ドラッカーは、コンピューターから出てくる情報は過去の情報だし、定量化するためには情報をなんらかのコンセプトで分類する必要があるから、どうしても現実をそのまま表現することはできない。だから現場に出て自ら知覚することが大事だと言っているのだと思います。
著作から50年後の現在、たくさんの人がインターネットを使い、いろいろな物がインターネットに接続し、膨大な情報を手にできるようになって、いくぶん現実に近づいたでしょうか。 知覚する(perceive)とは、「肌で感じる」とか「勘がはたらく」ような意味だと考えて良いと思います。
すべての机の上にコンピューターが置かれ、机を離れても皆がスマホを触っています。「現実の世界から隔絶」されていることを忘れているかもしれません。顔を上げて、外の世界の現実を知覚することは、今でも有効だと思います。
さて、四つの現実とは、①自分の時間が他の人に取られていく、②日常業務に埋没している、③自分一人だけで成果を出せるわけではない、④どうしても組織の内側に意識が向く、というものでした。
これらの現実は避けられませんが、この本で述べられている方法を学んで努力を続けると次第に成果を上げられるようになっていくということです。
create:2015/9/4