大宮公園舟遊池
ドーム屋根の建築が見えた大宮公園の池(1949年)
(2019/06/25公開)
(2019/06/25公開)
※目印は撮影位置です
『大宮公園にて花見 24.4.17』アルバムのメモから写真の撮影時期と撮影場所はわかっていました。池を背景に撮影した写真2枚をパノラマ風に並べてみました。(撮影位置に違いがあり厳密なものではありません。)問題は池のほとりのどのあたりでの撮影かということです。手掛かりは写真背景のドーム型屋根の建物です。調べてみたところ、1921(大正10)年開業の「大宮遊園地ホテル」で、1967(昭和42)年に取り壊されていることがわかりました。そのことは現地説明板「遊園地ホテル跡地」に明記されているそうです。(出典:はぐれ鳥うろちょろ記 ※文末参考サイト参照)
具体的な撮影位置の特定については後述するとして、ストリートビューのこちら(2011年11月)が、写真の撮影位置に近いと思われます。同じ松かどうか定かではありませんが、幹の曲がり具合がよく似ています。少なくともこのあたりに松の木が何本かあることは事実です。大宮遊園地ホテルの建物が残っていれば確かな裏付けとなったのでしょうが、こればかりは仕方ありません。
最初の写真より約2年前撮影の空中写真(大宮公園周辺)です。池の右の楕円は陸上競技場兼双輪場、その下が野球場です。野球場の斜め上あたりが児童遊園地ですが識別困難でしょう。ちなみに左下の木が生い茂っているところが大宮氷川神社境内です。大宮遊園地ホテルについては次の写真(拡大したもの)で説明します。
右上に並んでいる2つの点が大宮遊園地ホテルのドーム型屋根です。そこから45度斜め左下方向、池の対岸が撮影位置になります。この位置からドーム型の屋根は1つしか見えないことになります。最初の写真では背景にドーム型の屋根が2つ並んでいるようにも見えますが、左側部分は別の形の屋根です。尖塔(針?)が付いていないので識別できます。
大宮公園舟遊池は「ボート池」とも呼ばれいて、2000(平成12)年に貸しボートが終了(出典:埼玉県大宮公園 ※文末参考サイト参照)するまではボート遊びができました。写真の対岸部分を拡大すると、中央あたりにボートを浮かべている様子が、その左に桟橋らしきもの(貸しボート場か?)が写っています。 右の四角い建物については、それが何であるか特定できませんでした。
ところで、撮影者は花見にこの場所を訪れており、他にも写真を何枚も撮影しています。池が背景の写真の内1枚(左側)はネガは無くプリントのみでした。2枚の写真はそれぞれ別のカメラで撮影されたものと推測されます。1949(昭和24)年当時、カメラは誰でも所持できるものではなく、お互いに写し合ったり、焼き増しした写真を配り合ったりしたものです。その後しばらく続くフィルムカメラの時代は、写真の配付、交換が普通に行われていました。写真は今を私的に記録するものであり、家族、知人との共有するものだったのかもしれません。それが時を経て、今は見ることのできない過去を偲ばせてくれるタイムマシン的な役割を果たすことになるとは、撮影当時は思いもよらなかったでしょう。(2019/06/25公開)
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