仙台市で開催された日本心理学会第82回大会において,公募シンポジウム「顔魅力の心理学」が開催されました(企画代表者:早稲田大学 渡邊克巳教授,企画者:中央大学 山口真美教授,指定討論者:日本女子大学 金沢創教授)。今回のシンポジウムでは,国内外から5名の話題提供者をお招きし,顔の魅力をテーマとした多様な心理学的研究についてご講演いただきました。まず,セント・アンドリューズ大学 デイビッド・ペレット教授は顔魅力評価の文化的多様性の形成メカニズムについて最新の研究成果を紹介され,続いて早稲田大学 中村航洋氏が計算モデリングの手法を用いた日本人の顔魅力評価の研究について紹介しました。花王株式会社 三枝千尋氏は顔魅力の即時的な知覚とその情報統合過程について,大阪大学 入戸野宏教授は顔のかわいさとその顔特徴について,認知心理学の立場から両氏のご研究を紹介くださいました。最後にカリフォルニア工科大学 下條信輔教授は顔魅力の潜在的認知の背後にある認知神経科学的メカニズムについて数多くのご自身の研究成果とともに話題を提供くださいました。シンポジウム会場は多くの来場者で満席となり,顔魅力の心理学をめぐる現状と展望についてフロアを交えて多角的な議論が交わされました。 (by K. Nakamura, Waseda University)