『奪います!奪うことがいいんです!』
氷の入ったドリンク。
ドリンクを冷やしてるのは、
冷たい氷が接触してるからやって思いますか???
そー思ってる方、多いはずです!
以前、冷凍庫2号くんのお話の際に、
「氷は、融けることで、ドリンク冷やす」ということに少し触れました。
融けることでドリンクを美味しくしてくれます。
水の<比熱>は、
みなさまご存じ、1cal、です。
比熱は、1gあたりの物質の温度を1度あげるのに必要な(奪う)熱量のことです。
それが、氷だと比熱が半分になります。
しかし、コレが大切なポイントなのですが、
氷を<融かす>ときに、必要なエネルギーは、
なんと!
1g当たり80カロリー!
大きな熱量が必要です。
『融解熱』といいます。
氷は融けていくときに、ドリンクから温度を奪っていくのです。
バーテンダーはそれを知っていて、ドリンクへ入れる氷の温度を上手く調節することが大切です。
冷えすぎた氷より、適度にゆるんだ氷が理想です。
見た目にも美しいです。
グラスに、すっぽり入る、大きな塊の、ヒビもなく、表面もツルっとした、氷、
魅力的ですよね。
そこへドリンクが注がれていく様は美しいです。
「氷が融ける」ということを、
「水っぽくなって美味しくなくなる」というネガティブなとらえられ方をされることも多いです。
確かに霜で覆われた氷の、融けやすい<よくない部分>がドリンクへ溶け込んでしまうのとかは避けたいですが、
ドリンクによって、どんな氷が最適か、
背景を知ったうえで、使い方を模索することは
大切だと思います。
ちなみに私は、氷の霜を取るのに、
よくステンレス板を使っています。
ドリンクに使う前に、
氷を、ステンレス板の上で滑らせます。
氷を水の入ったカップに入れて霜を落とすお店も見かけますが、
ステンレス板は、熱伝導がよく、
霜も取れて、温度調整した氷にはヒビも入らないですし、
錆びにくいので、
とても重宝しています!
おいしい氷のステキな味方です!