P-F 28

凪斗と凪佐が当てもなく走る


「ねぇ凪佐、凪佐ってば、大丈夫だから、一人で逃げられるから」


「やめて、今度こそ二人で逃げてやりたいんだよ、お誕生日お泊り会」


「凪佐・・・」


「話したいことしかないからね」


「あっ!!危ないっ!!!」


凪斗が凪佐と倒れるような形でその攻撃をよける


「あれれ~?裏切者を処分したかったんですけどね」


「桜・・・」


「七島さん・・・!?」


「って言うか、何私を差し置いて伊吹ちゃんと仲良くなってるんですか!!許しません!!!」


「話を聞けよ!!」


「誰の話を聞けっていうんだ?」


「天子・・・」


「今日はあの死神くんもいないみたいだし、お前を容赦なくやれる」


「そういうの後にして、今は急いでるんだ!!」


「安心しろ、お前を好き放題やったら解放してやるから、あぁ・・・いっそのこと今日は監禁して0時までちょっとずつ痛めつけて最高の誕生日にしてやろうか」


凪斗が銃を構える


「天子くん、七島さん、逃がしてくれない・・・?」


「実戦経験のない君に何ができるの?」


「お願い逃がして、そのあとじっくり話は聞くから」


「そんなこと信じるわけないでしょ!!」


桜がメイスを振り下ろす


「ダメー!!!」


間一髪で新子がメイスをハンマーで打ち返す


「きゃっ!!」


「桜!!!てめぇ誰だよ!!」


「俺っちは新子だいっ!!凪にいちゃんを傷つけるなら俺っちが許さない!!」


「新子・・・?もしかしてあの時のニーコ・・・?」


「凪にいちゃんは俺っちを助けてくれた!!だから俺っちが守るんだい!!!」


凪佐が鎌を取り出し構える


「それには同意、これで数はこっちのほうが上だけど、どうする?」


「やるに決まってるでしょ?それにね、あんたの兄ちゃん懸賞金かけられてるの、これを逃すと思ってるの?」


「えっ!?」


「凪斗、その子と逃げて」


「嫌だ、これ以上凪佐とすれ違ったままじゃいやだ・・・」


「俺っちだって!!!」


「こらそこ!!」


警官の服を着た二人が近づく


「この間もトラブル起こしてた子だよね?まったく・・・反省の色がない」


「え?あ・・・いや、違います」


「何も違わないだろう、事情聴取させてもらうからな、うちらと来てもらおう」


警官の一人が凪佐にウィンクをする、凪佐がその意図に気が付く


「あの、おまわりさん、じゃあ俺たちはこの辺で」


「あぁ、じゃあな」


「待ってください俺たちは」


「言い訳無用!!」


凪佐が二人の手を引き歩く、姿が見えなくなると同時に走り出した


「今の人たち・・・」


「霧斗のバイト先の先輩、だから安心して、えっと・・・新子だっけ、君も凪斗を守ってね」


「もちろん!!!」


二人は行く当てもなく走り続けた