日本酒を科学的に理解、説明できるには、なんと言っても
化学の知識が必要です。
その基本は、
1 化学物質
2 化学反応
の2つのことを学びましょう。
1 化学物質としては、
①デンプン・・・・お米
②糖・・・・・・・アルコールの原料物質
③アルコール・・・酒ですから
④エステル・・・・吟醸香
⑤酸・・・・・・・乳酸、含有物
⑥水・・・・・・・特性が味に大きく影響
⑦
2化学反応としては
①エステル化
②加水分解
吟醸香の元とは、大きく二つ
〇カプロン酸エチル 洋梨、リンゴのような香り 長野酵母、山形酵母派生酵母
〇酢酸イソアミル バナナ、メロンのような香り 静岡酵母、金沢酵母
吟醸香を出すエステル反応を勉強しましょう。
■エステル
吟醸香となる物質、カプロン酸エチル、酢酸イソアミルはともにエステル化合物です。
そのエステル化合物は、アルコールとカルボン酸を化学反応させて合成します。
この反応では、水が生成されるので、脱水縮合とも言えます。
(一般式)アルコール+カルボン酸 → エステル + 水
カプロン酸エチルは、エチルアルコールとカプロン酸
酢酸イソアミルは、イソアミルアルコールと酢酸
■アルコール
アルコールとは、官能基水酸基-OHを持つ有機化合物です。
炭素数がすくないものから
C=1 メタノール
C=2 エタノール
C=3 プロパノール
C=4 ブタノール(ここから異性体ができます)
C=5 プロパノール
■カルボン酸
カルボン酸とは、官能基カルボキシル基-COOHを持つ有機化合物です。
【飽和脂肪酸】
C=1 ギ酸(メタン酸)
C=2 酢酸(エタン酸)
C=3 プロピオン酸(プロパン酸)
C=4 酪酸(ブタン酸)(ここから異性体ができます)
C=5 吉草酸(ペンタン酸)
【不飽和脂肪酸】
オレイン酸
リノール酸
レノレン酸
【ヒドロキシ酸】
乳酸
リンゴ酸
コハク酸
クエン酸
【オキソカルボン酸】
ピルビン酸
■アミノ酸
アセトアルデヒド
酵素のアミラーゼ、グル子アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ
フラノン類
■カプロン酸エチル(へキサン酸エチル)
分子式
示性式
構造式
物 性 無色、液体、
製 法 エチルアルコールとカプロン酸のエステル
驛坂
■酢酸イソアミル(酢酸イソペンチル、酢酸3-メチルブチル)
分子式 示性式
構造式
物性 無色、液体、
合成実験
有機化学
有機化合物
炭水化物 日本酒の成分 第2章 炭水化物 岩田知栄子 国税庁醸造試験所
エタノール
分類
芳香族
脂肪族
インフィニット日本酒中級コース第9回(化学的根拠) マイ日本酒探し
■醸造アルコール
日本酒の分類は、いくつかありますが、基本的には
①純米酒 醸造アルコールが加えてない
②純米以外の酒 醸造アルコールが加えてある
というシンプルなものです。
では、醸造アルコールとは、いったいどんなアルコールでしょう。
一般的にアルコールは
①工業用 発酵アルコール サトウキビやトウモロコシなどの農作物などを原料を酵母により発酵
合成アルコール 天然資源のエチレンガスから化学合成によって造る
→食品の防腐剤、香料や化粧品などの材料、注射の際の薬局方アルコールと、食品である酢の原料
②飲料用 発酵アルコール 米を発酵
また、
①工業用アルコール 経済産業省の管轄
②日本酒アルコール 財務省の管轄
とう仕分けもできます。
植物を原料として、発酵させてできたアルコール
その植物とは、一般的に、
・サトウキビ、テンサイなどの糖質原料
・サツマイモ、トウモロコシ、麦などのでんぷん質原料
それらは、
①日本のもの 沖縄
②海外のもの ブラジル、タイ、パキスタン、中国、インドネシア、オーストラリア
に分かれます。
製造工程は、破砕→蒸煮→糖化→発酵→蒸留
海外で農産物から生産される粗留のアルコールを原料として輸入することが主になっています。輸入した粗留アルコールは、弊社工場の蒸留装置によって不純物を取り除くとともに、95%や99%にまで濃度を高め、国内のお客様にお届けしています。
どこで作っているのか
日本アルコール産業株式会社 東京都中央区日本橋小舟町6-6 小倉ビル6階
鹿島工場(茨城県神栖市) 粗留アルコールからの蒸留専用工場
磐田工場(静岡県磐田市) 粗留アルコールからの蒸留専用工場
出水工場(鹿児島県出水市) 粗留アルコールからの蒸留、発酵からの生産
米ノ津作業所(鹿児島県出水市)
水俣作業所(熊本県水俣市)
神戸基地(兵庫県神戸市)