関本幸教授新著合評会
”Race and the Senses: The Felt Politics of Racial Embodiment (Sensory Studies)”
関本幸教授新著合評会
”Race and the Senses: The Felt Politics of Racial Embodiment (Sensory Studies)”
3月17日に関本幸教授(ミネソタ州立大学、クリストファー・ブラウン氏との共著)の新刊本 ”Race and the Senses: The Felt Politics of Racial Embodiment (Sensory Studies)”の合評会が、オンラインで開催されました。
日時:3月17日(水)10:00 - 12:30
会場:Zoomオンライン
参加者:60名(内外国人の参加5名ほど)
人種にまつわる身体的・感情的側面に着目された関本幸先生のご著書”Race and the Senses”(共著クリストファー・ブラウン、2020年)の合評会を開催しました。合評会の第一部では、最初に関本先生から自著の執筆背景や内容のご紹介をいただいたあと、哲学班の野々村伊純・國領佳樹先生から発表(質問)を行い、第二部では人類学班の後藤真実先生、心理学班の小林恵先生(いずれも発表順)から発表(質問)を行い、関本先生にそれぞれご応答していただきました。多様な専門分野とそれぞれの関心から多彩な質問が挙げられ、活発に意見が交換される充実した合評会になったと思います。報告者が特に印象深かったのは、人種は抽象的な議論では十分に捉えられず、言葉によって表現される以前の人種にまつわる身体的感情的経験をすくい上げる必要があるという具体的な事例に裏打ちされた関本先生のお考えでした。社会制度・社会構造のレベルから各人の身体感覚のレベルまで、多角的な観点から人種を捉えることの重要性が共有され、これからのさらなる活発な議論の機会になったのではないかと思います。
by Isumi Nonomura (The University of Tokyo)