杉戸駅遠望
下り方向の線路上から撮影した杉戸駅(1943年)
(2018/11/13公開 )
(2018/11/13公開 )
※目印は撮影位置です
写真は1943(昭和18)年5月2日、当時の杉戸駅(後の東武動物公園駅)を北西方向、ストリートビューのこちら(2015年9月)の位置あたりから撮影したものです。中央より少し上の位置に踏切があります。ということは撮影者は線路内に入って撮影したのでしょうか? 撮影時刻は、線路の影が幅広に写っていますので午前9時前後ではないかと思われます。太陽は概ね南東方向にあったはずで、左にカーブする線路の影が手前側にあることも撮影位置推定の裏付けになっています。また、ストリートビューと同じく、線路の左(北東)側には建物があり右(南西)側には無い点も一致しています。
東武鉄道(北千住~久喜間)の開業は1899(明治32)年(出典:東武鉄道 会社の沿革1895〜1920年)、杉戸駅は東武鉄道営業開始時の設置です。同時開通した粕壁駅(後の春日部駅)の1936(昭和11)年の写真(リンク:かすかべデジタル写真館 )を見ることができます。同じようなアングルの写真です。杉戸駅の写真はピントが甘く駅の外観もよくわかりませんが、粕壁駅と同じような感じだったと思われます。粕壁駅の写真には蒸気機関車が写っています。
拡大してもよくわかりません。ただ左の屋根の建物が駅舎のようです。
線路沿いの家並みのようすをいくらか察することができます。手製の垣根や生け垣があります。芽吹いて間もないと思われる植木があります。家と線路の間に道があります。
実は、元の写真は裏焼きでした。日付は1943(昭和18年)5月2日、ネガは残っていません。「東武線杉戸駅」という添え書きがなければ、駅が写っていることさえ気が付かなかったかもしれません。ただ、そのころのカメラ(恐らく二眼カメラ)は、ピント、露出だけでなくフィルム送りも手動(目分量)、フレーミングも大雑把、簡単に思ったとおりの写真が撮影できるものではなかったのです。この写真には人物も電車も写っていません。撮影者は、もっと鮮明に杉戸駅を記録に残したかったものと思います。(2018/11/13公開)
東武鉄道ポータルサイト(企業情報-会社の沿革-1895年~1920年)
春日部市郷土資料館 (かすかべデジタル写真館-タイトル背景写真を除き1枚目の写真)
宮代町 (郷土資料館-速報-平成28年度東部地区文化財担当者会巡回展「埼玉県東部地区の交通」)
杉戸町 (杉戸町ページ-各課のページ-社会教育課-文化財・歴史-杉戸町の歴史-古代から現在の杉戸町になるまで-明治維新と杉戸町の誕生)