P-F 32
凪斗と凪佐が純の家にたどり着く
「あ、主役来たね」
「じゃあ、イブの回復&二人の誕生日祝いに~!」
「乾杯!!」
「とまぁ、こんな遅くなっちゃってごめんね」
「純がケーキ焼いてくれたんだよ、ほらほら」
「バニーJの手作りケーキ・・・!?そんなの申し訳なくて」
「やめてよ、ボクはもうバニーJじゃなくてただの純なんだよ」
「あ・・・そっか・・・」
「そう、だからこれからは恋愛も自由!!!」
「あ、そっか、紫苑が種族別の婚姻を可能にする法律提案して通ったんだっけ?」
「そうそう、だから今両親一緒に暮らせてるんだー!」
「あの法律のおかげで異種間カップルすっごく増えたよね、いやめでたいことなんだけど」
「あ、うちも天使族の彼女出来たよ」
「え?白夜先輩本当に?」
「うん」
「おめでとう、リア充爆発しろ!!」
「なっ!ひどいな柳・・・お前ともちゃんと遊んでやるよ」
楽しそうな会話の中凪斗がぼんやりとその様子を見つめている
それに気が付いた霧斗が声をかける
「どうしたの?凪斗・・・」
「あ、いや、あのね・・・こんな光景、ちょっと前だったら信じられなくて、ちょっとどう表現していいか分からなくて」
「あ!俺っちその気持ち知ってるよ!!」
新子が凪斗に抱き着きいう
「楽しい!っていうんだよ!!」
「そっか・・・楽しいか・・・そうかもね、だってニーコともお話しできるんだし」
「あ、千鳥も来れるって、輝夜と香澄は・・・来れないからせめてもってビデオレターくれた」
「え!?本当に!?見よう見よう」
みんなでタブレットを囲み、ビデオレターを見ながらその日は一日中楽しく過ごした
差別のなくなった世界で、ただ幸せをかみしめ続ける将来を願って、凪斗は自分に切り分けられたガトーショコラを口に含んだ
その味は、初めて食べた衝撃を上回るおいしさだったという