『全くニュータイプの美味しいものの実現?』
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「人は記憶で食べている」と言っても、過言ではありません。
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ペットさんを見てると、
クンクンして、食べたことなさそーなモノでも、
においで、食べれるか食べられへんかを判別しはることに、
人間の私は、どびっくりです。(私は飼ぉてへんけど。)
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動物さんは、においの判別の制度が高いですねー。
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人間はどうでしょう。
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殆どの場合、
これまでの飲食の経験によって、
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見た目や、臭いや、触覚や、
そして何より、食品に付いてるラベルの情報やらから、
食べたことあるし、大丈夫、って思うのです。
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食べる時には、自然と、
過去に類似の物を食べた記憶が蘇っています。
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その過去の、食べ物そのものだけでなくって、
誰とどんな状況で食べたかも
思い出してたりもするものです。
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過去経験から
「身体に入れて(食べて)大丈夫」って保証を得ようとしています。
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食には、
〈安心〉というのが、
もっとも!!!〈基盤〉で必要なのです。
おいしい、というのは
安心の基盤の上にしか、ありません。
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身体に入れていいって、脳が判別できたものに、
おいしいって感じます。
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味の、<甘み>や<うま味>は、
赤ちゃんの時から美味しいと感じて、ニコっとする、
<エネルギーのシグナル>、<アミノ酸のシグナル>(生きていくためにぜったい必要)ですが、
酸味、苦味や、様々なにおいなど、
毒かも知れないシグナルを含んでいるものを、
身体に入れていいと判別できるのは
これまでの食経験に依存します。
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たとえば、初めて見るサンドイッチのパックの、ラベルが剝がされてるだけで、
ドレッシングの酸味なんか、賞味期限切れてて、腐ってて酸っぱいんか、
判別しにくく、美味しいって感じにくいです。
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知らん酸っぱいモンには、
「腐ってんちゃうか」って警戒するし、
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知らん食感は異物のように感じられるし、
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知らん香りは、食べてええんか心配するし、
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人は、
安心して食べられるってのを、おおむね<知ってる>ものしか
美味しく食べられません。
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ここで大事なんが、
“おおむね”ってことです。
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全く食べたことのない食材を
食べることを想像してみてください。
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おっかなびっくり、クンクンしてから
ちょびっとだけ口に含んで、
咀嚼中も警戒心いっぱいです。
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脳が<未知>なものは、
不気味に感じられて、
すぐ「おいしい」と判断することは稀です。
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(つい、
いつものファーストフード行ったり、
いつものコンビニ行ったり、
いつものお菓子買ったり、
も、安心できて、美味しく感じられるのですー。)
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とはいえ、私たちのお仕事の中では
お客様方に、新しいドリンクに出逢って頂くことも多いものです。
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初めてのものでも、
美味しいと、感動して頂けるかどうか!
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それは、
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8割知ってて、
2割びっくり。
こんくらいのものです。(割合は無根拠です!テキトーです!)
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昨日テレビで
万博のオーストラリアパビリオンらへんで
「クロコダイルのフィレロール」が買えるゆーてました。
ホットドッグのパンみたいなんに
ワニ肉が、
鶏肉ちゃう?みたいな調理方法で挟まれてるやつです。
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ワニ肉のフードは、メディアでしばしば見るし、
食べ物としての警戒心は比較的少なそーですが、
初めて食べるとなると、ちょっと警戒すると思います。
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ソレが、
なんか知ってるっぽい調理法で、
なんか知ってるっぽい味(知らんけど、鶏さんぽいて聞くし)やと
ぼちぼち安心して食べれるし、
美味しいと感じることも出来そーです。
(新しい食材×よく知ってる調理法 バージョン)
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もしくは、
初めて見る調理法!やけど、
すごく馴染みのある食材の場合。
これも、安心して、美味しいと感じられそーです。
(よく知ってる食材×新しい調理法 バージョン)
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よく知ってるもの同士やけど、
意外な組み合わせ、とかも
アリですね。
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一方、
知らん食材を、知らん調理法で
見た目も、臭いも、食感も、
ぜんぜん知ってる要素がなかったら
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そんなん、食べ物やと、みなすことは
ちょっと難しそうです。
(知らん食材×知らん調理法×知らん組み合わせ は、受け入れ難い〉
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全く新しい、ニュータイプの、美味しいものを作ってみたい!と思っても、
飲食というのは、そーはなかなか、いかないのです。
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最近ドリンクを
ムース状やらプチプチ状に出来る商材があるんですけど、
そゆのも“知ってる味”で作らないと、
知らん味の知らん状態のモノ、
きっと気持ち悪いです。
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今年の初夏に、ええとこの和食屋さん行って、
トマトが見たことのないムースみたいな不思議なジュレ状で
旨味がきいててお蛸さんやおオクラさんと食べるお料理が出てきました。
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馴染み深い食材×初めての調理×めっちゃ旬×めっちゃ興味深い×めっちゃ美味しい
で、心を打たれた一皿でした。
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これまでも、他のテーマの折に、
飲食には<経験>が影響していると、たくさんのご機会に申してきました。
(下のほーのリンクから過去記事どうかご覧くださいませ。)
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素材そのものや、調理法だけでなく、
食べるお客様の食体験というのも、飲食には非常に大切な要素ですね。
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、、、とはいえ!
ドリンクの歴史の中では、
今では非常に一般的となっているのに、
当時とても独創的だったはずの
〈コーラ〉が大ヒットしたように(当時入ってたコカの薬効のせーかも知れへんですが)、
画期的やったものもあって、
現代においても、
非常に斬っ新なニュータイプなドリンクを創造する天才バーテンダーが、出現する可能性も、
あるんかも!知れへんですね!
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これまでの記事👇
(新しい組み合わせの可能性
経験による影響
👉No.3『大人になるとビールやウイスキーが美味しくなる?理由』
👉No.15『カクテルのビジュのために、安易にミントやレモンを入れてはいけません』
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昨日3時間半も美容室おって書いてたらスゴイ長くなってしまいましたーーー次はもちゃ短い記事にしよー。