いよいよ終章です。これまで、成果をあげる能力として、①時間を管理する②貢献に焦点を合わせる③自らの強みを生かす④最も重要なことに集中する⑤成果をあげる意思決定を行う、という順に学んできました。
第1章の5「成果をあげる能力は修得できるか」で述べられたことの繰り返しですが、この能力を身につけるためには、繰り返し実践し習慣として身につける、つまり「修練」が必要だとしています。
実は、ここでドラッカーは厳しいことを言っています。
「成果をあげるエグゼクティブになること自体は賞賛されるべきことではない。ほかの多くの人のように、自らの職務を果たすようになるだけのことにすぎない。(There is nothing exalted about being an effective executive. It is simply doing one’s job like thousands of others. )」
つまりは、現代の組織社会においては、一人ひとりが当たり前に身につけているべき最低限の能力だと言うのです。まだそこまでの習慣をもっていない身にとっては、実に耳の痛い指摘です。
ですが同時に、「成果をあげるエグゼクティブの自己開発とは真の人格の形成でもある(The self-development of an effective executive is true development of the person.)」とも述べています。
組織で働く人間としてあるべき姿を理解し、ドラッカーの言うことに同意できるのであれば、この能力を修得できるように実践・修練していくことが良いのではないでしょうか。
2013/6/13
update:2015/12/31