曽我浦を望む
錦ヶ浦から曽我浦方面の展望(1953年頃)
(2019/09/02公開)
(2019/09/02公開)
※目印は推測による撮影位置です
画面左半分の景色から「曽我浦」と想定してみました。ストリートビューのこちら(2018年7月)の景色が似ています。ストリートビュー右の建物は扇崎庭園、中央遠方の建物はオーシャンビュー赤根崎です。1953(昭和28)年当時は両方共存在していません。撮影位置もストリートビューとは異なります。まずは、背景が曽我浦で間違いないのか見ていくことにします。ストリートビューと景色が似ていると言っても、曽我浦と特定する根拠にはなりません。写っているもので他に手掛かりとなりそうなものがあれば別ですが、海と山と木の枝だけではお手上げです。ところが、左の木の枝に隠れてあるものが写っていました。それは、同じ場所で撮影されたもう1枚の写真で確認できました。
大きな岩が二つほどあるのがわかります。「雀岩」という名前がついています。言うまでもなく、曽我浦に存在する岩です。もう少し左に「二ツ根」という岩もあるはずですが、残念ながら写っていません。
曽我浦の空中写真です。2017年時点で、岩はそのまま残っています。写真中央が「雀岩」、右下が「二ツ根」です。
撮影者にとっては、ただの記念撮影の1枚、景勝地「錦ヶ浦」を観光に訪れた記念に過ぎなかったかもしれません。しかし、かつてあった錦ヶ浦入口を東に下り、南方向に曽我浦を見渡せる崖の上に、木の柱、茅葺(?)の屋根、転落防止の手すりを付けた東屋があった…、ということを示す貴重な写真なのかもしれません。錦ヶ浦の地に、ホテルニューアカオが営業開始したのが1973(昭和48)年1月。1976(昭和51)年にホテルから「にしき亭」までの遊歩道が完成、1990(平成2)年に遊歩道が「ハーブガーデン」まで国道沿いにつながる(出典:アカオリゾート公国)、というのが、その後の錦ヶ浦遊歩道の経緯です。それ以前の錦ヶ浦遊歩道について詳細を知ることのできる文献は今のところ見つかっていません。(2019/09/02公開)