知識労働者(ナレッジワーカー)は、現在の日本社会においては大多数を占めています。私たちもその一人です。
公立であれ私立であれ、私たちは多くの国にはない高等教育を受けて育ってきました。その教育は、日本という先進社会がそれを維持するために必要な投資として行っていると考えるならば、その投資を受けてきた私たち一人ひとりは、社会にその還元をしなくてはならない使命を負っているということもできると思います。
ドラッカーは、先進国が新興国との競争に立ち向かうためには、ナレッジワーカーの生産性が最も重要であると別の書籍で指摘しています。
われわれナレッジワーカーが自らの自己実現をめざし、組織のニーズとマッチさせることができるようになれば、その生産性は急激に向上し、社会に還元していると言えるようになるのではないでしょうか。
本書は、次の文で締めくくられています。
「エグゼクティブの成果をあげる能力によってのみ、現代社会は二つのニーズ、すなわち個人からの貢献を得るという組織のニーズと、自らの目的の達成のために道具として組織を使うという個人のニーズを調和させることができる。したがってまさにエグゼクティブは成果をあげる能力を修得しなければならない。(Only executive effectiveness can enable this society to harmonize its two needs: the needs of organization to obtain from the individual the contribution it needs, and the need of the individual to have organization serve as his tool for the accomplishment of his purposes. Effectiveness must be learned.)」
2013/6/14
update:2015/12/31