡紫色または白色で、長さ1.5〜2㎝で先は5裂してやや広がる。花柱は花冠よりやや突き出し、先が浅く3裂する。萼裂片は線形で長さ3〜5㎜、ふちに1〜4個の小さな鋸歯がある。
キキョウ科 ツリガネニンジン属
同属に、サイヨウシャジン(花冠がやや細く、花柱が突き出る。中国地方、九州)、ハクサンシャジン(花冠は広鐘状で花序の小枝が短く、密集して総状花序になる。北海道と本州中部以北の高山)、オトメシャジン(葉は線形で、花冠の長さが1㎝足らずのもの。四国、蛇紋岩地。)がある。
高さは15~50㎝で、茎は地面を這うが、直立することもある。花期は6~9月。1.5~2㎝の青い花を付ける。早朝に咲いた花は午後には萎む。萼片は3枚で白色。花弁は3枚あり、上側の2枚は大きく青色で爪部があるが、下側の1枚は白くてごく小さい。
雄しべは6本あり、上側の3本、下側中央の1本、下側左右の2本で形態が異なる。稔性のある花粉を生産するのは左右の2本で、上側の3本は昆虫の訪花を促進させ、下側中央の1本は昆虫の適切なランディング(着地)を促進する。雌しべは1本。果実は蒴果で、2室に計4個の種子が発達する。
茎は直立して、高さ30~100㎝になり、無毛。節があってその部分は暗紫色を帯びる。葉は披針~卵状披針形で対生、長さは3~10㎝、幅は1~3㎝、先端は鋭く尖り、縁に毛がある。。
花期は6~9月。花は茎の先端か茎の葉脇から出る。花柄は不揃いで長さ1~3㎝。萼は長卵~卵形で長さ6.5~10㎜。花弁の舷部は白く、2つに裂けて長さ2~3㎜。蒴果は卵形で先端が5つの歯になり、萼よりやや長くなる
日本全土の人家近くのやぶや林のふちなどに多い。茎は太く、高さ0.5〜1mで成長が止まり、上部から数本の長い横枝を放射状にのばす。
根生葉と下部の葉は長さ25〜30cm、幅10〜15cmの広楕円形〜長楕円形で、薄くて両面とも短毛が生え、裏面には腺点がある、根生葉は花の頃は枯れる。
キク科 ガンクビソウ属
上部の葉は長楕円形で、上のものほど小さい。上部の葉腋に黄色の頭花を下向きに1個ずつつける。頭花は直径約1cmで、ほとんど柄がない。総苞は鐘状球形。総苞片は3列に並び、外片は短い。そう果は臭気があり、長さ約3.5mmの円柱形。先は細くなり、粘液を出して動物などにくっついて運ばれる。花期は9〜10月。
本州〜九州の日当たりのよい草地等に生える。茎は基部近くで枝分かれして地を這う。全体に黄褐色の毛が多い。葉は3小葉からなる。小葉は長さ1〜2㎝、幅0.8〜1.5㎝の広楕円〜広卵形。花期は7~9月。花は葉腋に3〜5個ずつ付き、白色で長さ7〜8㎜。旗弁に紅紫色の斑点がある。豆果は長さ3〜4㎜の広倒卵形。上部の葉腋に閉鎖花が付き、豆果はやや小さい。
茎は上部でよく分枝し、高さ30〜70㎝になる。葉は互生し、長さ10〜20㎝の倒卵状長楕円形。下部の葉は不規則に羽状に裂ける。花期は8~10月。花序は先が垂れ、下向きに頭花を付ける。頭花は全て細い筒状花からなり、花冠の上部はレンガ色、下部は白色。花柱は2裂し、裂片はしばらくするとクルリと巻く。総苞は長さ約1cmで、総苞内片はきれいに1列に並び、外片はごく小さい。果実(痩果)は円柱形、暗褐色で長さ2㎜。稜の上に微細毛がある、冠毛は白色、糸状で長さ約12㎜。
キク科 ベニバナボロギク属
アフリカ原産。第二次大戦後の帰化植物として知られるが、意外に山間部に多い。
ここでは、明るい農道脇に群生していた。近隣でもまれに見つかる白花品種を捜したが見当たらなかった。花期は7~10月。盛期で晴天だからか、花は全開して生き生きしていた。。
アオイ科 カラスノゴマ属
茎葉に星状毛がある。葉は互生し、卵形で先はややとがり、基部は円形または切形、長さ2〜7㎝、幅2〜4㎝、鈍鋸歯があり、柄は長さ1〜2㎝。葉腋に1個の黄色の花が付く。花柄は長さ1.5〜3㎝、萼片は線状披針形で長さ6〜8㎜。先はとがり、反曲し、外面に星状毛がある。花期は8~9月。花弁は倒卵形、長さ7〜10㎜。仮雄しべは長さ7〜9㎜。子房は3室。蒴果は長さ2.5〜3.5㎜、幅3㎜で少し湾曲し、星状毛がある。種子は卵形で長さ3㎜以下、横に隆起線がある。
本州、四国、九州の明るい山野にふつう。茎はよく分枝し、下向きの刺がある。葉は長さ3〜7㎝の三角状卵~狭卵形で、先端はしだいに細くなって尖り、基部は心形。葉が4枚輪生しているように見えるが、2個は托葉が大きく発達したもの。葉柄や葉の裏面脈上にも下向きの刺がある。花期は8~10月。花は黄緑色で、葉腋からでた集散花序に付く。果実は径5〜7㎜、液果で黒く熟す。普通2個がくっついているが、1個だけしか発達しないものもある。
アカネ科 アカネ属
古くから、晩秋に根を採集して草木染めに用いる茜染(あかねぞめ)がよく知られている。
005-3 神石高原町 (野)李 ツリフネソウ.mp4 丘陵地から山地にふつう。日当たりのよい斜面に多い。茎は斜上し、よく枝分かれし、高さ2mに。小葉は厚質で楕円〜卵形。全縁。頂小葉は長さ2〜6㎝。花期は8~10月。花柄は長さ1〜3㎜。花は長さ10〜15㎜。全体が白っぽい紅紫色で、旗弁の内側(向軸側)が紅紫色、外側は淡色、翼弁は紅紫色、竜骨弁はほとんど白色。
北アメリカ原産。茎は柔らかく、高さ0.5〜1.5mになる。葉は長さ5〜40㎝の線形または線状披針形で、縁には不ぞろいの鋸歯があり、ときに羽状に裂ける。上部の葉は茎を抱く。花期は9~10月。茎の上部に円錐花序を出し、小さな頭花を上向きに付ける。頭花はすべて細い筒状花からなり、花冠の先は淡黄〜緑黄色、下部は白色。総苞は長さ1〜1.5㎝で、総苞内片は1列にきれいに並ぶ。外片はごく小さい。冠毛は痩果から脱落しやすい。
北米原産。明治初期に渡来。空き地や道端にふつう。茎は太くて赤みを帯び、高さ1〜2mになる。葉は長さ10〜30㎝の長楕円形で先は尖る。花期は6~9月。花序には長い柄があり、果期には垂れ下がる。花は白色でわずかに紅色を帯び、径5〜6㎜。果実は径8㎜の扁球形で、液果。黒紫色に熟す。果実をつぶすと紅紫色の汁がでる。
全国の日当たりのよい路傍・畑地に生育、群生する。茎の高さは40〜160(20~70)cm。茎の基部は分けつして叢生し、エノコログサよりも壮大になる。葉は長さ30〜40(5~20)㎝、幅20〜23(5~15)㎜、表面は少し紫色を帯びた寝た毛が密生するが、裏面は無毛。葉舌は毛状。
花期は8~9月。花序は円柱状で長さ10〜20(3~7)㎝、湾曲して先端は下垂する。小穂は卵形、長さ2.8〜3㎜、無毛。果実は広卵形。エノコログサに似て全体に大きい。
イネ科 エノコログサ属
縄文時代にアワ(粟)作と共にアワの雑草として移入したと考えられている。名はイヌの尾に似ていることによる。別名(俗称)【ネコジャラシ】。
全国に分布。日当たりのよい路傍、畑地等に生育し、やや群生する。茎は高さ20〜50㎝、少し偏平、叢生。葉は長さ20〜30㎝、幅7〜10㎜、柔らかく、基部に長い毛を生じ、表面は光沢がなくざらつくが、裏面は光沢があり平滑。花期は8~9月。花序は穂状、直立し長さ3〜10㎝。小穂は広卵形、長さ3〜3.5㎜、2小花からなるが第1小花は退化し、護穎だけになる。
全国の山野に生える。メナモミに似て、全体的により小型。高さは35〜100㎝、毛は少ない。葉身は卵状三角形で、長さ5〜13㎝、幅3.5〜11㎝。
花期は9~10月。頭花は径12㎜、柄は長さ1〜3㎝で腺はない。舌状花冠は長さ1.5〜2.5㎝、黄色で3裂する。痩果果は長さ2㎜、黒色で無毛。
005-4 神石高原町 (野)李 ヒュウガセンキュウ.mp4