ごあいさつ

ごあいさつ

三重昆虫談話会のホームページへようこそ!本会は三重県の昆虫を愛する人の集まりです.三重県の昆虫の情報がぎっしり詰まった会誌「ひらくら」を1957年から発行し続けてきました.1956年11月に湯の山の山岳寺において三重昆虫談話会設立のための発起人会が開催され,1957年1月に三重県立博物館にて第1回の談話会が開かれました.10名の会員から始まった当会は現在では100名を超えるようになりました.65年の長きに渡って一つの地域でまとまった活動を続けている地方同好会としては日本全国でも屈指の団体と言えます.

さて当会の目的は当初から三重県の昆虫を調査するということでした.そしてこの調査をする中で三重県の昆虫相の解明と会員相互の親睦をはかることとされています.1960年~1970年代の日本では昆虫採集が子供の自然科学への入門ならびに情操教育として推奨されており多くの昆虫少年・少女が誕生しました.現在の三重昆の主要な構成員はこの時代に子供時代を野山で昆虫を追いかけて過ごしています.その後の高度経済成長とそれに伴う自然破壊の進行により日本の山河は大きなダメージを受けました.現在は地球規模での温暖化の進行や災害の激甚化により我々の愛する昆虫も大きく変化しつつあります.また新型コロナ感染症などの流行により我々も行動の制限を受けています.このような様々な要因により三重県の昆虫を取り巻く環境も大きく変化してきましたが,我々はこの昆虫たちの変容についても後世に記録として残してゆく責務があると考えています.しかし実際にフィールドへ出ると多くの昆虫は昔と変わらずに我々を迎えてくれます.この多くの昆虫との出会いを愛するがゆえに我々は昆虫採集に出かけ記録してゆきます.100年後も三重県の昆虫たちが元気で,それを採集し記録することを楽しむ会員が続いてゆくことを願っています.


2022年1月1日

三重昆虫談話会会長 稲垣 政志