第4回『フェミニスト現象学入門』オンライン読書会

■ 日時:7月30日(金)13:00–14:00

■ 会場: zoomによるオンライン開催

■ 参加者:約90名

■ 講演者(五十音順):

  磯野真穂(人類学)

  佐藤愛(フェミニスト現象学)


オーガナイザー:小手川正二郎、宮原優、中澤瞳


哲学班を運営の中心とするイベント「『フェミニスト現象学』オンライン読書会」の第4回が開催され、約90人が参加しました。会は、まず講演者2人が自らの執筆した講読対象について概要を説明し、次にお互いへの質問と応答、最後に参加者からの質問、という順番で進みました。

会ではまず、『フェミニスト現象学』の第5章「外見を気にしてはいけないのか?」の著者である佐藤氏が、ご自身の研究歴と執筆の背景、特にもう1人の登壇者である磯野氏の著書『ダイエット幻想』との関係についてについて説明された上で、ミシェル・アンリの「ライフ」概念への参照や、ご自身の体験を織り交ぜながら、ファッションや体型などの外見と内面との相互作用を現象学的に考察することについて話されました。

今回関連する文献として設定された、『ダイエット幻想』の著者である磯野氏からは、同章で使用された「ライフ」や「雰囲気」などの語の特殊な用法についての質問を始めとして、佐藤氏の扱った話題を現象学の外側から再構成する試みがなされました。また、お2人の話の中では、外見を気にしないこと、無条件に受け入れ肯定することを求めるポジティブな言説に対する疑念についても話題に上がりました。

質疑の時間には、他者の視線の中でも気になる人とそうでない人があるという話や、外見や役割に縛られることのネガティブ/ポジティブな面について等、多岐にわたる質問が取り上げられ、活発な議論が行われました。


文字起こし原稿は↓からご覧いただけます。

https://drive.google.com/file/d/1vQC47Eoh42gzwa9QmdNXulSFS_CTf2NO/view?usp=sharing


(by T. Yamashita, Keio University)