2021年2月21日に顔身体学領域主催の公開シンポジウム「身体再考」が Zoomを利用して開催されました。参加者は海外からの接続も含めて延べ379名と盛況な会となりました。
日時: 2月21日(日)10:00-14:00
会場:Zoomウェビナーによるオンライン開催
参加者:379名
発表者(発表順・敬称略):
· 下條信輔(カリフォルニア工科大学)
· 大須理英子(早稲田大学)
· 為末 大(Deportare Partners代表/元陸上選手)
· 工藤和俊(東京大学)
本シンポジウムは、前日の大阪なおみさんの優勝エピソードを交えた、山口真美先生(中央大学)からのご挨拶と、渡邊克巳先生(早稲田大学)の趣旨説明から始まりました。
最初のご登壇者は、米国から参加いただいた下條信輔先生(カリフォルニア工科大学)でした。ご講演「そもそも<身体>とは何か」は、哲学的な問いから始まり「偶然的、必然的、セルフ(自分)、こころ、ソーシャル、自由VS機械、パーソナルヒストリー」と論が展開されました。大須理英子先生(早稲田大学)のご講演「身体にまつわる意思決定」は、身体と脳における意思決定に関して、具体的な研究プロセスを通して、ご説明いただきました。次に為末 大先生(Deportare Partners代表/元陸上選手)によるご講演「身体の賢さはいかにして鍛えられるのか」でした。プロフェッショナルなスポーツ選手としてのご経験と思考から導き出された「反復・注意・集団と協調・限界・瞑想とフロー・行為そのものになるプロセスに関する」に関するお話は、「身体と向き合う」実践家からの貴重な話題提供でした。最後は、工藤和俊先生(東京大学)によるご講演「身体という環境:巧みさの在処」でした。「巧みさ」が、どのように身体の要素や環境と関係しているのか、「巧みさ」とはどのような行為なのかということに関して、研究事例を示しながらお話いただきました。
その後、全体討論と質疑応答が行われました。今回はウェビナーでの開催ということで、参加者の方々からの質問は、Q&Aに記載いただく方法で行いましたが、大変に多くの質問が出て活発な議論となりました。さらに登壇者同士の討論では多角的な議論が交わされました。
今回の運営メンバーは、初めてのウェビナーによるシンポジウム開催ということで、トラブルがないように事前の準備を行いました。大きなトラブルなく実施できたことに安堵しております。
(by Y. Hughes, University of Tokyo)