02

「シュンヤ様、ご参加ありがとうございます」


「えーっと・・・お願いですから登校中の報告は遠慮してください」


シュンヤがバトラーに言う

バトラーはそれでもお構い無しに話を続ける


「つきましては同じ世界の能力者にご注意ください」


「なぜですか?」


「ライバルは一人でも少ない方が良いと感じるのが人間の心理でしょう?」


「そりゃあ・・・でも」


「当ゲームは、開始前の戦いに、これといった制限はしてないんですよ」


「えぇっ!?それを早く言ってください!!」


「でもあなた様はそれをご存知のはずですよ」


「そりゃそうですけど・・・ほら、色々やってると覚えてられないんですよ」


「ともかく、くれぐれもお気をつけて」


「あなたこそ」


シュンヤがそういい手を振った

教室に入ると男子生徒がシュンヤに声をかけた


「おい黒瀬、お前あのうわさ知ってるか?」


「あのうわさですか?」


「あぁ、何でも鳥のマスクを被ったやつらに招待されてゲームに参加して勝つと願いが叶うってやつ」


「あー・・・正しくは運命を変えられる・・・ですね」


「え!?なんだよそれ」


「遭遇したんです、その鳥のマスクに」


「何!?じゃあお前ゲームに!?」


「はい、参加してきます、もしも二度と学校に戻らなければ・・・死んだと思ってください」


「いや・・・だって・・・・お前・・・」


「大丈夫です、多分死にませんから」


シュンヤがうつむきながら言う

けれどその表情はどこか微笑んでいた

少しどきどきしていたシュンヤだが学校は無事に終わりクラスメイトと帰路を歩いているところだった


「みーつけたー・・・」


「!」


シュンヤがその声に驚き振り返った


「お前、Mine Funeral参加者だろ?」


「だったらなんですか?」


「だったらここで殺す!!」


そう言い放つと声の主はボウガンでシュンヤを撃った

シュンヤがとっさにカバンで矢を受け止める


「皆さん逃げてください!!」


シュンヤが叫びクラスメイトが逃げる

シュンヤは彼らとは逆の方向へ走り出した

攻撃はぎりぎりでかわしているがシュンヤは元々インドア派であるためにもうすでに体力もぎりぎりだ


「はぁ・・・はぁ・・・・」


「もう限界なのか?やれやれ弱いねぇ」


シュンヤがにんまりと笑い近くにあった標識を折る

そしてその標識をぶん投げ相手に突き刺そうとする

シュンヤは何度も何度もそれを繰り返した

相手に標識が刺さるとシュンヤは何かを確信したように標識をぐりぐりといじる


「あああああああ!!何しやがるんだ!!痛え!痛えっ!!!」


「襲ってきたのはそっちじゃないかひどいなぁ」


シュンヤがさらに標識を抜き差しした

やがて相手は動かなくなった


「やれやれ、俺も性悪ですね」


そうつぶやくとシュンヤは標識を捨てた

それは危険を知らせるための標識だった

シュンヤはそれを蹴り、川に落とす


「さてっと・・・どうしたもんかな・・・・?」


シュンヤがそうつぶやき空を見上げた

まだ明るい夕日だった