P-F 03

「ねぇ皇霧斗、明日暇?」

「何を藪から棒に・・・?用事はないけど凪斗のところに行こうかと思ってるよ」

「じゃあ空いてる時間付き合ってくれない?アイドルのコラボカフェの予約取れたんだけど、一緒に行く予定の人がキャンセルしちゃってさ」

「ボクそのアイドル分からないけど良い?」

「うん、その代わりといっちゃ何だけど、全額出す代わりにコースターと缶バッジは譲ってくれない?」

「それはもちろん」

「じゃ、決まりだ」

翌日、コラボカフェ前に二人は集合していた
列に並ぶと紫苑がメニューを見せながら言う

「好きなの頼んで良いからね」

「え?好きな子のやつじゃなくていいの?」

「どっちもランダムだし推しのメニューは自分で頼むから、久々に思い切りチョコミント食べられるの嬉しい・・・」

「んー・・・じゃあこのにゃんにゃんチーズパスタと・・・ドリンクどれも甘そうだな・・・」

「じゃあこのドリンクは?炭酸系で爽やか系なんだって」

「あ、じゃあそれで」

「ご注文はお決まりですかー?」

「スペシャルダブルBケーキとにゃんにゃんチーズパスタ、それからブリヘブソーダ2つください」

「かしこまりましたー」

テーブルに着くとドリンクが運ばれコースターが置かれる
紫苑がコースターを見つめると、普段の表情からは想像出来ない笑顔で言う

「2枚ともバニーJだったね最推しだから嬉しいよ」

「さ・・・さいおし?」

「もっとも好きなメンバーってこと、人気高いから自力で出すしか入手方法がないんだよね」

「じゃあ良かったね、あ、本当だ、このソーダ甘すぎなくて飲みやすい」

しばらく待つとメニューも運ばれ缶バッジが置かれる

「わぉ!皇霧斗・・・!引き良すぎじゃない?これが物欲センサーの差かな?」

「なんにせよ、目当てのものが手に入ったなら良かったね」

「そういえば、病院にいる天使だけどそれだけ監禁されてたなら世間にも疎いだろうからはいこれ」

「何これ?」

「ボクのお古のタブレットと読み終わった本とやってないゲーム」

「通称ごみ?」

「まぁまぁ、操作とか教えてあげてよ、そのタブレット間違えてポケット型Wi-fi1年契約しちゃったからそれも一緒に入ってるし」

「それは自分で使いなよ・・・」

「いや、いらないだけに使わないのもったいないし・・・」

「そう?じゃあありがたく使わせてもらうけど・・・」

「あの・・・」

髪の長い少年が声をかける

「はい?」

「さっきバニーJコースター2枚持ってましたよね・・・キャットCとシープK2枚出ちゃったんで交換してください」

「うーん・・・バニーJ1枚で1枚ずつくれるなら良いよ」

「あ、じゃあお願いしま・・・あー!!!」

「あっ!!お前!!」


「何?知り合い?」

「例の天使族の弟だよ」

「あぁ、そうなんだ、とりあえずコースター交換しようか」

「う・・・うん・・・・」

「いやー、世間は狭いねー・・・先輩の友達の弟とこんなところで出会うなんて、それで、ブリヘブは誰推し?」

「もちろんバニーJだろ!!日々辛い中であの子の笑顔と歌声だけが俺を癒してくれてさ~・・・あ、言っとくけど俺をそこらのファンと一緒にすんなよ、俺は地下アイドル時代からのファンだ」

「へぇ・・・奇遇だね、ボクもそうだよ、何なら自分の曲がなかった時代から知ってるけど」

「なっ・・・なんだそれ!!俺はそんな時代知らないぞ!!」

「そりゃあね、世渡り上手なあの子だから半年ぐらいで曲提供をしてくれる人見つけてたみたいだからその間の話だよ、あ、ボクのファンクラブ会員カードこれね」

「は!?ナンバー1!?お前これどうやって手に入れたんだよ」

「運?」

「クソッ・・・俺だってあんながんばって10なのに・・・」

「まぁ、こんなものはただの数字であって愛はまた別、違う?」

「はっ・・・!確かに・・・!!」

「ところで、この後暇?良かったら一緒にカラオケ行ってブリヘブメドレーでもしない?」

「もっちろん!!!あ、俺松葉凪佐、お前は?」

「神楽坂紫苑、よろしく、松葉凪佐」

「あー・・・じゃあ2人とも楽しんでね、紫苑、ごちそうさま、あとこのアイテムありがとう」

「良いって、こっちこそ付き合ってくれてありがとう」

そういうと霧斗と紫苑は別れお互いの目的地へ向かった