心の哲学、認知科学の哲学において世界的に著名なShaun Gallagher教授(University of Memphis)の招聘に伴い、中央大学駿河台記念館にて「自己主体感」および「自己所有感」をテーマにしたシンポジウムが開催されました(共催:中央大学人文科学研究所研究会「視覚と認知の発達」)。
当日は、Gallagher教授、田中章浩教授(計画班B01-P03代表・東京女子大学)、河野哲也教授(計画班C01-P01代表・立教大学)が登壇し、それに先立ち、山口真美教授(領域代表・中央大学)による「顔身体学の紹介」も行われ、平日にもかかわらず、心理学、哲学を中心に様々な研究分野の方々が一堂に会することとなりました。
Gallagher教授の発表では、誤同定免疫の反例になりうる珍しい症例が紹介され、自己主体感や自己所有感に対する、その哲学的含意が論じられました。田中教授の発表では、自己主体感は自己評価によって個人差がでてくること、またそれは文化にも左右される可能性が示唆され、河野教授の発表では、J. J. ギブソンの情報概念を中心にして、生態心理学の哲学的洞察が検討されました。
以上のように発表は多種多様であると同時に、とても刺激的であり、これに応じるように、会場からも様々な分野の研究者から熱のこもった反応をいただきました。
(by Y. Kokuryo, Rikkyo University)