7時50分の始発を待つ

8時頃、ロープウエイ「千畳敷駅」に到着　久しぶりの絶景に感激

　高山の雪渓周辺の多湿地に生え、雪解けと共に開花する。高さは10cm。枝は地面を這い、群落を作る。葉は羽状複葉。花期は6～8月。花茎の先に3cmの白い五弁花を1つ咲かせ、多数の黄色い雌しべと雄しべがある。花後、花柱は伸びて放射状に広がる。（写真）果実は痩果。名は、この実の形が子供の風車（かざぐるま）に見えたことから稚児車（ちごくるま）から転じて付けられた。

花期も終わりでほとんどが結実した状態。カサカサとして痛々しい。

八丁坂分岐辺りから後方を振り返る

　北海道、本州の中部地方以北と奈良県、四国の石鎚山に分布。亜高山帯の草地や深山の渓流沿いなどに生育する。茎は四角形で、枝分かれしないで直立し、高さは50～100㎝になり、細毛が生える。葉は対生し、長さ2～10㎜の短い葉柄があり、葉身は長さ6～14㎝の広卵～広披針形。葉先は細くとがり、縁には鈍い鋸歯があり、葉の両面にまばらに細かい毛が生える。葉をもむと独特の臭気がする。花期は7～8月。茎の上部の葉腋ごとに数個の花を付ける。萼は緑色の筒形で、長さは8～10㎜になり、5裂して裂片は線状披針形になり、先が鋭くとがる。花冠は淡紫～紫色で、長さ25～30㎜になり、唇形で筒部が長くふくらみ、上唇は浅く2裂し、下唇は3裂して中央裂片に紫色の斑点がある。雄しべは4個あり、上側の2個が長い。

　草丈は10～30㎝。葉は対生。葉身は長さ1.5～4㎝の広楕円～卵状楕円～狭楕円形。先は円頭、基部は円～心形で半分茎を抱く。全縁。質は薄く、葉身の内側には多少明点がある。稀に黒点も混じる。縁にはやや密に黒点が集まり、時に明点が混じる。花期は7～8月。花は径2～3㎝。茎の先に1～17個が疎らにまたは集散状に付く。花柄は長さ3～9㎜。花弁は５個。鮮黄色でやや紅色のぼかしがあり、楕円～倒卵形。雄しべは30～60個、３束にまとまり、長さは5～11㎜。花柱は３個、長さ5～6㎜。萼片は５個、長楕円形で不等長、長さ3～7㎜。

オンタデ　Ⅱ

　亜高山～高山に分布。礫地や草地に生育する。草丈は15～50㎝。茎は花茎状。開出する長い白色の剛毛と短い腺毛があり、白っぽく見える。葉は根生葉や茎の下部だけにあり、大きく、全縁で、白毛と腺毛がある。花期は7～8月。頭花は径1.5～2㎝。総苞は長さ6～10㎜、黒緑色、黒色の剛毛と白色の毛がある。痩果は長さ約3㎜の円柱形、冠毛は長さ5～6㎜、褐色を帯び、羽毛状。 低地に生えるコウゾリナによく似ているが属が異なる。また、高山によく似たカンチコウゾリナ（コウゾリナ属）がある。

　花茎は高さ20～50㎝で、ほとんど枝分かれしない。花茎中部より上につく葉には葉柄が無いかあっても短柄。葉は2-3回羽状に全裂する。花期は8月。頭花は花茎に総状または総状花序に付く。頭花は径12～14㎜とヨモギとしては大型で、半球形をしている。総苞片は3列で、やや同長。果実は痩果で無毛になる。

　八丁坂の急登は覚悟していたので、それでもトウヤクリンドウだけは見落とさないようにと注意はしながらの登山だったのだが、今回は乗越浄土までで見つけることは出来なかった。自身の見落としかもしれない。（下山時にも）

　2009.09.01、今から14年も前。初めて出会った時には、八丁坂でも数株に出会った記録（写真）がmemoryに残っている。この年月で、あるいは今年の記録的猛暑の影響もあるのか等と考え、トウヤクリンドウに会えるのかしらと心配になる。

「あっ、あったぁー。トウヤクリンドウだ。」と10余年ぶりの再会いに感激。

宝剣山荘　9時30分着　小休憩

　中岳に向かう登山道脇には、このイワツメクサが数多く生育しいるが、季節的には花期の盛期は外れていて花もまばらである。下界の記録的猛暑等も影響しているのかもしれない。

中岳山頂　９時40分着

　北海道、本州中部地方以北に分布。高山の、他の植物が生育しにくい稜線の砂礫地のような場所に生育する。タカネスミレなども同様な場所に生育し混生することもあるが、単独の群落をつくることが多い。地上部からは想像できないような50～100㎝ほどの長い根を張る。草丈は5㎝。葉は根生葉で細かく裂け（パセリのように）、白く粉を帯びる。花期は7～8月。花茎は10～15㎝で淡紅色の花を咲かせる。花弁は4個で外側と内側に2個ずつ付く。外側の花弁は下部が大きくふくらんで、先が反り返り、内側の花弁はやや小さく、中央がくびれ、上端は合着している。萼片は2個で早く落ちる。双子葉類の植物だが、子葉は1個しか出ない。写真➀は2009.09.01に撮影したもの。➁～➄は今回撮影したもの。

　　バスで菅の台へ向かう途中。運転手さんが「ニホンカモシカがいますよ。写真を撮る方はどうぞ。」と停車してくれたのはよかったが、40名満席で各々ザック等の荷物もあってぎゅうぎゅう詰めのバスの中のこと。やっとこさで、ザックの中に収めていたカメラを取り出した時にはバスが動き出し、あわててパシャリとシャッターを切る。見事なピンボケ写真。ニホンカモシカは逃げることもなく、あわてることもなく、あたり前のようにバスを見送っていた。