多くの組織では、形に残るもので言えば「稟議書」で意思決定を行っていて、表面的には押印する関係者の全員一致という結果が残ります。しかし、稟議書の作成過程では様々な対案の検討を行ってきていますし、必要な場合には稟議書の中にその検討過程を記録しておくこともあります。
ドラッカーはこれをもっと刺激的に、意図的に作り出すことを奨励しています。
ほとんどのサラリーマンがその属する組織からの給料を唯一の収入としているので「組織の囚人」になるのは仕方のないことだと思えます。しかし、意思決定に際しては、そういった個人の事情によらない結果を生み出さなくてはならないと、あえて刺激的な言葉を使ったのでしょう。
上記のように「いかに慎重に考え抜いても、選択肢のない決定は向こう見ずなばくちである。」とその重要性を前項に続いて指摘しています。
意見の不一致は、その当事者にとってはイライラするするものだし、感情が高ぶるものですが、正しい意思決定をするためにはあえてそれを作り出すことが必要なのです。
2013/6/10
update:2015/12/30