仮面のライダーが
ライダー:へんしん!とうっ!
バイク屋:あっ、あの人は‥‥
ライダー:ふっふっふ‥。おまえたち大衆が驚くのも無理はない。なぜなら、仮面のライダーが、今ブームのキャンピングトレーラーで登場したのだからな!待っていろ!ショッカー!
バイク屋:また、あの妙な人だな。横断歩道の周りが交通渋滞になっているぞ。
ライダー:おい、そこのバイク屋のおやじ!
バイク屋:わ、わたしですか?
ライダー:そうだ!ちょっと、引っ張ってくれ!充電が切れた。
バイク屋:いったい今日は、何に乗っていらしたのですか?
ライダー:ごらんのとおり、キャンピングトレーラーだ!シニアカーで引いている!ここまで来るのに3泊4日かかったぞ!どうだ、かっこいいだろう?
シニアカーで引くキャンピング・トレーラー
バイク屋:お客様は、いつも驚くような姿で登場しますね。
ライダー:悪いが、呼び方をかえてくれ。私は‥
バイク屋:はいはい、わかっていますよ、月光仮面さん。
ライダー:あのなぁ、何度いえばわかるのだ?はやてのように現れて、はやてのように去っていくのが月光仮面だろ?私は‥
バイク屋:七色仮面!いや、ちがう少年ジェット!
ライダー:いつもの通り、よくそんな古い奴らばかりにたどり着くな。そろそろ覚えてくれ!私は、もっと新しいヒーローだ!
バイク屋:隠密剣士(おんみつけんし)!鞍馬天狗(くらまてんぐ)!
ライダー:あのなぁ、そいつらの乗っているのは、馬だ!ホースだ!燃料はニンジンだ!
バイク屋:わかってますよ、仮面のライダーさん。
ライダー:知ってるのなら最初からそう呼んでくれ。いじわるな奴だ。
バイク屋:ところで、仮面のライダーさんは、自動二輪の免許はとられたのですか?
ライダー:実は、まだとってない‥。
バイク屋:それで、これに乗って来たのですね。初めてタマキタイムズに登場した2014年11月から8年以上たちましたよ。
ライダー:まあ、そう言うな。まだ単車の免許をとる自信がないのだ。
バイク屋:そのスタイルだと、みんなに注目されるでしょう?
ライダー:ああ、ヒーローの登場に沿道の庶民がエキサイトしていたぞ。
バイク屋:そう…でしょうね‥。そのトレーラーは外国製ですか?
ライダー:ああ、イギリス製だ。ETAという会社が開発した。
バイク屋:デザインが素敵ですね。キッチンカーと間違われませんでしたか?
ライダー:よくわかったな。ショッピングモールのそばを通り抜けようとしたら、小さな子がメロンパンを買いに来た。
バイク屋:中は一人が寝るといっぱいですね。
ライダー:ああ、これは私が寝ているときの写真だ。
バイク屋:キャンピングカーの中で寝るときくらいは、仮面をはずしたらいかがですか?
ライダー:恥ずかしいから、いやだ。
バイク屋:フルサイズのシングルベッドでいっぱいの部屋、なんだかワクワクする空間ですね。
ライダー:屋根の上には太陽光パネルがあって電気が得られる。
バイク屋:大きなテレビがついていますね。
ライダー:そうだ。ちょっと画面がデカすぎて目がいたい。
バイク屋:電気ケトルでお湯を沸かせるのですね?
ライダー:そう、英国式に紅茶を飲むのだ。
バイク屋:夜は寒くありませんか?
ライダー:これはイギリス製だ。ヒーターが備えられてるぞ。
バイク屋:速度は、どれくらい出るのですか?
ライダー:時速6.0kmだ!
バイク屋:‥ちょっと遅くありませんか?
ライダー:安全だぞ。
自転車キャンピングカー
ライダー:実は自転車のキャンピングカーも素敵で、購入を考えているのだ。
バイク屋:うおお!これはすごいですね!
ライダー:これなら、自転車に乗って世界
中を走り回れるのではないか
と思っている。
バイク屋:どこの国の製品なのですか?
ライダー:アメリカのニューヨーク、Kevin
Cyrさんが作ったものだ。
バイク屋:発進させるのが、とても大変
そうですね。
ライダー:いや、これに乗っていれば、
強靭な体力を維持できると彼は説明しているぞ。
バイク屋:風が吹くと不安定でしょうね?
ライダー:私は気にしない。
バイク屋:下り坂のコーナーで、こけませんか?
ライダー:こけたら、起こせばいい。
自転車トレーラー
バイク屋:仮面のライダーさん、自転車で引くトレーラーなら、こんなものもありますよ。
ライダー:うおお!かっこいいじゃないか!
バイク屋:カーボンファイバー製で、42kgの重量です。
ライダー:軽いじゃないか!
オートバイで牽引(けんいん)できるトレーラー
バイク屋:仮面のライダーさん、実はオートバイで引くことができるキャンピングカーは、すでにいくつか開発されていますよ。
ライダー:本当か?
バイク屋:これをご覧下さい。
ライダー:おお、これはかっこいい!
バイク屋:素材にカーボンファイバーを用いているので、重量も後ろだけで200kgほどに抑えられています。
ライダー:軽いじゃないか!
バイク屋:そうです。前で引いているオートバイの重量の方がおおきいので、とても安定して走れるそうです。
ライダー:このオートバイなら、いろんなところでキャンプできそうだな!
バイク屋:高速道路も走れますし、静かな湖のほとりで星を見上げながらブランディーを味わうなんて、それはそれは素敵ですよ。
ライダー:ううむ、これなら素敵なキャンプができそうだな!
バイク屋:そうですね。やどかりのような自転車キャンピングカーより、よほど現実的ですね。
ライダー:ただ‥問題は‥
バイク屋:免許証がないのでしたね?
ライダー:そ、その通りだ。原付バイクの免許なら持ってるのだが…。
バイク屋:わかりました。そんな仮面のライダーさんにもご満足いただけるように、今日は原付バイクとそれで引くことができるトレーラーをご紹介します。
ライダー:おお!そんなものがあるのだな?!
バイク屋:はい。究極のミニマム・トレーラーです。
ライダー:トレーラーのスタイルはどうだ?かっこ悪いのはいやだぞ!
バイク屋:流線型のおしゃれな形です。ただし、原付バイクで引くことができる大きさですので、中は少しせまいですよ。
ライダー:大丈夫だ!私はせまいところが得意だ!小さい頃は押し入れの中でかくれんぼをするのが大好きな「押し入れケンちゃん」と呼ばれてたぞ!
バイク屋:今、その写真をお見せしますね。
ライダー:早くみせてくれ!じれったいぞ!
バイク屋:これです。
ライダー:ここに、入れる‥だろうか?
バイク屋:全身は無理ですが、頭だけなら十分はいります。素敵なお部屋ですよ。オプションで中にテレビもつけられますよ。
文責 玉木英明