名古屋城

西南隅櫓近くから見た天守閣(1941年10月30日)

(2018/10/25公開 )

※目印は撮影位置です

名古屋城くらい有名になると古い写真も数多く残っています。この写真は戦災焼失(1945年)前ではあるものの、その後再建された城と見た目はほとんど変わりません。ストリートビューのこちら(2010年9月)でご確認願います。違いは最上階の窓の大きさ(経緯は後述)くらいです。ぼやけていますし、価値ある写真でないでしょう。ただ、1941年の戦時下にあっても、観光で名古屋城を訪れ記念撮影をした人がいたことをこの写真は物語っています。当時、写真は日常的に撮影できるような気軽なものではありませんでした。この写真においても、撮影者は名古屋城を訪れた人物を記録に残す意図でシャッターを切っているはずです。背景として天守閣全体をフレームに入れて人物にピントを合わせた(城にはピントが合っていない)のは撮影者の意図どおりだからです。さて、人物の影が右に長く伸びています。この写真は、ほぼ北を向いて撮影していますので、太陽は西方向やや南寄りのかなり低い位置にあることになります。したがいまして、写真が撮影されたのは午後3時以降ではないかと推測されます。

2018年現在、名古屋城天守閣は木造復元工事が計画されており、予定どおり進めば2022年12月に竣工となります。(出典:名古屋市「名古屋城天守閣 木造復元について」)ちなみに、戦災焼失後再建された天守閣は、「最上層の窓は展望窓として焼失前より大きなものとした」(引用:名古屋城の天守 名古屋城のガイド 攻城団)そうです。木造復元後の最上階の窓がどうなったかは竣工後に確認してみてください。なお、ここで紹介した写真とは別に、焼失前の名古屋城の少し鮮明な写真(ただし撮影年不明)があります。その紹介はまた別の機会としたいと思います。(2018/10/25公開 )

■参考サイト

名古屋市(観光・イベント情報-名古屋城)

名古屋城公式ウェブサイト ( 名古屋城天守閣 木造復元について

攻城団 (城メモ-名古屋城で検索-名古屋城の天守)